2014年8月14日木曜日

安倍政権が、航空自衛隊に国内企業による、初のステルス戦闘機を配備か。

米国が、「渋る」のは、無理もない事だろう。
自国の安全が危険に曝されることに成るかもしれないからである。

三菱重工業は、研究開発を進めているステルス戦闘機の試作機を、来年1月に初飛行させる方針を固めた。


1) 毎日新聞 が報じた記事より__

『三菱重工業は、防衛省の委託を受けて研究開発を進めているステルス戦闘機の試作機を、来年1月に初飛行させる方針を固めた。・・・実用化するかどうか2018年度までに最終判断する方針だ。【朝日弘行】

ステルス機は中国やロシアが既に試作機を飛行させるなど開発を進めている。日本も09年に、世界最高のステルス性を備えた米国のF22の導入を目指したが、情報流出を警戒する米国の禁輸措置で断念した。

このため、防衛力の強化には独自技術の蓄積が必要と判断。国内企業の戦闘機生産も、・・・途絶えており、国内防衛産業の生産基盤や技術の維持、向上を図る狙いもある。

政府は00年度以降、ステルス技術の研究に着手。09年度からは、総事業費392億円をかけて試作機の開発を進めていた。試作機のステルス関連技術はすべて三菱重工業など国内企業が開発。敵のレーダーから届いた電波を真っすぐに反射して探知されないよう、機体や外板接合面の形状を設計した。・・・

三菱重工がエンジンやシステムの作動テスト、基本的な飛行試験などを行った上で、来年3月末までに防衛省に機体を引き渡す。同省は15年度から2年間かけて実戦を想定した試験飛行を重ね、ステルス性や飛行性能を詳しく検証する方針。航空自衛隊が保有する戦闘機・・・に国産ステルス機を加えたい考えだ。・・・」(毎日新聞 8/12)http://mainichi.jp/select/news/20140812k0000m020141000c.html

2) 日本は独自に、戦闘機の開発に取り組むこと


日本は、「世界最高のステルス性を備えた米国のF22の導入」をしようとした。ところが、米国が、「情報流出を警戒」して、それを許さなかった。

それで、日本は独自に、戦闘機の開発に取り組むことにした。
三菱重工業が、それを一手に引き受けた。

来年の1月には、試験飛行の予定なのだという。
これで、いよいよ、日本が、再び、本格的に、戦闘機の生産に乗り出すことになるのだろうか。

今はもう亡くなってしまわれたが、もし、糸川英夫氏が、ご存命なら、なんと思われることだろう。また、日本が戦闘機を作れるようになった、と喜ばれるであろうか。

糸川英夫氏こそ、戦前に、名機の「隼」「鍾馗」を設計された「飛行機屋」だ。
「鍾馗」は、ドイツの「メッサーシュミット」との競争に負けて、正式採用にはならなかったが、__氏は、自書において__自身の最高傑作であると、述べておれれる。

また、もし、B-29が、高高度で飛ぶということが分っていれば、__上空1万mの高さで__それに対抗する戦闘機も作れた、と言われている。

だから、日本の航空機の生産技術は、世界最高水準であるはずだ。
米国は、それを恐れたので、戦後に、日本が航空機を生産することを、許さなかった。


だから、米国が、「情報流出を警戒」して、ステルス機を日本に引き渡すことを拒んでくれたことは、日本には、幸いした、と言える。

3) 結局は、「戦争準備」に他ならない

ところで、安倍首相は、今回の集団的自衛権の行使の容認の議決にあたっては、他国には、決して出かけてはいかない、と言明した。

戦争は、しないと言い切った。
あくまでも、抑止力として、行使出来るようにしたいのだ、と述べた。

そうであるなら、何故、ステルス機が、必要なのであろうか。

ステルス機は、「敵のレーダー」網を掻い潜って、相手国深くに侵入するのが目的の戦闘機である。姿かたちを隠す「忍者」のごとく行動できる戦闘機だ。

どうして、そんな戦闘機が、抑止力のために必要になる。
どう考えても、理屈に合わないことだ。

だから、結局は、「戦争準備」に他ならない、と考えざるを得ない。

(2014/8/14)