2014年8月29日金曜日

朝日新聞が、「週刊新潮の広告」の掲載を拒否。

批判は解るが、朝日新聞にも、営業の自由は、存在する。
新潮社が、28日、朝日新聞に、新聞広告の掲載を拒否されたと、明らかにした。ツイッタ―などでも、話題になっている。



同じく掲載を拒否された、雑誌の表紙
1) 47ニュース の記事より__。

  


『新潮社は28日、朝日新聞に「週刊新潮」9月4日号(8月28日発売)の新聞広告の掲載を拒否されたと明らかにした。

 新潮社によると、当該号の広告には朝日新聞の旧日本軍の従軍慰安婦問題に関する報道をめぐり、「『朝日新聞社』の辞書に『反省』『謝罪』の言葉はない!」などの文言があった。


 朝日新聞が26日、「反省」の文字や読者が減っているとした見出しを修正するよう求め、新潮社が拒否したところ、27日に掲載を見送ると連絡があった。新潮社の広報担当者は「批判されたから広告を拒否するとは言語道断。来週号で今回の問題を検証したい」と話している。』(47ニュース 8/28)
http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014082801001147.html

マスコミが、「同士討ち」をしている場合ではない。
日本国民が、少しでも幸せになり、暮らしが楽になる、そのための報道で、競争をしてもらいたい。

2) 朝日新聞といえども、いわゆる私企業である。

これは、新潮社の主張に無理があろう。
商売は、半々だ。
持ちつ、持たれつである。

自社の悪口を書いている雑誌の広告を___しかも、その批判の見出しが、でかでかと載っているものを___喜んで載せるものはいない。

逆の立場に置き換えて、考えてみれば、わかることだ。

朝日新聞と言えども、いわゆる私企業である。
営業の自由は、存在する。

ただ、これまでの慣例を___お互いの、企業間の契約を破ったというのなら___当然、朝日新聞は、新潮社に違約金を支払う義務があるだろう。

だから、「批判されたから広告を拒否するとは言語道断」という主張は、無理がある、と思う。
もちろん、新潮社が、「来週号で今回の問題を検証」するのは、自由だ。

3) 今、新聞社同士が、「同士討ち」をしている場合ではない

自社の過去における、「慰安婦」問題の報道を、朝日新聞が、__紙面を大きく使って、__取り上げたことで、朝日への批判が、絶えない。

「有識者」の中には、謝罪して、廃刊にせよ、と迫る論調もある。
大手の新聞社である、__産経新聞は、当然としても、__読売新聞、毎日新聞までもが、批判する記事を書いている。

お互いに、批判し合うのは、自由だ。
だが、今日の日本における状況を、よく考えてもらいたい。
今、新聞社同士が、「同士討ち」をしている場合か。

今、各新聞社が、力を入れて、報道すべき重要な事は、他にいくらでもある。
「同士討ち」をして、お互いの体力を消耗しあっっている時では、ないのである。

特定秘密保護法。
辺野古の移転にまつわる、いろいろな出来事。
巡視船が、市民に「銃を向けた」こと。
もちろん、沖縄の知事選。

すぐ、そこに迫っている、福島県の知事選。
東電の汚染水問題。
もちろん、集団的自衛権のこと。

挙げていけば、キリがないくらいに、重要な事件や問題が、山積みである。

朝日新聞を、攻撃し、批判する事は、自由だ。
だが、それだからといて、朝日を貶めることが、他の___朝日新聞を批判している新聞社の__権威を高めることには、繋がらないのである。

相手の価値が下がったからと言って、こちらの価値が、絶対的に上がる訳ではないのと同じことである。

お互いに、__もっと別の__日本の国民のためになる報道合戦で、争ってもらいたいのものだ。

(2014/8/29)