2015年10月3日土曜日

稲田朋美氏が安保法制の本質を暴露「日本は、傍観者ではない」

とんでもないことだ。だが、これが真実だろう。これこそ、安保法案の「真の目的」だろう。米国「詣で」をしている自民党の稲田朋美(政調会長)氏が、米国のシンクタンクで講演をした。その中で、稲田氏は、これからの「日本は、傍観者ではない」と、米国に「忠誠を誓う」ような発言
をしていた。



◆ 稲田氏、「日本は、傍観者ではない」。米国の「僕」になる

渡米中の自民党の稲田政調会長が、戦略国際問題研究所(CSIS=米ワシントンのシンクタンク)で講演を行い、次のように発言した。(「産経」)
≪自民党の政策責任者をしています。・・・・日本の外交政策の主要な柱の1つは、日米同盟の強化です。安倍首相は米国議会演説で『希望の同盟』といいました。日米安保条約に基づく米国の力強いコミットメント、米軍一人一人の献身に感謝します。
2週間前、安倍政権は平和安全法制を成立させました。これにより日本は国際社会の平和に、より大きな貢献ができるようになり、日米同盟は強化されます。日本はもはや傍観者ではありません。
稲田氏のこの訪米は、安倍内閣の要職に就くために「ハク」をつけるためのものであるらしい。

それにしても、「 日本はもはや傍観者ではありません」とは、よく言ったものだ。
しかも、わざわざ、「自民党の政策責任者」であると、断ったうえでの発言である。これは、米国の「僕」になる、というに等しい発言である。

だが、事が起きても稲田氏が、「戦場に出ていく」わけではない。そうであるから、稲田氏は日本国内においては、「傍観者」に過ぎない。

決して、戦場で、「人を殺し、殺されたり」する訳ではない。決して、当事者になることはない。だから、平気でこんなことをいえるのだ。

自衛隊の隊員からすれば、「行かされる方に身にもなってみろ」といいたくなることだろう。

稲田氏のこの発言は、安保法案が「”米国の要請”によるものである」ということを、明瞭に示した。

自民党が、安倍政権が、自衛隊が米国の「下請け」を引き受けたのだということをはっきりと我々日本の国民に示した。


◆ 個人は、「国家に従属するもの」

先日、菅長官が、ある俳優の結婚に関連して、「この結婚を機に、ママさんたちが一緒に子供を産みたいとか、そういう形で国家に貢献してくれたらいいなと思っています。たくさん産んで下さい」と発言し、問題になった。

稲田氏も、この講演で同じような発言をしている。

ジョン・F・ケネディ元大統領の言葉を援用して「・・・・この精神は、ジョン・F・ケネディ元大統領が有名な就任演説で呼びかけられたものです。”国が何をしてくれるかではなく、国のために何ができるかを考えよう”」と述べた。

本末転倒である。しかも、それをこともあろうに、米国内において語るとは。この人は、本当に米国がどんな「お国柄である」のか、全然わかっていない。

稲田氏は、弁護士であるが、「バージニア宣言」を呼んだことがないのだろうか。そんなものは読まなくても、司法試験に受かることが出来るのだろうか。

氏は、「個人個人の個性を評価し、潜在能力を完全に発揮できるように支援する社会」にしていくことが大事だ、といいいながら、その個人より、国家を上位においているようだ。

稲田氏も、この考えは、菅長官とおなじ「思想」に基づいている。彼らの考えの根底には、「国家があってこその個人」という「思想」が横たわっている。個人を「国家に従属する」ものとしてしか見ていない。

「私的なもの」と、「公的なもの」との区別が出来ていない。「私的なもの」より「公的なもの」を優先させる。もっと、悪いことには、「私的なもの」と、「公的なもの」を「まぜこぜ」にする。


◆ 自民党の「人材不足」の象徴

また、こうも言っている。
「女性活躍の政策は、女性のためのものではありません。・・・・女性が働きやすくするためだけではなく、男性がより充実した人生を送るために、ワークライフバランスを評価するメカニズムも必要です」
この発言は、「女性は、男性のために存在する」と取られかねない発言だ。男性の人生の充実の向上を計るために、女性が存在するという「誤解」を与えかねない発言である、と思う。

こう思うのは、私の「見当はずれ」で、過った観方であろうか。

「女性の敵は、女性」ということを言われる場合がる。まさにこの発言は、それに該当する。

確かに女性と男性は違う。だが、それは、「役割の違い」であって、本質的なものではない。人間としてみれば、平等である。女性が男性のために存在するのでもないし、男性が女性のために存在する訳でもない。

稲田氏、内閣改造後も、引き続き、現職に留まる公算が強い、と報じられている。つまり、これからも、自民党を引っ張っていく「党の政策責任者」の地位を継ぐ。

こういう「思想」を持った人物が、党の政策の責任者であるということに、今の自民党の「人材不足」が、象徴されている。

また、同時に、安倍首相の「見識」が、表れている。

(2015年10月3日)