2015年10月1日木曜日

「自民党の責任」 小泉進一郎氏、安保法案で安倍政権を批判

安保法案が「可決した」ことで、ようやく自民党内から、「批判の声」が出てくるようになった。「時すでに遅し」の感がある。小泉進一郎氏が、安保法案で安倍政権を批判し、自民党にも責任がある、と述べた。また、憲法学者らの意見を無視したのは、「権力のおごり」である、と厳しく断じた。


「見るべきところ、押さえるべきところは、解っているようである。


◆ もっともな指摘

小泉進一郎氏は、都内で講演を行った。その中において、先ほど可決された」安保法案について、自民党や安倍政権の対応を批判した。(「朝日D」)

権力のおごりだ――小泉進次郎・内閣府兼復興政務官は30日、東京都内での講演で、安全保障関連法などをめぐる自民党や安倍政権の対応を批判した。
小泉氏は、安保関連法への理解が広がらなかったことについて「自民党にも責任がある」と指摘。自民推薦の憲法学者が衆院憲法審査会で「違憲」と指摘したことについて、「自民党が呼んだのに、一部ベテランが『国家の平和や国民の安全に責任を持つのは学者ではなく、政治家だ』と言った。『誰が呼んだんだ』という話だ。そういった姿勢が国民から権力のおごりと捉えられた」
 安倍首相がテレビで模型や例え話を使って同法を説明したことも「例え話は使わない方がよかった」と語った。「安保や国防では緊急事態のときにどう動くか、すべて例示して備えることはできない。だからこそ本質を粘り強く説き続けていく努力が不可欠だ」と述べた。≫
もっともな指摘である。安倍首相の「たとえ話」は、まったくその通りである。国会の審議でも随分と野党の議員から「たたかれていた」が、ほんとうにみっともない「姿」を、日本中にさらしたと思う。

それだけでなく、世界中に晒すことになったと思う。それでも、安倍首相にすれば「自信満々の解説」のつもりであったのだろう。あんな説明をして、国民が納得をすると思う事自体が、「恐ろしい」ほどの「勘違い」なのだが、その事すら、安倍首相は、解っていないのであろう。

何分ぐらいの時間を講演に充てたのか、この記事からは読み取れないが、小泉氏の指摘には、重要な点が抜けている。それは、衆参両議院の委員会で、「強行委採決」を行ったことについてである。

この点をどう思っているのか。せっかくここまで言い切るのなら、その点について、明らかにしてほしかった。


◆ 「せいては、事を仕損じる」

安倍首相は、今回も重要な国内問題について、海外から発信した。マスコミが今、盛んに取り上げている、内閣改造のことだ。

このことについて小泉氏は、(閣僚や官房副長官など要職に抜擢(ばってき)される可能性について)「勘違いはしない。まだまだぞうきんがけの期間がある。当選回数だけじゃなく、年齢も若すぎる」と述べたようだ。

一部の報道では、こういう情報を発信することで、安倍首相に「暗に内閣に入ることを拒んでいる」という姿勢を見せるためである、と報じられている。

あるいは、安倍政権の「寿命」を読み切っての、発言かも知れない。
もっとも、彼は、まだ34歳だ。

「せいては、事を仕損じる」ということもある。今はじっくりと構えるときである、という心づもりなのだろう。

「30年後、40年後、その先を展望したら、リスクや不安を感じることなく、経済の成長を阻害することもなく、どう原発をやめていけるのかという方向性で考えていくべきだ」という、原発政策についての指摘も、正鵠(=まと)を射たものだ。

私は、小泉進一郎に自民党を割って出てほしいと「常々」から思っている者の一人であるが、そのためにも、よき協力者、よき師匠を得られることを願うものである。

(201510月1日)