2015年10月31日土曜日

CNN「オバマ政権が、”イラク戦争”で地上戦に米兵を投入」

今更何を「寝ぼけたこと」を、という気がしないでもない。
オバマ政権が、イラクでの地上戦に、米国の兵隊を投入したことを、正式に認めた。しかも、それが「毎日のことである」とも明言した。
CNNが報じた。


1) CNNの記事から
米国防総省は28日、米軍がイラクで戦闘任務に就いていることを認めた。
国防総省のウォーレン報道官は記者団に対し「米軍は戦闘を行っている。もちろん戦闘地域での話だ。世間は気づいていないかも知れないが、イラクでは戦争が続いている。そして米軍はイラクにおり、(戦争の)ただ中にある」と述べた。
カーター国防長官も28日、イラクには「毎日、戦闘を行っている米軍の部隊がいる」ことを認めた。その一方で長官は、イラク駐留米軍の全般的な役割は戦闘任務を遂行することではなく、イラク部隊を訓練し支援することだと付け加えた。
米軍は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対する空爆を行っているほか、時には特殊部隊が地上任務を遂行している。≫

2) 「救出作戦」で、米兵の犠牲者

先日の「救出作戦」で、犠牲者(死亡)が出たことで、隠しきれなくなってきたのであろう。ついに、オバマ政権が、イラクでの地上戦への兵士の投入を認めた。

「米軍は戦闘を行っている。もちろん戦闘地域での戦闘」だと明言した。しかも、それが「毎日のこと」であると、認めた。

世間は気づいていないかも知れないが」と言うが、気がついていない訳がない。ISISが、「人質を殺害した」と、度々報道されている。

ISISの拠点を空爆した、と報道されている。無人機での攻撃であろうから、今まで犠牲者はでなかった、ということだろう。

今回は、地上での攻撃になったので、犠牲者が出ることを防げなかったのだろう。


3) 「公約」が、膏薬(はがれた)に

それにしても、―これは今までに度々指摘してきたことであるがー米国の民主主義も、ずいぶん落ち目になったものだと思わざるを得ない。

それとも、米国の国民が、健忘症に罹ってしまったのか。そのどちらかであるとしか思えない。

オバマ大統領は、イラクからの撤退を公約に掲げて、選挙に当選し、大統領になった。イラクからの撤退は、米国の国民との約束である。

それを破ってい平然としておれるとは、とても信じられないことだ。

ルーズベルト大統領は、チャーチルの要望に応えために参戦したかったが、「息子たちを絶対に戦地には送らない」という公約を掲げて当選したために、対ドイツ戦に参戦することが出来なかった。

そこで、日本を挑発した。結果が、真珠湾攻撃となった。

これで、「言い訳」が出来た。だが、そのための犠牲を考えれば、何故米国民が、今日まで、ルーズベルトを称賛し続けているのか、不思議に思えるぐらいである。


4) 「地に落ちた」民主主義

安倍首相も自身が掲げた公約など、恬(てん)として、顧みない。それどころか、憲法でさえ、蹂躙することも平気だ。似た者同士とはこのことである。

ところが、その安倍首相にオバマ大統領は、会おうともしなかった。折角、米国議会の演説での約束を、ようやくの思いで成し遂げたのに、「無碍(むげ)」に扱われた。

それでも「けなげ」に、今度は、韓国の朴大統領との首脳会談を、―オバマ大統領の意向に従ってー持つことにした。これも、ひとえに、オバマ大統領に気に入ってもらいたいためだ。

だが、安倍首相には、何の「勝算」もないだろう。朴大統領も、何も「譲歩しない」だろう。「ただ、会談をした」というだけの会談になるだけであろう。

それでも、一応はオバマ大統領の顔をたてることは出来る。ただ、それでだけの事である。


どちらにしても、今や、米国の民主主義も、日本の民主主義も、「地に落ちた」ということだ。

しかも、それを率先して行ったのが、両国の最高指揮官同士である、というのが歴史の皮肉である。

(2015年10月31日)