偶然とは、「不思議」なものである。もちろん、良い偶然もあれば、悪い偶然もある。
ロマンを感じる。ポーランドで、青銅器時代の墳墓が発掘された。
この記事は、これにまつわる「物語」である。
◆ 「ヤフー」(=ロイター提供)の記事より
≪ポーランド南西部レグニツァ近郊の高速道路建設現場から、青銅器時代の墳墓とほぼ完全な状態の骨壷や装飾品が多数発掘された。
レグニツァは、ナポレオン戦争当時の1813年にプロイセン軍がフランス軍を破った「カツバッハの戦い」の戦場跡で、当時の遺品を発掘しようとした考古学チームが、偶然「骨壷墓地文化」時代の墳墓を発見した。
ポーランドのこの一帯は、紀元前1300年頃から遺体を火葬し、遺灰を骨壺に収めて墓所に埋葬する習慣があった。骨壷は特別に意匠を施された蓋で閉じられ、武器や装飾品と一緒に埋葬されたことから「骨壷墓地文化」と呼ばれる。≫
◆ 「電車での偶然の出来事」が、ロイターの記事を捕えた
もうひと月以上前のことになるが、電車の中で、ポーランドから来た夫婦と向い合せになったことがある。その夫婦は、30代か、40代に見えた。
下車する駅のことで、考えあぐねているように見えたので、声をかけた。聞けば奈良まで行くという。下車する駅名を知らせた後、しばらく、話をした。
話している内に、ポーランドから来たということを分かった。英語で会話をしていたのだが、しきりに「ポーランド、ポーランド」と言うので、分かった。
それでも、英語は通じていたので、ポーランドでは、第1外国語が英語なのかもしれない。私は、先に降りる駅が来たので、握手をして別れた。
夫婦での来日だから、話し相手がなくて「寂しい」ということはないのだろうが、異国の人間と話せるたことは、「旅の醍醐味」になったことであろうと思う。
そのことがあったので、このニュースは、強く、私の気を引いた。
まして、青銅器時代の墳墓であるというのであるから、なおさらのことである。私は、古代の遺跡や遺物などに、特別な関心があるわけではない。
だが、人並みには、興味は持っている。それは、主に、歴史に対する興味からである。ただ、物事の起源に関心があるだけのことに過ぎない。
記事によれば、青銅器時代の墳墓で、紀元前1300年頃以後のものである、という。日本で言えば、縄文時代の後期にあたる。
我々日本人が、まだ、自分が「何もの」であるのかさえ考えることなく、毎日を過ごしていた頃の話である。もちろん、「日本人である」という自覚さえ、持っていなかった頃のことだ。
そう考えてみると、今、我々日本人が、日本古来の伝統文化と呼んでいるものは、一体、いつごろから始まったことである、のか。そのことを考えると、興味は尽きない。
もし、この記事をあの時の夫婦が見つけて読んでもらえたなら、何という偶然。
何という「幸せ」なことであろうか。
(2015年10月18日)
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