2014年8月30日土曜日

沖縄県議会が、「新基地建設工事の即時中止を求める意見書」案を可決へ。

沖縄県議会の反対派としては、当然の要求であろう。
沖縄県の知事選挙が、10月には、始まるのである。


1) 琉球新報 の記事より__。

沖縄県議会の、 米軍基地関係特別委員会が、「辺野古でのボーリング調査等の強行に抗議し、新基地建設工事の即時中止を求める意見書」案を、可決する見通しだ。

議会での審議は、終了したが、全会一致にならなかったので、臨時会を開いて、議員提案をし、可決されるようだ。


『県議会米軍基地関係特別委員会(新垣清涼委員長)は28日、「辺野古でのボーリング調査等の強行に抗議し、新基地建設工事の即時中止を求める意見書」案を審議したが、自民党会派は賛同せず、議論を終了した。

委員会として全会一致にならなかったため、野党会派が臨時会の開会を求め、議員提案する。臨時会は9月3日に開かれる予定野党のほか、与党の公明県民会議無所属などの賛成多数で可決する公算が高い

 意見書案は安倍政権による工事の強行について「民主主義をじゅうりんし、県民の尊厳を踏みにじるものであり、到底容認できない」と批判。


「県民は基地のない沖縄を目指して闘ってきた」とも指摘し、(1)ボーリング調査など新基地建設のための工事を直ちに中止すること(2)正当な抗議行動への弾圧、過剰警備を直ちにやめること(3)ゲート前の山形鉄板と海上の浮標灯(ブイ)、浮具(フロート)の撤去―を求めている。

 自民党は25日の委員会後に意見書を持ち帰り、28日の議員総会で議論したが、工事の中止を求める点などに反発があり、賛成しないことで一致した。


 自民には、ボーリング調査の現場でけが人が出ないような警備態勢を求める声もあることから、意見書の対案を出すことも検討している。・・・・』(琉球新報 8/29)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230801-storytopic-3.html


2) ”意見書案”が求めていることは、次の三点

① ボーリング調査など新基地建設のための工事を直ちに中止すること
② 正当な抗議行動への弾圧過剰警備を直ちにやめること
③ ゲート前の山形鉄板と海上の浮標灯(ブイ)、浮具(フロート)の撤去

沖縄県議会の賛成派の議員らとしては、もっともな要求であろう。
反対に、自民党の議員には、到底容認出来ない提案であろう。

27日には、自民党の本部は、辺野古移転を進める仲井真知事への推薦状を手渡した。
これで、沖縄の知事選では、自民党は、仲井真知事を応援することになる。

その仲井真知事を、窮地に陥れるような案件に、賛成することが出来ないのは、無理もない。
当然の判断だろう。

さらに、自民党の沖縄県議会の議員が、意見書の対案」をだした所で、工事の中止を求める案になるはずもない。これも、はっきりとしていることだ。
議論の余地がないことであろう。

3) 今の日本には、安倍首相を止められるものがいない

沖縄の知事選は、告示日が10月30日であり、11月16日には、投開票される。
つまり、あと、2か月半で、結果が出る。
にもかかわらず、安倍首相は、工事の着工を決めた。

新聞報道では、「安倍首相が、机を叩きながら、防衛省の幹部を叱責した。そして工事の着工を急がせた」と伝えられた。
安倍首相は、この時点で、もう沖縄の知事選をあきらめた、のだと思う。

それで、早く既成事実を作り、たとえ、11月の知事選で、辺野古への移転に反対する知事が誕生しても、もう手遅れの状態にしたかったのであろう。

一方で、沖縄のために、膨大な予算をつけることも忘れていない。
8年間で、3兆円に近い交付金が、用意されることになっている。

「アメとムチ」というわけだ。
仲井真知事も、「早く埋め立てろ」と急き立てている。

これで、11月の沖縄の知事選で、どういう結果が出たとしても、辺野古への移転は、どう転んでも、後戻りすることはないように、私には思える。

安倍首相は、このたび、集団的自衛権の行使の容認に踏み切った。
色々と、言い訳じみたことを述べ立てたが、結論は、米国との軍事一体化を推し進めることが、その目的だ。

だから、安倍首相が、米軍が要求している辺野古移転を中止する理由は、どこにも見当たらない。
そうだとすると、安倍首相は、万難を排して、工事を完成させることだろう。

今は、巡視船の派遣で済んでいるが、いざとなったら、自衛隊の派遣も辞さない覚悟だと思われる。

残念な事ではあるが、今の日本には、安倍首相を止められるものがいない。
安倍首相は、さながら「ヒットラーのごとく」に、突き進みつつある。

それは、「独裁者」への道だ。
われわれは、この「「独裁者」と心中する道を選択する以外には、取るべき道は、ないのであろうか。

たとえそれが、「破滅への道」であると分っていても。

(2014/8/30)