2014年8月17日日曜日

「三瀧商事」の偽装米事件で、女社長を逮捕。「組織的で悪質」な手口とは。

ク巧妙な手口に、唖然とする。
根本的に解決するには、会計制度を改める必要がある。


1) 産経ニュース が、報じた記事より__

「三瀧商事」(会社清算中)の偽装米事件で、元社長の服部洋子容疑者が、逮捕された。
服部洋子容疑者は、当初には「自分は関係ない」「偽装は、知らなかった」と答えていた。

それにしても、公認会計士は、何処を見て、監査していたのであろうか。
あるいは、監査の必要がない規模の会社であったのか。



 『四日市市の米穀販売会社「三瀧商事」(会社清算中)の元社長、服部洋子容疑者(78)や元管理部長、北村文伸容疑者(56)ら4人が、中国産米を混ぜたのに国産米と偽って販売したとして逮捕された事件。

中国の食品会社による使用期限切れ肉の供給問題など「食の安全」に対する消費者の不信感が高まる中、県警は元社長らの逮捕に踏み切った。過去最大規模の偽装米流通事件の背景には、同社の影響力を恐れた取引先の業者や関連会社を巻き込んだ「組織的で悪質」(県警幹部)な手口があった。
 県警によると、三瀧商事は、仕入れた中国産など外国産米を、原産地を表示せずに関連会社のミタキライス(同市)に販売国産米と混ぜて袋詰めさせた後、国産米として買い戻して販売していた。
 偽装の調査に当たった県幹部は「帳簿を書き換えるなどの隠蔽(いんぺい)工作があった。関連会社との取引だったため外部の目が届かず、表面化が遅れた」と話す。
 また、三瀧商事は用途が限られる安価な加工用米を主食用として流通させる偽装もしていた。農林水産省などによると、市内の2業者に三瀧商事が必要とする加工用米を上乗せして購入させて仕入れた上で、食用米として売っていた。業者にはマージンを支払い、架空伝票を作って仕入れを隠していた


 ・・・・加工用米の流通に関与した業者は「県内での影響力が大きく、取引に応じざるを得なかった」と明かす。県警は加工用米の偽装についても立件する方針だ。』(産経ニュース 8/17)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140817/mie14081702030001-n1.htm

2) 「お米」は、日本人の命。それだけでも、許せない

それにしても、__警察の発表通りとすれば__悪質極まりない手口である。
古い言い方かもしれないが__今日においては<大げさであるかもしれないが__「お米」は、日本人の命である。

それが、軽く取り扱われたことに、怒りを感じるのは、私だけではないと思う。

これまでにも、お米の偽装事件は、多い。

最近では、神戸で、__私にとっては、第二の故郷であるが__「岩手米』が、神戸産として販売していたとして、問題になった。

JA兵庫六甲(神戸市北区)という会社が行っていた。
ここも、「岩手米」を9割も「加えて」いた。

これは、加えていたというより、「岩手米」そのものに近い。
「被災地を応援したかった」というのが、社長の弁解であった。

2011年11月の事だ。
ちょうど、この事件が、__「三瀧商事」に事件__起こされる1年前の事である。

まさか、JA兵庫六甲の手口」に学んだわけではないと思うが、やはり、約4割の「中国産米」を混ぜていた。
その手口も、実に巧妙だ。

それにしても、加工米を混ぜていても、気が付かないとは、不思議だ。
しかも、その販売経路は、広いのに。


「2012年12月1日から2013年9月3日の約9ヶ月間にかけて、中国産米を混ぜたコメ825トンを「国産米」と偽り、フジパングループの食品加工業者(日本デリカフレッシュ日本フーズデリカ)に販売

愛知県や大坂府の工場にて弁当やおにぎりに加工された後、西日本中心にイオンやダイエーの店舗にて「国産米使用」として販売されていたことが判明した。また、主食用としては使用できない酒や菓子の原料として使われる「加工用米」も混入させていたことが後に判明した。」(wikipedia)


3) 会計制度を改めない限り、企業による偽装問題は、解決しない

それにしても__と考える。__この会社の会計士は、何を監査していたのであろうかと。

当然、公認会計士が雇われて、「監査にあたっていた」と思われるが、その話題は出てこない。
神戸の事件でも、話題にはなっていない。

それが不思議なのだ。
このような事が見過ごされる、根本的な理由は、ここにあるように思える。

つまりは、現在の会計制度にある。
現在の日本においては、公認会計士は、企業(=社長)が雇う。

かって、小室直樹博士は、この会計制度を、「被告が、裁判官を雇っているようなもの」と例えられた。
「ドロボウが、警察を雇うようなもの」と__これは、あまり確かな記憶ではないが__言われたこともある。

このような会計制度を改めない限り、企業による偽装問題は、根本的には、解決しないであろう。
いわゆる「トカゲのしっぽ切り」に、終わる事であろう。

            ≪関連サイト案内≫

*”底なしのメニュー偽装、問題の本質は何か”=東洋経済
http://toyokeizai.net/articles/-/25069

*”しゃぶしゃぶ木曽路、"松阪牛は偽装でした"=東洋経済
http://toyokeizai.net/articles/-/45593


(2014/8/17)