2014年8月2日土曜日

LS:石原慎太郎氏の直言。安倍首相は、はっきり言ったらいい。「後方支援とは兵站だ。戦闘そのもの」







「毒舌」ぶりが、炸裂した。
いかにも、この人らしい。









1) 産経ニュース が報じた記事より_


「中国は自滅したらいい」「(それが)世界にとって好ましい」「孫の代には中国の属国に…」石原慎太郎氏が直言_ という内容である。

『閣議決定の文書を見たが、実に『よくできた、よく分からない文書』だ。曖昧模糊している所もあるし、公明党との折り合いを斟酌して苦し紛れに作ったような文書だ。ただ、仕方がない。国民全体の危機感のあらわれをああいう形でまとめざるを得なかったと思う」
 「今の中国の覇権主義を見ていたって、尖閣の体当たり事件だけではなく、ベトナムでも明らかに自分たちがぶつかっておいて、盗人たけだけしいとはこういうことで、映像ではっきりしていながら世界に通るわけがないのだが、力ずくでまかり通そうという中国に対して国民は反発だけでなく危機感を持っていると思う」
「個別的自衛権にしろ、集団的自衛権にしろ、交戦規定が日本にはない。自衛隊はどう動いたらいいか分からない。それも無しに集団自衛権もあったものではない」
 「公明党はずいぶん色々なことを言ったみたいだが、後方支援という言葉が出てくるが、後方支援とは兵站だ。戦闘そのものだ。そういうものの概念もはっきりさせずに後方支援という言葉で濁すのはダメだ」・・・・
「(安倍晋三首相は)はっきり言ったらいいじゃないですか。中国は怖い国だっていうことを。私が総理大臣になったら、『中国の属国になるのは絶対に反対だ。皆さんも望まないでしょう?』と訴える。『そのためには集団的自衛権は必要なんだ』と言ったらいい』(産経ニュース 7/7)
 http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140707/waf14070722290029-n1.htm

2) 「汚名返上」の記事にしたいが・・・

このような記事を見逃していたとは、恥ずかしい限りだ。しかも、安倍首相による会見_集団的自衛権の容認の_が行われて、間もないころの記事である。

_「政治ウオッチング」とブログのタイトルバーに表示している_わたしとしては、失格だ。そこで、「汚名返上」に記事にしたい、のであるが・・・・。

石原氏のこの文章は、「毒舌」というより、正論である。少なくとも、ここに引用した部分については、正解である、と思う。特に、後方支援についての説明は、正確だ。

3) 『よくできた、よく分からない文書」とは、見事な表現だ

『よくできた、よく分からない文書」とは、_小説家でもある石原氏らしい、言い方である_言い得て妙だ。けなしてはいるが、「ただ、仕方がない」と庇う。年の功か。

「よくできた」というのは、官僚らしい、という意味であろう。優等生の書いた文章らしい、と言いたいのであろう。ほめているようで、実は貶(けな)している。

石原氏一流の「皮肉」だろう。
「よく分からない」というのは、その通りである。

あちこちに「落とし穴」を作りながらの文章だ。筋道を通すには、_曲がりくねった、遠まわしの_一体、「何が言いたいのだ」という文章にならざるを得まい。

「識者」と言われる人たちの中には、あの文書は、「集団手自衛権の行使」を認めてはいない、という論者がいるぐらいであるから。それは、公明との山口代表も認めていることだ。山口代表は、あれは「個別自衛権に毛が生えたようなもの」と公言している。

4) 口が裂けても「後方支援は戦闘(=戦争)ではない」とは

石原慎太郎氏は、1932年の生まれだ。「終戦』の時には、12歳である。実際に戦争を経験した世代だ。「後方支援」については、骨身に染みている事であろう。

まさに、日本は、この後方支援を重要視しなかったので、_重要さが、出来なかったから_、戦争に負けたのであるから。我慢に我慢を重ねた。

「欲しがりません。勝つまでは」の掛け声に下、あらゆる不自由を忍んで来た世代なのだ。忍ばされてきた、世代なのである。口が裂けても、「後方支援は戦闘(=戦争)ではない」とは言えない、世代だ。

「後方支援」には、「恨み骨髄」というところだろう。もし、兵站がうまく出来ていれば、戦争に勝てたかも知れない。それには、潜水艦をもっと利用すべきであったが、その知恵がなかった。

結果、兵士たちは、「食うや食わず」で戦った。飢餓で、倒れたものも多かったのである。また、肝心の打つべき銃弾が、なかった。空の、_弾の入っていない_鉄砲で突撃をした__。

5) 安倍首相は、もっとはっきりと、国民の前で言うべきであった

「はっきり言ったらいいじゃないですか」_これは、いい。安倍首相は、もっとはっきりと、国民の前で言うべきであった。
だが、「中国は怖い国」というのは、私には判断できない。だから、この点だけは、「?」である。

少なくとも、「米国の意向があった」、という事ぐらいは、言うべきであった。米国の意向に逆らえなかった、とまでは、言う必要はない。「アーミテージ報告書」を無視できなかった、ということぐらいは、はっきりと言うべきであった。

日本を守るためには、「どうしても、海外に出ていかざるを得ないのです」「日米軍事同盟を強固にするには、米国を一体化する必要があるのです」「将来は、自衛隊を軍隊にする必要があるです」と、はっきりと、言えばよかった。(賛成するにせよ、反対するにせよ、明確にしてもらわねば、ものの言いようがないのである)

6) 惜しい人材である。

もう、これぐらいにしようと思う。
この記事では、_産経ニュースで_石原氏の面目躍如といったところだ。

惜しい人材である。

(2014/8/2)