2014年8月6日水曜日

塩谷町議会が、「指定廃棄物」処理場の候補地の白紙撤回を、全会一致で可決。

無理もない決定である。

現在の、そして将来の住民の命と暮らしを考えたら、当然の判断だ。


1) 新潟日報 が伝えた記事によると__

塩谷町の町議会が、「指定廃棄物」(=正しくは、放射性汚染物質)の処分場建設の、候補地の白紙撤回を求める意見書を、全会一致で可決下した、という記事だ。

『東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の処分場建設問題で、栃木県の候補地に選ばれた塩谷町の町議会は5日、臨時議会を開き、候補地の白紙撤回を求める意見書を全会一致で可決した。近く国に提出する。

 意見書では、候補地として国から詳細調査の受け入れを求められた同町上寺島の国有林は「環境省の名水百選である尚仁沢湧水に隣接し、候補地として不適切」と指摘。

農業用水の水源のため、米作への影響にも懸念を表明した。

 塩谷町への処分場建設をめぐっては、井上信治環境副大臣が7月30日に同町を訪れ、見形和久町長らに協力を要請していた。』(新潟日報 8/6) 

http://www.niigata-nippo.co.jp/world/national/20140805127404.html


2) 従来の法律では、持ち出せなかったのに

 国有林が、「農業用水の水源」であれば、「米作への影響にも懸念を表明」するのは、当然のことだろう。水が汚染されれば、農地も汚染される。そうなれば、米作は出来なくなり、生活手段を断たれることになる。

反対して、当然だ。
消費者も、安全なお米を買うことが出来なくなれば、大きな不利益を被る。これは、農家だけの問題ではない。

もちろん、農業雨水は、農地にとどまるものではない。それは、やがては、川に流れていく。小学生でも分ることだ。それは、塩谷町だけにとどまらないであろう。この事も重要だ。

また、単に、一時的に、水が濁るとか、川が汚れるというようなことではないのである。何年、何十年に渡って、影響が出るのである。

だから、今、塩谷町で暮らしている人々だけの問題ではない。将来の塩谷町の住民にまで関係する事だ。


3) これまでの説明の国の説明では、出来なかったこと

指定廃棄物(放射性汚染物質)は、本来であれば、東電が引き取るべき物である。



放射性物質を、現場から持ち出すことについての政府の、見解は、次ぎのようなものである。

「福島県においても、福島県内の指定廃棄物(放射性汚染物質)等の処理のため、地元との調整を実施しています。地域による帰還の差異はあるものの、現在避難されている多くの方が帰還を望んでいる中、福島県にこれ以上の負担をさらに強いることは到底理解が得られない状況です。

このため、放射性物質汚染対処特措法の基本方針に基づき、各県内にお
いて指定廃棄物((放射性汚染物質)の処理を進めていきますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。」

これまでの法律を、無視し、勝手に捻じ曲げて作った「放射性物質汚染対処特措法」で、強引に、政府の意志を通そうということになる。そんな理不尽な事が許されていいはずがない。

いくら国有林であるとはいえ、住民にも権利はある。
国が、勝手な事をすることは許されない、と思う。

(2014/8/7)