2014年8月31日日曜日

東電事故の聞き取りの『吉田調書」。その「幽霊』が、独り歩きを始めた。

「吉田調書の幽霊」が、独り歩きをしている。
一体、どこから、出てきたのであろうか。


1) 中日新聞 の記事より__。

「聴取結果書(吉田調書)」の全容がわかったと、今度は共同通信が、記事にした。

共同通信も入手したようだ。
一体どこから、入手するのだろう。

安倍政権が、不開示と決定しており、それを見る事は、普通の手段では、出来ないはずだ。
官邸の関係者が、漏らしたことなのか。

『東京電力福島第一原発事故をめぐり、政府の事故調査・検証委員会が現場の指揮を執った吉田昌郎(まさお)元所長=昨年七月死去=から当時の状況を聞いた「聴取結果書(吉田調書)」の全容が三十日、判明した。

共同通信が入手した調書で吉田氏は、2号機の原子炉水位が低下し危機的状況となった事故発生四日目の二〇一一年三月十四日夜を思い起こし「われわれのイメージは東日本壊滅。本当に死んだと思った」と述べるなど、過酷な状況下の心情を吐露している。


吉田氏の証言は政府事故調が一二年七月にまとめた最終報告書に反映された。政府は近く、吉田氏の調書を公開する。
 一一年三月十五日に東電が第一原発から「全面撤退」すると政府が解釈したことには「逃げていないではないか」と怒りをあらわにし、首相官邸や東電本店に対して不満も口にしている。・・・』(中日新聞 8/31)

2) 「吉田調書」は、安倍政権の官邸が、門外不出と決定した文書
どうして、「政府は近く、吉田氏の調書を公開する。」とさりげなく、書く事が出来るのだろう。その神経が、理解できない。
この「吉田調書」は、安倍政権の官邸が、不開示と決定した文書である。
官邸が、不開示としたものを、どこから、どうやって、手に入れることが出来るのか。
最初に入手したと報じた朝日新聞は、「吉田調書」の全文を手に入れた訳ではなかったようだ。
その次に、産経新聞が、「入手した」と報じた。
産経は、「全文を入手した」と書いてはいないが、調書は、A4版で、400ページに及ぶ、と言っている。
次に、共同通信も、入手した、と書いた。
この事に関して、菅官房長官は、何も発言しない。
「記録の一部を取り上げた記事が掲載され、このまま非公開とすることは、かえって本人の意思に反する」と述べただけである。

官邸の不手際を追及されることを避けたのであろう。
記者も、そのことを追究しなかったのか、記事には、いっさい書かれていない。
普通なら、「このような事態になり、大変遺憾である。何故、なぜこのような事態になったのか、精査して、後日、報告いたします。」と答えるが、常識であろう。

3) 官邸が「たるみ」切っている。これでは、心配だ

このような事があると、また、「だから、特定秘密保護法が必要なのである」、という声が大きくなりそうだ。

だが、この事は、「法律がある、ない」に関係しないことであると思う。
これは、安倍政権の官邸が、「たるみ」切っているからである、とおもう。

もしくは、「驕り、高ぶっている」ことの証拠である、と思う。
だから、十分な危機管理が、出来ていない。そこに原因がある。

安倍首相は、集団的自衛権の行使容認の閣議蹴決定が出来たので、自身も、
「警戒感」がなくなってきているのではないか。

法律がないから、こういう事態が起きた、という事ではない、と思う。
「だから、早く特定秘密保護法を施行すべきだ」という論調が出てくる事を警戒したい、と思うのだ。

それにしても、朝日新聞であれ、産経新聞で在れ、何処からこの調書を入手したのだろう。

そして、この事をどうして、誰も問題にしないのであろう。
それが、不思議でたまらない。

この事を「当然な事である」と受け止めてる風潮に、違和感を持つ。
それは、私だけの事であろうか。

官邸が「たるみ」切っている。
これでは、「心配だ」、と思うのは、私だけであろうか。

           ≪関連サイと案内≫

*”吉田調書―国民の財産を隠すな”=朝日DIGITAL 6/6
http://www.asahi.com/articles/ASG6543TFG65USPT003.html?ref=reca

吉田調書を公開 「9月のできるだけ早いタイミング」菅長官”=産経ニュース 8/26
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140825/plc14082511410011-n1.htm
*”吉田所長、「全面撤退」明確に否定 福島第1原発事故”=産経ニュース 8/18
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140818/plc14081805000001-n1.htm
(2014/8/31)