2014年8月18日月曜日

産経ニュースの「吉田調書」についての、「気が触れたかのごとく」の報道を非難する。

非開示を求めた「上申書」を、首相官邸のホームページに掲載してまで、不開示としたものだ。
吉田文書のことである。


1) 産経ニュース の記事から__

東電の原発事故についての聞き取り調査に内の一つである、__いわゆる__「吉田調書」と呼ばれているものについての記事である。


『外国の有力メディアは、「吉田調書」に関する朝日新聞の記事を引用し、相次いで報道した。韓国のセウォル号事故と同一視する報道もあり、「有事に逃げ出した作業員」という印象が植え付けられている。


 米紙ニューヨーク・タイムズ(いずれも電子版)は5月20日、「パニックになった作業員が福島第1原発から逃げ出した」と報じた。「朝日新聞によると」という形で、記事では第1原発所員の第2原発への退避を「命令違反」だと報じている。
 英紙ガーディアンは5月21日付で「『フクシマ・フィフティーズ(福島の50人)』と呼ばれたわずかな“戦闘員”が原発に残り、ヒーローとして称えられた。しかし、朝日新聞が明らかにしたように650人が別の原発に逃げたのだ」と記した。
 オーストラリアの有力紙オーストラリアンも「福島のヒーローは、実は怖くて逃げた」と見出しにした上で、「事故に対して自らを犠牲にし果敢に闘った『フクシマ・フィフティーズ』として有名になったが、全く異なる恥ずべき物語が明らかになった」と報じた。

 韓国紙・国民日報は「現場責任者の命令を破って脱出したという主張が提起されて、日本版の“セウォル号事件”として注目されている」と報道。韓国で4月に起きた旅客船沈没事故で、船長が真っ先に逃げたことと同一視している。』(産経ニュース 8/18)

2) これは、自民党の議員にさえ、閲覧が許されない文書

産経新聞は、今日、この「吉田調書なるもの」入手したと報じた。
その後、矢継ぎ早やに、この「吉田調書なるもの」を基にして記事を、掲載している。
もとより、この吉田調書」は、安倍政権が、吉田氏の”希望を入れて”、不開示と決定したものである。
また、これは、自民党の議員にさえ、閲覧が許されない文書だ。
『政府は3日までに、政府事故調査・検証委員会が福島第一原発吉田昌郎元所長を聴取した「聴取結果書」(吉田調書)の閲覧を、自民党議員にも認めない考えを示した。自民党の原子力規制に関するプロジェクトチーム(PT)の閲覧要求に対し、文書で閲覧拒否を伝えた』(注①)

このような性格の文書なのである。
それを産経は、何処からか入手した__こう述べては、いないが__と称し、その文書の中身を公開している。
これは、吉田氏への人権侵害に当たる。
菅長官は、直ちに記者会見をひらいて、__国民に対して__この事に関する見解を述べる義務がある、と思う。

3) 朝日が、スクープした時の、産経の反応は、「無視」に近かった

朝日が、「吉田調書」であると、スクープした時の、産経の反応は「無視」に近いものであった。
次の記事が、それを証明している。
『朝日の特報であることについては、日経と産経は「一部で報じられた」などとあいまいにしている。週刊誌がスクープを放つと、それを後追いする新聞が「一部週刊誌によると~」などと書くのと同じだ。情報の出所を明示するのは報道の基本であるにもかかわらず、である』(注②)

このような反応でしか、なかったのである。
それを、今頃になって、まるで「気が触れたかのごとく」、報道を続けるのは、どういう了見なのだろう。

あのような記事を掲載して、本当に大丈夫なのであろうか。
名誉棄損で、訴えられはしないのだろうか。

それも想定して、公表しているのであろうか。
新聞社を相手に訴訟を起こすものなどいる訳がないと、「タカをくくっている」のだろうか。

もしそうだとしたら、それは、産経新聞による「暴力」にも等しい行為である。

(追加)
この際、安倍政権は、「吉田調書」の公開に踏み切るべきだと、私は考える。
そうすれば、事実がはっきりとすると思うのである。

ここまで、産経ニュースが、「あからさま」に書いている以上は、不開示にする意味がない。
吉田所長の名誉は、すでに踏みにじられた。

そう思うのである。

(注①)

吉田調書の閲覧、自民PTも不可 政府が要求を拒否

(注②)

朝日の「吉田調書」特報を無視し続ける大手各紙

         ≪関連サイト案内≫
*”故人を盾に…国民の財産「吉田調書」を開示拒否する安倍官邸”=日刊ゲンダイ

(追加の記事の予定あり)
(2014/8/18)