「国民のあいだに対立」を持ち込んだのは、自民党、公明党、安倍首相である。それをごまかす為の演説だ。
自民党の谷垣幹事長が、街頭演説で、「安保法案の国会での審議が、国民のあいだに対立を持ち込む」原因になった、と述べた。
そして、それを修正するためにも、国民が一体となって「一億総活」の政策を推進すべきであると、訴えた。
だが、「この演説」は、日本の国民を愚ろうするものである。断じて、納得することが出来ない。
◆ 谷垣幹事長の認識=「NHK」の記事
≪自民党の谷垣幹事長は仙台市で街頭演説し、先の通常国会での安全保障関連法の審議を通じて、国民の間に対立を生じさせた側面があるとしたうえで、今後は、国民が一体となって「一億総活躍社会」の実現を目指せるよう、政府・与党で具体策の取りまとめを急ぐ考えを示しました。
この中で谷垣幹事長は、先の通常国会で成立した安全保障関連法について、「私と民主党の岡田代表が、日本を守るために考えていることは、それほど違わないのではないかと思うが、国会で議論すると国民の間の対立があおられた」と述べ、国会での審議を通じて国民の間に対立を生じさせた側面があると指摘しました。
◆ 「国民の間に対立を生じさせた」のは、自民党、公明党、安倍首相
「もう1回、国民共通の目標を作り、団結して進んでいく政治を作らなければならない。『一億総活躍社会』を作ろうと提唱しており、手立てを講じて来年度・平成28年度予算案で、きちんと対応していきたい」と述べた、という。(同上)
さらに、今後は、国民が一体となって「一億総活躍社会」の実現を目指せるよう、政府・与党で具体策の取りまとめを急ぐ考えを示した、と記事は書く。
つまり、これは、「一億総活躍」とは、なんであるのか。具体的には、どんな内容を言うのか。何を目指すのか。これらのことが、「何一つ」明らかになっていない、ということを示している。
しかも、それを当の自民党の幹事長も、自民党内の国会議員も、誰もが説明できない政策」である、ということを「白状」するものだ。
これは、石破大臣や、野田聖子議員が「唐突に出てきた」ことであると、「証言」しているのが「正しい」、ということの証明にもなっている。
◆ 日本の国民を愚ろうするもの
谷垣幹事長の認識は、次のように図式化することができるだろう。
「私と民主党の岡田代表の意見に大きな違いはない」⇒それを「国会での審議」が、原因で⇒「国民の間に対立が生じた」
つまり、谷垣幹事長は、国会の審議が、国民のあいだに対立を持ち込んだ、と考えているようだ。だが、それは違う。
そもそも、谷垣氏がいうような「対立」が、国民の間に存在するのかどうかが、まず問われるべきだ。
それは、これまでの世論調査の結果が示している。国民の8割が、「政府の説明が、不十分で、納得出来ない」と回答していた。
6割の国民が、先の国会で「法案を採決すること」に反対していた。これは、紛れもないもない事実である。
仮に、「対立」がある」ことを認めたとしても、あのような「”憲法に違反する”法案」を国会に上程したこと自体が、その原因を作りだした、のである。
もし、あのような「法案」を与党が、安倍首相が出さなければ、何も、国民の意見が割れることもなかった。
谷垣氏の「演説」は、そういう側面を「覆い隠している」といわざるを得ない。それは、二重、三重に、日本の国民を愚ろうするものである。
そう断ぜざるを得ない。
(サイト内の記事)
・野田議員「”新三本の矢”は党内手続きを経たものではない」
・「突如として登場した概念」 石破大臣「1億総活躍」に疑問符
(2015年10月26日)
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