2014年8月4日月曜日

LS: 玄海町の町長選は、無所属で、再稼働に積極的な現職岸本氏が、当選した。

原発再稼働に向けての動きが、加速するかも知れない。
本当に、これでいいのであろうか。

1) 朝日DIGITAL が報じた記事より__

佐賀県玄海町の町長選は、3日投開票され、無所属で、原発再稼働に積極的な現職岸本英雄氏(61)が、当選した。





『九州電力玄海原発が立地する佐賀県玄海町の町長選は3日投開票され、いずれも無所属で、再稼働に積極的な現職岸本英雄氏(61)が、同じく容認姿勢の元町議、中山敏夫氏(59)、再稼働反対を掲げた飲食店経営、山口徳信氏(63)の新顔2氏を破って3選を果たした。

投票率は80・69%と、選挙戦になった8年前の88・83%を下回った。

 開票結果(確定)は、岸本氏2099票、中山氏1769票、山口氏86票、無効42票。

 選挙戦で再稼働は明確な争点にならなかった。町の歳入の7割を占める原発マネーの使い道について、実績を強調した岸本氏に対し、中山氏は異なる活用方法を主張したが、ともに再稼働の是非にはほとんど触れなかった。山口氏は街頭活動はせず、主張は浸透しなかった。』(朝日DIGITAL 8/3)
http://www.asahi.com/articles/ASG835QYVG83TTHB00M.html

2) 「資金的に貧しい」土地に狙いをつけて、原発施設を建設してきた

この記事をもとに計算すると、岸本氏は、全住民の43%余りの支持で当選したことになる。

岸本氏も、中山氏も、「ともに(原発)再稼働の是非にはほとんど触れなかった」と記事は書いてはいる。しかし、住民は、この二人の意志は、__原発再稼働に積極的であることは__先刻、承知のことであろう。

それにしても、「町の歳入の7割」を、原発マネーが占めている現状は、異常である。歴代の自民党政府が、いかに「金目にものを言わせて」来たのかが、良く解る例だ。

今回の選挙で、こういう「資金的に貧しい」土地に、__狙いをつけて__原発施設を建設してきたことが、はっきりと分った。

3) あきれた県議会原子力安全対策等特別委員会の石丸委員長の挨拶

これも、 朝日DIGITAL が、伝えた記事からの引用。

玄海原発
『29日に告示された玄海町長選で、県議会原子力安全対策等特別委員会の石丸博委員長が現職の岸本英雄氏の出陣式に出席。

再稼働を強く求めている岸本氏に同調する姿勢を示した。

 あいさつの中で石丸氏は、「玄海町は原発という大きな問題を抱えている。私は3年近く委員長を務めており、地元から見れば何をもたもたしているかとお思いでしょうが、委員長は相撲で言えば行司。(再稼働を)早くせえ、とは言えません。

が、岸本さんとはツーツーですので、まあ大体そういうことで進んでいくんじゃないかと思っております」と発言した。
 特別委は再稼働の是非について審議している最中。』(朝日DIGITAL 7/30) http://www.asahi.com/articles/ASG7Y3Q9TG7YTTHB003.html?ref=reca


4) 「相撲の行司」と、「お相撲さん」が組めば、負けるはずがない

「現職の岸本英雄氏の出陣式に、出席しての挨拶」である、ということだから、あきれる。
「岸本さんとはツーツーですので、まあ大体そういうことで進んでいくんじゃないかと思っております」と発言した、というのだ。

しかも、自分で「私は3年近く委員長を務めており」と話したというから、驚きだ。
わざわざ、原発関係者であると、名乗ったうえで、このような事を言うとは。

「相撲で言えば行司」と、「お相撲さん」が組めば、負けるはずがない。
この勝負は、「初めから決まっているのですよ」と言っているのと、同じだ。

このような委員長は、即刻更迭すべきである。特別委員会からも、外すべきだ。しかし、このような現状は、__日本の原発施設が存在するところでは__何処でも、「似たり寄ったり」のことであるのかもしれない。

5) 余裕の選挙戦が、辛勝の選挙戦へ

選挙戦の状況も分ってきた。
佐賀新聞が、次のように伝えている。
『‥2カ月前まで「無投票3選」は確実と見られていた。
中山さんが“閑古鳥”が鳴く次世代エネルギーパーク事業に焦点をあて、原発マネーの無駄遣いを批判して選挙戦に挑むと、流れは一変、これまで隠れていた町政への不満が噴出した。・・・
「玄海原発の再稼働に向けた大事な時期だからこそ、県や国とのパイプを持った強いリーダーシップが必要なんです」と訴えたが、周囲には危機感にも見えた。
 町議11人中8人が支持し、建設業界が“フル稼働”しての選挙戦。「大差で勝たないと、信任を得たことにならない」と豪語していた陣営幹部も「勝って良かった」とトーンが変わった。・・・

 「3・11」後も原発に依存する姿勢には批判の声も多い。・・・・・・原子力を維持しながら、新たな雇用対策や産業振興も取り組みたい」。当選後、記者に囲まれ、あらためて強調した。』(佐賀新聞 8/4)http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/90402
選挙のはじめには、

『2カ月前まで「無投票3選」は確実』
「町議11人中8人が支持」
「建設業界が“フル稼働”しての選挙戦」

ということで、余裕の選挙戦を戦えるはずであった、ようだ。


ところが、「原発マネーの無駄遣いを批判」されたことで、「町政への不満が噴出」し、危うい「勝利」を収める結果となったようである。


「原発マネー」の上に胡坐をかいて、大した貢献をしてこなかったことが批判されたようだ。

6) 再稼働反対を掲げた、山口氏の戦いの結果          

産経ニュ―スが、山口氏の戦い、について書いている。

「山口氏は、公約をまとめたチラシ配布にとどめ、街頭演説や選挙カーでの運動は行わない。「数分間の演説では訴えが届かないし、逆に町民の反感を買い、さらし者になるだけだ。支援者も集まらない」と嘆く」(関連サイト案内でリンクしてある)

結果として、再稼働反対を掲げた飲食店経営、山口氏は、86票しか獲得できなかった。ということは、__住民のほとんどが__原発の再稼働には、賛成している、という事になる。

だから、原子視力規制委員会が、再稼働にGOサインを出せば、原発が、再び動き出すことになりそうである。

≪関連サイト案内≫
選挙:佐賀・玄海町長選 岸本氏3選 原発再稼働「町に必要」”=毎日新聞
http://senkyo.mainichi.jp/news/20140804ddp041010004000c.html 
*”8年ぶり玄海町長選スタートも「原発再稼働」争点にならず 反対派「支援者が集まらない…」”=産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140730/trd14073013260009-n1.htm

(2014/8/4)