防衛省が、閣議決定後も、ＨＰに「集団的自衛権行使は憲法違反」と掲載していた。

「頭隠して尻隠さず」とは、このことであろうか。
あるいは、「上手の手から水が漏れる」、と言った方が正解か。
我が国の防衛省のことである。


１）　東京新聞の記事より

『安倍政権が一日に閣議決定した憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認をめぐり、防衛省が閣議決定後も公式ホームページに「行使は憲法違反」とする従来の憲法解釈を掲載し続けていたことが分かった。報道機関からの問い合わせを受けて、七日に記述を削除した。

　防衛省が削除していなかった記述は、防衛政策の「憲法と自衛権」というコーナー。「他国に加えられた武力攻撃を阻止する集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」と明記。自衛権発動の三要件も「わが国に対する急迫不正の侵害があること」として、個別的自衛権に限られるという従来の見解を載せていた。

　インターネット上では「防衛省が集団的自衛権は違憲としている」「書き換えられる前に保存しよう」などと話題になっていた。削除後は「現在、記述を修正しています」と表記している』（東京新聞　7/8）
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014070802000118.html

２）　本当にこれで、大丈夫であろうか。

安倍首相の、集団的自衛権の行使容認のための、閣議決定が、憲法違反である事の、これ以上の証明は、他にないであろう。

何しろ、我が国の防衛にあたる、本家文もとの見解である。

そこには、はっきりと「他国に加えられた武力攻撃を阻止する集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」と書かれていた、ということだ。

安倍首相も、首相に助言した補佐人も、安保懇にメンバーも、誰も気づかなかったとは。本当に、これで大丈夫であろうか。


この所の石原大臣の『金目発言」といい、国会や都議会での「ヤジ」と言い、自民党や政府は、どうも箍（たが）が外れている、としか思えない。

７日には、石破幹事長が、「人間の尊厳や人格を傷つける発言は言語道断であり、決して許されるものではない」「国民・有権者に選ばれたという自覚を持って、自身の発言には十分注意し、議会人として他の範たるよう」にと、所属議員に通達を出した、と報じられている。

３）集団的自衛権の行使は、日本国憲法に違反する行為

それにしても、すごい事が明らかにされた。

”他国に加えられた武力攻撃を阻止する集団的自衛権の行使は、憲法上許されない”

”自衛権発動の三要件についての「わが国に対する急迫不正の侵害があること」として、個別的自衛権に限られるという従来の見解を載せている”

このように明確に否定していたとは、驚きである。

この見解に基づけば、安倍首相に言う「北朝鮮から米国に向けて発射されたミサイル」は打ち落せないことになる。

米国に向かうのであれば、日本本土に、直接関係する事ではない、ということになる、からである。

それを削除した、ということは、やはり個別的自衛権ではなく、「他国を助ける」ための集団的自衛権の行使であり、日本国憲法に違反する行為である、と言う認識なのであろう。

≪関連サイトの案内≫
＊　石破幹事長の通達　　・・・・YOMIUI　Ｏｎｌｉｎｅ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140707-OYT1T50081.html

（2014/78/）