2015年10月5日月曜日

住民投票で公立図書館の民営化(TUTAYA図書館)を否決 愛知県小牧市


判断の基準は、利用の利便性、快適性にあると、私は、考える。
民間委託は好ましいものとは思わないが、もし、このことが確保されないなら、民間委託でも構わない。
公立図書館の運営についての話である。


小牧市で、公立図書館の民営化ー「TUTAYA図書館」によるーの是非を問う、住民投票が行われ、投票の結果、否決された。



◆ 住民投票・・・図書館の民営化を否決

『読売』が、その締めくくりで、次のように問いかける記事を掲載した。
≪もし、あなたの自治体に同様の構想が持ち上がった場合、どう考えますか。公立図書館運営を民間に委託することについて、賛成の方は「イエス」、反対の方は「ノー」に投票してください。ご意見がある方は理由もお書きください。≫
記事の内容は、以下のようのものである。
≪民間企業に運営させてオシャレで快適な空間めざすのか、それとも自治体が運営して公平性を担保した方がいいのか?――愛知県小牧市で4日、レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)などに運営を委託する新図書館計画の賛否を問う住民投票が投開票され、反対が3万2352票で、賛成の2万4981票を上回りました。
CCCによる図書館運営は2年前に佐賀県武雄市で始まり、同市図書館は入館者数が急増するなどして全国の注目を集めました。神奈川県海老名市もCCCに委託し、今月1日に刷新オープンしたばかり。小牧市の住民投票も全国から関心を集めていました。≫

◆ 数や、建物の「立派さ」だけが問題ではない

住民投票に法的拘束力はないが、小牧市は「結果を尊重する」方針のようだ。

計画では、市の中心部に約42億円の建設費を投じて地上3階、地下1階の建物を造る予定であった。計画は、見直しを迫られることになった、と記事は書いている。

小牧市は、人口が15万人。図書館の数は、5か所。
私が今暮しているところは、人口20万。図書館の数は、7か所。

人口に対する図書館の数を比べると、あまり大差はない。
さらに、私の場合は、近隣の市町村の図書館を利用することが、出来る。

もちろん、本を借り入れる場合には、条件がある。だが、閲覧するだけなら、自由である。書架にない本でも、カウンターで頼めば、書庫から出してきてくれる。その際に、身分は問われない。

また、近くには、国会図書館もあり、そこを利用することも出来る。もちろん、近くといっても、歩いて行けるような距離ではない。

詳しい事情は分からないが、恐らくは、小牧市も同じようなものではないかと思われる。名古屋まで出れば、「立派な」図書館があるのではないか。それを利用できるのではないか。

だが、数だけが問題なのではないと思う。
建物の「立派さ」だけが問題なのだとも、思わない。


◆ 利用の利便性、快適性にある・・・「宅配」を見習う

要は、利用の利便性、快適性にある、と思う。(余談ですが、この記事を書いて切る最中に、「アマゾン」から、荷物が届きました。3日にネットで購入した「本」です。山梨県にある「お店」からですが、早くも手にすることが出来ました。)

私が今考えているのは、このシステムを「見習う」ことである。つまり、図書館の本の宅配。これが出来れば、わざわざ、図書館まで出向く必要はなくなる。

返却の問題が残るが、これは、近くの小学校を利用すればいい、と考える。日本中、どの地域であろうと必ずあるのは、小学校であるからだ。

だから、利用者はそこに返却する。それを定期的に図書館側が巡回して、回収する、という方法にする。これは、一例であり、もっと効率的な方法があれば、それでもいい。

この方式は、今の日本には、―特に地方ではー、必要なことである、と思う。これからーもうすでに、と言うべきかー高齢社会が本格化する。国民の人一人の人生の持ち時間が、長くなる。

また、高齢になれば、出歩くことも大変なことである。特に、地方で図書館が遠くにあるという場合は、そのことで本を借りに行くことを諦めなければならないことが多かろう。

ー医学的に証明されているかどうかは知らないがー、本を読めば、頭が活性化し、老化を緩やかなものにすることが出来るだろう。雪深いところに住んでいる人々が、「冬を越す」さいの「慰め」にもなることだろう。


◆ 優れたシステムとしては、ネット配信

もっと、優れたシステムとしては、ネット配信が考えられる。
これは、今回の安保法案の審議で、証明済みのことである。

それは、ネットによる国会中継だ。あれは、素晴らしいアイデアである。NHKは、ほとんど、重要な場面での中継を避けた。(今はこれ以上は、立ち入らないが)それを、このネットでの国会中継がカバーした。

このシステムを今回の安保でどれほどの国民が利用したのかは、度々、アクセスが集中して、「受信が不能になることがあった」のを考えてみただけでも、よく解る。

これを、図書館が利用すれば、よい。
つまり、本を直接に「ネットで読める」ようにするのだ。

もちろん、これは大変なことである。莫大な?費用と、手間がかかる。でも、高齢化社会は、悪いことばかりではない。これらの「元気な高齢者」の手を借りたらいいい、と思う。

問題は、「著作権」との関係であろう。このことに関しては、あまり確かなことをいうことが出来ない。だが、「著作権」が切れた本であれば、まったく問題がない。

最近は、「アマゾン」には、こういう類の本が、相当数ある。それを無料で手に入れる事が出来る。

もっとも、このシステムにも、弱点がある。パソコンを使う人に限られる、ということだ。これは、最近はかなりシステムが進化してきており、もっと、もっと、手軽にパソコンを利用することが出来るようになるだろう。


駆け足で、ざっと、私のアイデアを紹介した。
個々の内容については、私にブログにおいても、何度か記事にしたことがある。

それも参考にして頂ければ、もう少し詳しく理解していただくことが出来ると思う。


(2015年10月5日)