2014年8月4日月曜日

エボラ出血熱に感染した米国人が、帰国。感染が広がる危険はないか。不安が拡散。

”エボラ熱は世界に拡散するか、リベリア感染に学ぶ阻止策”

これが__ロイターが載せた__この記事の、タイトルである。


1) ロイター が載せた記事より__

エボラ出血熱の感染経路を調べる、科学者らの苦労話の事についての記事。

 『 西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱の感染経路を調べる科学者らにとって、その作業は複雑なウイルス学や遺伝子判定とは違い、飛行機やバイク、タクシーなどを通じ、この伝染性の病原菌がいかに拡散したかを突き止めることが必要だ。
各国当局はこれまでのところ、感染地域における海外渡航の制限には踏み込んでいない。国際航空運送協会(IATA)が31日明らかにしたところでは、世界保健機関(WHO)もこうした規制などを勧告していないという。
専門家らは、エボラウイルスが他の国へ移動するリスクは小さいと話す。しかし、感染者と接触した可能性のある全ての人を突き止めることが、西アフリカでの流行を食い止めるために不可欠だ。
それはつまり、感染者らの生活習慣について情報収集することにつながる。
・・・伝染病の専門家によると、エボラ出血熱がアフリカから欧州やアジア、米国に拡大する可能性は極めて小さいという。病気の深刻度や致死率の高さなどがその理由だ。・・・
発症者は末期が最も危険で、体の内外からの出血や嘔吐(おうと)物、下痢による糞便などは感染性のウイルスを大量に含んでいる。
この段階になると死期が間近で、患者を移動するには重篤すぎると米ノースショア大学のブルース・ハーシュ医師は説明する。』(ロイター 7/31)
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0G13HO20140801

2) すぐそこにある危機

これは米国にとっては、すぐそこにある危機だ。
何故なら、先ほどに、エボラ出血熱に感染患者が米国に「輸送」されてきたからである。

昨日、CNN が次のような記事を載せた。


 西アフリカのリベリアでエボラ出血熱に感染した米国人2人のうち、ケント・ブラントリー医師(33)が2日、帰国してジョージア州アトランタの病院に入院した。

ブラントリー医師は同日午前、隔離施設を備えた特別機でアトランタの空軍基地に到着し、救急車でエモリー大学病院へ運ばれた。病院からの映像は、ブラントリーさんとみられる患者が白い防護服を着て救急車から降り立ち、歩いて病院へ入る姿を伝えた。防護服姿のもう1人の人物がこれを手伝っていた。

ブラントリーさんの妻はCNNに、「本人と話すことができた。帰国できてよかったと言っていた」と述べた。一家の代理人によると、夫妻はガラス越しに45分間面会した。

ブラントリーさんと同じキリスト教団体に所属する米国人、ナンシー・ライトボルさんも、リベリアでの医療活動中に感染した。


特別機は1度に1人の患者しか乗せられないため、引き続きライトボルさんの搬送に向かう。ライトボルさんも週明けには同病院に到着する見通しだ。』


記事は、「2人の帰国を巡っては、米国内での感染拡大などを懸念する声がインターネット上で飛び交っている」とも書く。
米国内での懸念は、当然のことであろう。

3) 手が付けられなくなる

もし、米国内で感染が広がれば、手が付けられなくなることであろう。

それで、”リベリア感染に学ぶ阻止策”という訳なのであろう。


衛生施設が整った、近代的社会である米国においては、エボラ出血熱のような__空気感染をしない_伝染病は、怖くはない、ということだろう。

だが、果たして、そうであろうか。本当に広がる危険はないのであろうか。

この記事は、米国内などに置いて感染しないことの理由を、「病気の深刻度や致死率の高さなど)である、と書いている。

この記事の説明では、要するに、重症者は「死期が間近で、患者を移動するには重篤すぎる」のだということのようだ。

患者が動けるうちは、症状が軽い、という事であろうか。
それにしても、良く解らない説明だ。

これで、安心せよ、と言っても説得力はない、であろう。
ネットでの反響も当然だ。

第一に、このエボラ出血熱は、感染岐路自体が、まだはっきりとは分からない伝染病だ。それを、感染が広がる危険はない、と言われても、簡単には信じる事は出来ないであろう。

各国当局などは、現在までのとこは、「感染地域における海外渡航の制限には踏み込んで」いないのだという。これでも安全は保たれるのか。

米国の当局者には、もっと丁寧な説明が求められている。

≪関連サイト案内≫

*”コラム:エボラ熱、過去最悪の感染はなぜ起きたのか”=ロイター

http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0G12VS20140801?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

(2014/8/3)