(「看板」に偽りあり) |
安保法案が国会で議決された。
このことによって、これまで「封印されてきたことが、一気に表面化してきた観がある。
特に自民党の態度の豹変は、際立っている。この事は、日本を、国民の生命と財産を、自民・公明と安倍政権に委ねておくことが、「自殺」的行為であることを証明している。
ー前の記事でも、指摘しておいたがー、その典型的な例が、「マスコミを懲らしめる」という発言で問題になった、木原衆院議員への処分軽減の決定である。
◆ 「反省の情」が著しいからといって、済まされる問題ではない
処分軽減の決定の理由について、谷垣幹事長は「反省の情が顕著だった」からと説明した。その「刑罰」は、26日で終了した。
その理由に「反省の情」などというものを持ってくることは、いかにも日本の政治家らしいといえば、それまでのことである。
だが、事はそう簡単ではない。あの発言はー「マスコミを懲らしめる」という―、「反省の情が顕著」だから許される、といったような類のものではない。
確かに、自民党内の若手議員の中の、ほんの一部の議員の発言であることは事実だ。だが、たとえ一部の議員であるにせよ、国会議員という要職を担当している人物らによる発言である。
しかも、政権を担っている与党の国会議員の発言である。到底、看過できない「発言」である。「反省の情」が著しいからといって、それで済まされる問題ではないのである。
「マスコミを懲らしめる」という発言は、明らかに憲法に違反する「発言」だ。国民の「言論の自由」を守るべき立場にある国会議員が、決して言ってはならない「言葉」なのである。
そういう発言をした「会議」を主宰しているのが、木原稔議員だ。しかも、木原氏は、自民党の「安全保障調査会」の事務局長という要職にある。
つまり、今回の安保法案の作成に深く関与してきている。大西議員らのよる発言は、まさに安保法案の審議が始まった、その最中のことであった。
そういうときの発言であるのに、木原氏は自民党の「安全保障調査会」の事務局長であったのに、「マスコミを懲らしめる」という、その発言を、その発言者らを、そのままにして「見過ごし」た。
「マスコミを懲らしめる」という発言が、どれほど自民党の権威を貶めるものであったのかは、谷垣幹事長のあの時の対応を見れば良く解る。
「大変申し訳なかったという気持ちだ」
「発言は軽率で、報道の自由に対する自民党の姿勢への誤解を招いた」
ー沖縄への侮辱と受け止められる発言にはー、「沖縄の問題に一生懸命取り組んできた(党の)先輩の歴史がある。それに反する議論だった」
このようにのべ、NHKの番組において、国民に対し謝罪をした。あの発言(「懲らしめる」)は、自民党を窮地に追いやるほどの発言であったのだ。
谷垣幹事長をはじめ自民党の国会議員は、あの発言(「懲らしめる」)を「深刻に受け止めた」はずである。肝に銘じたはずである。
そうであるのに、安保法案が国会を通過したとたんに「コロリ」と態度を一変させた。これは、あの時の谷垣幹事長のテレビの中においての「謝罪」が、「心からの謝罪ではなかった」ということを示すものだ。
それは、同時に、国民への「裏切り」行為でもある。「反省の情」などいうレベルで片づけるべき問題では、決してない、のである。
◆ 日本の政治を、自民党と安倍政権に任せておくことは、「自殺」的行為
先日には、小泉進一郎議員が、安保法案に関連して、「自民党にも反省すべき点がある」と、都内における講演会でのべた。
今や、自民党は、「何でもアリ」の政党に戻ったようだ。それは、すべてのことが「安保法案を夏までの成立させる」という安倍首相の米国の議会演説の時の「約束」に源がある。
今や、その約束は果たされた。今の自民党の姿勢を観ていると、「あとは野となれ、山となれ」という「破れかぶれ」の「心情」が、「ミエミエ」である。
国民に対し「ていねいに説明をする」などということは、「どこ吹く風」といった態度に思える。
安倍政権は、まるで、待っていたかのように、「南スーダンPKOの、駆け付け警護」の追加検討にはいった。(「読売」)
早くも、国民への危険が迫りつつある。
今、この秋(とき)にあって、このような自民党の態度の「豹変」を考えると、日本の政治を、ー国民の生命と財産と暮らしを守るという役目を持つ政治をー、自民党と安倍政権に任せておくことは、到底できないことである。
今、それー自民党と安倍政権に任せるという―を選択することは、日本の国民が「自殺をする」にも等しい行為である。私はそう思う。
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(2015年10月4日)
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