2014年8月2日土曜日

エボラ出血熱の流行拡大で非常事態宣言。感染者の隔離に治安部隊を投入。


1) ロイター が伝えた_

『 西アフリカのシエラレオネは、
同国のコロマ大統領は30日夜、非常事態宣言に関する一連の措置を発表。同宣言は6090日間継続されるという。
治安部隊が感染者の多い地域を隔離し、医療従事者や救援関係者らの活動を支援する。現地では地元市民が医療従事者を攻撃する事案も発生している。
リベリア政府も30日、感染拡大阻止に向け、学校を閉鎖する方針を発表。特定地域の隔離も検討しているという。

世界保健機関(WHO)によると、27日までの4日間でギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアで計57人の死亡が確認され、2月以降の死者数は729人に上っている。』(ロイター 7/31)
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0G02T120140731

2) 何故、医療従事者を攻撃する必要がある

記事は「現地では地元市民が医療従事者を攻撃する事案も発生」と書いている、何が起こっているのだろう。何故、医療従事者を攻撃する必要があるのだろう。

自分たちを守るために、命を懸けている人たちではないか。彼らがいなければ、どうやってエボラの感染を防ぐのだ。 容易には信じがたい話だ。

エボラ出血熱は、「血液や分泌液などに直接触れない限り感染しない」といわれている。そうだとすると、「感染者を隔離すれば拡大は防げた」はずだ。

いかにも、発生の初期の現地政府の対応が遅かった。今回は、「人口は200万人で、国際空港」がある都市でのことだ。感染が広がることは容易に、予測できた。

それが、今頃になってようやく、封鎖が始まったのだという。

3) 事の重大さは、十分に、理解できていたはず


まして、エボラ出血熱は、これが初めての流行という事ではない。

















この図でもわかるように、早くから流行しているのである。また、致死率も高い。非常に危険な感染病であることは、よく解っていたはずだ。あるいは、実は、それほどには解っていなかった、と言うのが、現実なのであろうか。

それにしても、この図を見て改めて思うことは、これまでの流行について、感染経路が特定されたことが、ほとんどない、という事実についてだ。これだけ、医学が進歩、発展した、と言われているのに、何故特定できないのであろうか。

また、死亡者数を見ても、決して少ないとは思えない数字だ。事の重大さは、十分に、理解できていたと思われるのだが、・・・。

当局者を責めるのは、これぐらいにしておこう。とにかく今は、全力で、感染が広がることを阻止する事が重要だ。これ以上広がると、手が付けられなくなる恐れがある。

その意味では、軍隊の投入は必要な事であった、と言える。

(2014/8/1)