2プラス2 |
誤解を恐れずに言えば、__前もって、結論を言えば__それは、高村副総裁による「大いなるペテン」である。__言葉は良くないかもしれないが、__「詐欺にも等しい」発言である。
1) 47ニュース の記事より__
高村正彦副総裁は22日、集団的自衛権の全ての関連法案が、来年の通常国会に提出されるとの見通しであると語った。
だが、これでは、「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)の改定後
の提出になるのであって、高村氏が言うような事が実現するとは、私には、とても思えないのである。
『自民党の高村正彦副総裁は22日、東京都内で講演し、集団的自衛権行使容認に伴う全ての関連法案が来年の通常国会に提出されるとの見通しを示した。
の提出になるのであって、高村氏が言うような事が実現するとは、私には、とても思えないのである。
『自民党の高村正彦副総裁は22日、東京都内で講演し、集団的自衛権行使容認に伴う全ての関連法案が来年の通常国会に提出されるとの見通しを示した。
「通常国会で全法案が出る。全体像を示して審議すれば、多くの国民の理解が得られる。法律が通るころには、50%以上が支持してくれる」と述べた。
(47ニュース 8/22)
2) この見解は、一体、何に基づいての見解
全法案を出して、安倍政権が、全体像を示しせば、「多くの国民の理解」が得られる、という事のようだ。
そして、「法律が通るころには、50%以上が支持」をしてくれるという見解らしい。
この見解は、一体、何に基づいての見解なのであろう。
こう言い切る根拠は、何処にあるのだろう。
先月の7月12日に、時事ドットコム が、以下のような記事を載せた。
この記事については、私もこのブログで取り上げた。
『・・・両氏は再改定の作業を行っている日米防衛協力の指針(ガイドライン)に、閣議決定の内容を反映させることで一致した。
会談でヘーゲル氏は憲法解釈の変更を「大胆で歴史的な決定だ。強力に支持する」と歓迎。
両氏はガイドラインを年内に再改定することを改めて確認し、改定前に骨格となる中間報告をまとめることで合意した。閣議決定の内容を日本の閣僚が米側に直接伝えるのは初めて。
小野寺氏は会談後の共同記者会見で、ガイドライン再改定について「閣議決定の内容を十分反映させたい」と強調・・・』
http://kyuki2013.blogspot.jp/2014/07/blog-post_681.html
このように、小野寺防衛相は、日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定の作業にあたっては、閣議決定の内容を反映させるを強調している。
つまり、この閣議決定の内容を基にして、日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定をすると言っているのである。
だから、来年の通常国会の審議が、閣議決定の内容を基にした、法律案になるのではなく、日米防衛協力の指針(ガイドライン)に基づいた法案になる。
3) 改定作業が終了すれば、今度は、安倍政権が、ガイドラインに縛られる
このように、小野寺防衛相は、日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定の作業にあたっては、閣議決定の内容を反映させるを強調している。
つまり、この閣議決定の内容を基にして、日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定をすると言っているのである。
だから、来年の通常国会の審議が、閣議決定の内容を基にした、法律案になるのではなく、日米防衛協力の指針(ガイドライン)に基づいた法案になる。
3) 改定作業が終了すれば、今度は、安倍政権が、ガイドラインに縛られる
このように安倍政権は、__オバマ政権も__年内に、日米防衛協力の指針(ガイドライン)の改定作業を終える事で、合意しているのである。
この事は、何を意味するのか。
この事を、よく認識しておく必要がある。
そうでないと、__高村氏の__このような「ぺてん」に「コロリ」とだまされることになる。
このガイドラインの改定作業が終了してしまえば、今度は、安倍政権が、ガイドラインに縛られることになるのだ。
確かに、ガイドラインは、建前上では、「それぞれの国の国内法令に従う」ということになっては、いる。
日本の防衛庁は、日米防衛協力の指針(ガイドライン)について、以下のように説明している。
(4) 新たな指針及びその下で行われる取組みは、いずれの政府にも、立法上、予算上または行政上の措置を取ることを義務づけるものではありません。しかしながら、日米協力のための効果的な態勢の構築が指針及びその下で行われる取組みの目標であることから、日米両国政府が、各々の判断に従い、このような努力の結果を各々の具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待されます。また、日本のすべての行為は、その時々において適用のある国内法令に従います。http://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/sisin/kaisetu.html
だが、本当にこの防衛省の説明をそのまま信じても、間違いはないか。
この防衛省の説明は、あくまで建前を言っているに過ぎない。
よく考えてみよう。
仮に、集団的自衛権の行使を、__米国の要請で__イラクで行う必要があったとする。
日本がこの事を盾にとって、「そんなことは、我が国の国内法では出来ません」と言えるのか。
とてもそうはいえまい。
そんなことをすれば、日本は、米国の信頼を失うであろう。
そのような事を安倍政権がするとは、到底思えない。
だから、高村氏が「通常国会で全法案が出る」と言っている法案は、”ガイドライン”に沿ったものになる。
到底、通常国会における集団的自衛権行使容認に伴う法案の審議が、国民の理解を深めるようなものになるとは、思えないのである。
「法律が通るころには、50%以上が支持」をしてくれる訪うようなことはありえない、と思う。
このように、国民が支持してくれると思うのは、高村氏の願望であり、夢だろう。
人が夢を見る事は、自由だ。
勝手に見ればいい。
だが、そんな夢にまで付き合わされることは、御免こうむりたい。
≪関連サイト案内≫
*”日米外務・国防担当閣僚、防衛ガイドライン改定などで合意”=ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE99204K20131003
*”日米ガイドライン改定、9月に中間報告 政府、「後方支援の拡大」反映”=産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140626/plc14062608420003-n1.htm
*”ガイドラインに向け与党は早期合意を 集団的自衛権で菅長官”=産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140601/stt14060121240004-n1.htm
(2014/8/23)