2014年8月9日土曜日

LS:米海軍の長官が、米国は米中共同演習の拡大を歓迎との見解を表明。

安倍政権は、これをどう見るのか。
政権は、米海軍の戦略的思想を解明することに、努力を傾けたことがあるか。


1) WSJ の記事より__

 米海軍のレイ・メイバス長官が、米国は米中共同演習の拡大を歓迎するとの見解を表明した。

『米海軍のレイ・メイバス長官は30日、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、米国は米中共同演習の拡大を歓迎するとの見解を示した。軍事関係の深化や、アジア・太平洋海域での最近の緊張を和らげる一助になるとしている。
 米中政府は今年、アジアでの領海権をめぐる中国の行動をめぐって舌戦を展開してきたが、メイバス氏のコメントは米軍当局者のトーンが最近になって和らいだことを反映しており、外交関係の緊張にもかかわらず、より強固な軍事関係を醸成しようとする試みを裏付けている。
 メイバス氏は、・・・米政府は米中海軍の合同演習増加を歓迎するだろうと述べた。また、米国の空母が中国の港に入ることを認める一方、中国の空母が米国に寄港することも歓迎されるとの認識を示した。
 同氏は「透明性が高まり、互いの作戦に関する知識が増え、誤解のリスクを低減することにつながることは有益だ」とし、そうした交流が「できる限り早く実現することを望んでいる」と述べた。
 米中の軍艦が時折行ってきた合同訓練は、小規模な演習にとどまっている。中国政府は最近、合同訓練に対する関心を強めており、米国主導で2年に1度行われる多国間海軍演習(環太平洋合同演習=リムパック)にも初めて参加。今年参加した22カ国中2番目の規模となった4隻の艦隊を派遣している。・・・。
 メイバス氏は、米海軍が捜索救助活動や災害対応に重点を置いた中国海軍との合同訓練を増やす意向だと述べた。・・・。

中国の動きに左右される面も大きい。海軍同士の関係改善にもかかわらず、中国はリムパックにスパイ船を派遣して米当局者を驚かせた。
(一方) メイバス氏は「自国が参加している演習に監視船を派遣したことは理解しがたい」とし、「そもそも演習に参加している中国が、何を得ようとしているのかは不明だ」と述べた。・・・

米国防関係者からは、軍事的な結びつきが深まれば、中国の領有権争いに対する米政府の外交努力が台無しになりかねないとの懸念の声も聞かれる。』(WSJ 7/31)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304180804580062762572975560

2) オバマ大統領が、「自分で自分を否定した」

米国__オバマ大統領__が、イラクへの空爆に踏み切り、再び、イラク戦争の火ぶたが切られた。
オバマ大統領にとっては、苦渋の選択であっただろうが、誤った判断であったと思う。

この決定は、オバマ大統領が、「自分で自分を否定した」になるからである。



この事に関して、WSJは、

「私が大統領に立候補した目的の一つは、イラク戦争を終わらせ、米軍兵士たちを帰国させることだった。私は米国が新たなイラク戦争に巻き込まれるようなことはさせない。われわれはイラクの人々が現地のテロリストたちと戦うことを支援するが、米国の攻撃部隊が再びイラクで戦争を起こすようなことはない」と述べた。」(注①)

と、記事で書いている。

オバマ大統領派は、初心を忘れてしまったのであろうか。それとも、分裂症__私は、統合失調症という、訳のわからない病名は採用しない__に罹ってしまっているのだろうか。

私は、たぶん、分裂症に罹っているのだろうと思う。
そうでなければ、今回のような判断は出てきようがない。

オバマ大統領の任期は、今回で終わる。もちろん、歴史に名前を刻みたいという野心はあるだろう。だが、今の大統領にとって、何も、怖いものはないはずだ。

その彼が、イラク攻撃に踏み切った。これは、尋常の事ではない。まともな判断ではない。狂気の沙汰、といってよい。

このような彼を最高指揮官に仰ぐ、米国海軍を信用できるであろうか。

3) 米国を戦力的に調査・研究する思想・機関を持っているか

安倍政権は、このような米国海軍の動きを、戦略を研究したことがあるか。研究をする思想を持つか。研究をする具体的な機関を持つか。

おそらくは、持たないであろう。なぜなら、歴代の自民党政府が、__米国との戦争に負けてから、米国を仮想敵国と設定してこなかったし__中國や、ロシア(旧ソ連)を仮想敵国としてきたからである。

安倍首相も、その路線を歩んでいるに過ぎない。

集団的自衛権行使容認の決定はいい。(我々が選んだ首相が、そう決定することを、拒む理由はないし、阻止することもできない。もちろん、私は反対であるが。)

特定秘密保護法を制定するのもよかろう。(ただし、厳格に法律を運用してもらいたい。私は、政府が、そのようにするとは、思ってはいないが・・・)

国家安全保障会議を置く(創設した)のも、いいだろう。(おそらくは、あまり役に立つ機関になるとは思えないが・・・)

だが、肝心の「味方」__軍事同盟国である__米国を戦力的に調査・研究する思想・機関を持たないとしたら、これらの事は__上に列挙した事__「絵に書いた餅」でしかないことになる。

この事が分っているであろうか・・・?
安倍首相は、「敵を欺くには、まず、味方から」という格言を、考えたことがあるだろうか。

(注①)
【分析】イラク政策を転換したオバマ大統領 限定空爆を承認=WSJ
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303570604580079053007450726?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesFirst

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”米がイラク空爆、過激派を攻撃 11年末の撤退後初”=中日新聞

(2014/8/8)