2014年8月20日水曜日

東電原発(フクイチ)の汚染水対策のための遮断壁工事で、断念か。

これで、92%が凍結した、と言えるのか。
海側での凍結管埋設工事は、まだ、規制委の認可さえ降りていない。

東電原発(フクイチ)のトレンチ(地下道)に流れ込む汚染水の遮断が、まだ出来ない。
氷やドライアイスを投入するという原始的な手段は、失敗に終わった。
変わって、止水材を流しこむ計画のようだ。


1) 産経ニュース が伝えた記事より__


『東京電力福島第1原発海側のトレンチ(地下道)に流れ込む汚染水を遮断するための「氷の壁」が3カ月以上たっても凍らない問題で、東電は19日、氷やドライアイスを投入しても完全に凍結させることは難しいとして、トレンチへ止水材を流し込み未凍結部分をふさぐ追加工法に着手する方針を原子力規制委員会へ報告した。

凍結作業は継続されるものの、事実上凍結工法だけでは止水できない状況が明らかになった。
 東電は2号機タービン建屋から海側トレンチへ流れ込む汚染水を止水するため、接合部にセメント袋を並べ、凍結管を通し周囲の水を凍らせる「氷の壁」の工事を進めてきた。

だが、水に流れがあるため温度が下がらず凍らないことが判明。氷やドライアイスを投入したが、十分に凍結させることができないでいる。
 19日に開かれた規制委の検討会で東電は「(氷の壁の)92%が凍結した」と説明。だが、残りの約1割が凍らないため、止水材を投入する追加工法を提示した。今後、止水材の材質の検討を始める。・・・
収束作業では、増加し続ける汚染水の処理が大きな障害だ。汚染水は地上タンクに約40万トン保管され、さらに建屋地下へ1日400トンの地下水が流入し汚染水となっている。汚染水を減少させるには、1~4号機の周囲の土壌を凍らせる凍土壁の造成が不可欠だ。
 しかし、海側は建屋から流れ出た高濃度の汚染水がトレンチ内に滞留している。凍土壁の凍結管を埋設する際、トレンチを誤って傷つけてしまうと汚染水が周囲の土壌に流出する危険性があるため、規制委は海側での凍結管埋設工事をまだ認可していない。
19日の会合では更田委員が「トレンチの止水ができなければ、凍土壁も成立しない」と改めて指摘した。』(産経ニュース 8/19)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140819/dst14081922500014-n1.htm

2) この東電の「誤魔化し」の姿勢が、問題だ

更田(ふけた)委員の、トレンチの止水ができなければ、凍土壁も成立しない
という指摘は、当然である。

92%と東電は言うが、「海側での凍結管埋設工事」は、工事の認可さえ降りていない。それで、どうして、92%と言えるのか。

凍結できているのは、現在「完了している凍結管埋設工事の、92%です」と言い換えることが、正確に伝えることが必要だろう。
これも、東電、独特のごまかしの手法だ。

92%も、凍結が完成しているなら、「ほぼ成功した」に等しいではないか。
普通に考えれば__世間の常識的な判断からすれば__そうなる。そうに決まっているではないか。

この東電の「誤魔化し」の姿勢が、日本の国民から、批判されていることが、東電には、まだわからないのであろうか。
本当に救いがたい、組織体質である。

そうだから、一事が万事である。
だから、国民は、東電が「安全です」と言えば、「そうか、東電は危険」と言っているのか、と思うのである。

3) 一刻も早く断念する決断をする時

こんな姿勢を、いつまで持ち続けるつもりなのか。東電は。
これでは、到底、国民の支持を得ることは出来まい。

何か問題が発生したら、__何はともあれ__事態を正確に把握する事が、第一に必要になる。
事実認識に、誤りがあっては、有効な手段が取れない。
それでは、解決が出来ない。これが、常識だろう。

だから、まず、正直になることである。
「先入観を入れず、事実」をしっかりと、認識することである。
まず、それが出来てからの事だ。

東電は、その出発点からして、間違っている。
国民に、事実を正確に公表する事こそ、まず、東電が取るべき道である。

そうすれは、たとえ、東電が「失策をしても」、少しは、大目に見てもらえるであろう。現状では、それは望むべくもない。

もっとも、国民の多くは、この工事が成功するとは思っていない。
今更、東電には、期待をしてはいないのである。
それも、事実だ。

しかも、東電は、ドレンからくみ上げた汚染水を、「浄化」して海に流す計画だ。
これが実行されれば、もう、凍土壁は、必要ない、とのも言える。

無駄な工事、投資になるのだ。
一刻も早く断念する決断をする時である、と思う。

(2014/8/20)