2014年7月9日水曜日

政府は、安全保障法制の見直しに法案について、来年に関連法案を一括で。

政府は、安全保障法制の見直しに法案について、関連法案を一括して来年の通常国会に提出する方針を固めた。
この事について、検討してみたい。


1) 毎日新聞が伝えた記事より

少なくとも2点問題がある。


『政府は7日、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制の見直しについて、関連法案を一括して来年の通常国会に提出する方針を固めた。年末までの見直しで合意している日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定に向けた協議も進め、法案策定作業に反映させる。

日米協議の進展を見ながら現行の周辺事態法を廃止し、武力攻撃に至らないグレーゾーン事態への対処も含めた包括的な「日米協力新法」(仮称)を制定する案も浮上している。


菅義偉官房長官は7日の記者会見で「グレーゾーンから集団的自衛権  まで幅広い法整備を一括して行っていく」と述べ、来年の通常国会後半までに法案の成立を目指す考えを示した』(毎日新聞 7/8)


何故、今年の国会審議かけずに、「関連法案を一括して来年の通常国会に提出する方針を固めた」のか。

安倍政権は日本の安全保障について、「切れ目のない法整備をする」ために、集団的自衛権の行使容認のための閣議決定をしたはずだ。


そうであるのなら、すぐにでも、国会を開いて、まず、「集団的自衛権の行使容認のための閣議決定」についての審議を行うべきである。


その上で、安倍内閣による閣議決定が、憲法違反でないという判断が出されたら、法案審議に入ればいい。

2) 手続きが逆転している


「日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定に向けた協議も進め、法案策定作業に反映」させると言うが、それでは手続きが逆転している。

法案策定作業 

  ↓
国会での法案審議。
  
日米防衛協力の指針(ガイドライン)

と言う手続きが、取られるべきだ。


日米防衛協力の指針(ガイドライン)で、先に決めてしまうことなど、言語道断である。

法案策定作業→国会での法案審議とすすめば、米国との交渉においても、現在国会において審議中であるから、待ってほしいと言える。


たとえ米国に迫られようとも、国会において法案が通過しないかぎり、政府の勝手には出来ないと「つっぱれ」ばいい。


我が国は、法治国家であり、議員内閣制を取っている、のは承知のことであろう」と言い返せばいい。


3)特定秘密保護法との関連を抜きには、法案審議は出来ない

もう一つの懸念されることは、特定秘密保護法との関連である。
今のままで行けば、年内には、特定秘密保護法が、効力を発揮することになる。

そうなると、来年の国会審議を待っていたのでは、十二分に国会で審議されるかどうかは疑問である。


果たして、日本の安全保障と言う重要な法案に審議である。最も国の根幹にかかわることだ。そうだとすると、国民の前で審議が行われるのかさえ、疑問視される。

果たして、国民の前において、まともな審議が出来るかどうかさえ、

分らない。
そんなことは心配する必要はない、といくら言われても、信用が出来ないのだ。

何故なら、我が国の憲法さえ、守ろうとしない政権であるのだから。

安倍首相であるのだから。

今度は、安倍首相が急がないのは、ここにポイントがある、と思う。


(2014/7/9)