早稲田大学 |
どちらも、教育に関する話題を取り上げている。
比較検討する価値は十分にあると、思われる。
1) 47ニュースと、京都新聞が報じた記事より_
初めは、小保方氏についての、話題から。
47ニュースが、早稲田大の調査委員会が、報告書を公表した、というきじである。
『理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーの博士論文に対する問題点を調べた早稲田大の調査委員会は17日、論文中に計26カ所の問題点があると認めたものの「学位取り消しの規定には当てはまらない」とする報告書を公表した。
調査委委員長の小林英明弁護士が都内で記者会見し「博士号に値する論文ではないが、不正な方法により授与されたわけではない」と説明した。
調査委は「論文の審査に重大な欠陥や不備がなければ、小保方氏に博士号が授与されることは到底考えられなかった」と大学の審査体制を厳しく批判した。』(47ニュース 7/17)
2) 京都新聞が、報じた記事
次は、京都新聞が、報じた記事である。
京都市立中学校で、教員免許がないのに、計14年教えていた疑いがある、という記事だ。
京都市役所 |
男性は免許状の更新期限が迫っていた3月上旬、電車にはねられて死亡した。全国的に無免許の教員が学校で教えていた不正が相次いで発覚している。
市教育委員会によると、男性は保健体育を担当。1993年に講師で採用された。その後、辞めたが、再び講師になり、2012年4月に教諭に採用されて右京区の中学校に勤務していた。
市教委の説明では、男性は教員免許更新の13年度の対象者。更新時には全国ネットワーク「教員免許管理システム」で、登録された氏名や生年月日などを照合されることになっていた。
男性は今年1月末の更新申請期限を過ぎても書類を提出しなかった。市教委が3月上旬に呼び出して事情聴取しようとしたが、男性は当日に右京区のJR山陰線で電車にはねられ死亡した。
市教委によると、男性は京都市内の大学を卒業したと履歴書に記載していたという。』(京都新聞 8/19)
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140719000014
3) 二つの記事を、それぞれまとめる
47ニュースが、報じた記事を要約すると、こうなる。
早稲田大学が、小保方氏の博士論文についての疑義を調査した。その委員会は、学位は、「不正な方法により授与」された訳ではない、と言う結論した。
ただ、大学の審査体制そのものについては、批判した。
一方、京都新聞が、報じた記事をまとめると。
京都市立中学校で、計14年教えていた教師が、「無免許」であった疑いがある。
教員は、教員免許更新の、13年度の対象者であったが、書類を提出しなかった。
その後、教員は、電車の事故で、死亡した。
市教委は、「履歴書」の_以下の記述は、投稿者の推定による_”記載事項を信用して、採用した”
4) 何を、問題としたいのか
最大の関心は、以下の事にある。
① それは、早稲田大学が、「小保方氏の博士論文」についての疑義を調べた結果「不正授与を認め、その学位を取り消し」た、とする。(実際には、そうなってはいないが)
② 一方、京都市立中学校の教員が、「無免許で、授業を行い、その結果として、単位の認定」を行っていた、とする。
結果、見えてくることは、次の事である。
①は、早稲田大学の審査にあたった、教授陣の責任、と考えられる。少なくとも、小保方氏自身の問題ではない。それでも、「学位を取り消すのか」という事である。
②は、どうなるか。
この場合に、この教師の授業を受け、単位を認定された、生徒の成績は、どう処理されることになるのか。これらの生徒の、「単位を取り消し」にするのか。
仮に、取り消しにした場合、「卒業資格はあるのか」、という問題がある。
5) 小保方氏や、生徒らの知らない所で起こった問題
②の場合、「義務教育であるから」、卒業資格に問題はない、という回答は、解答にならない。義務教育であっても、単位認定は、厳格でなければならない。
そうでなければ、何のための教育か、という事になる。
たとえ、義務教育であろうと、「無免許の者」から、授業を受けたのである。「生徒は、知らなかった」からとしても、言い訳にならない。
この事を、どう判断するかである。
ところで、この問題は、どちらも、教師側_教える側_にある。小保方氏や生徒には、関係のない話である。小保方氏や、生徒が、直接、この事に関わった訳ではないからである。
小保方氏や、生徒の知らない所で起こった問題である。それを、今頃になって、騒ぎたてられても、「迷惑」でしかないであろう。
まして、小保方氏が博士号と取り消されたり、生徒が卒業資格を取り消されたりしたら、どういうことになるであろう。場合によったら、「訴訟」問題にも、なりかねないことであろう。
くり返すと、小保方氏ことは、早稲田大学に責任がある。
生徒の事は、京都市教委に責任がある。
早稲田大学の事は、調査委の報告書が指摘している通りであろう。
京都市の事は、試験時、採用時、校長の面接時などにおける、ミスだ。
6) 「弱きを挫き、強きを助ける」事が横行している
それにしても、京都市の例は、_もし、これが事実であるとすれば_到底考えられない事件である。誰でも、思うことであろうが、何故、教員採用試験を受験できたのか、ということである。
また、合格判定が出されたのか、という事である。
さらに、採用時には、免許状の提出が必要なはずである。ここを、いかにして、クリアーしたのか、ということだ。
まだある。最後に採用を決める校長が、採用時に、免許状を確認しなかったのか、といことである。
このように、教壇に立つまでには、何段階ものチェックが、入ることになっているはずである。それを潜り抜けることなど、出来るとは到底思えない。だから、この事件の闇は、案外と、深いのかもしれない。
そう思うと、気になることは、この事に関するマスコミの取り扱いについてである。
①の事のみを大きく取扱い、②の事をあまり問題にしない、マスコミの姿勢に疑問を感じるのである。「弱きを挫き、強きを助ける」という真逆の取り扱いに感じる。
小保方氏という個人は、「とことん」バッシングする。
ところが、組織が絡んでいると、トーンを弱める。
このような取り扱い方は、公正さに欠ける、と思うのである。
世の中に_実際に表に出る、出ない、は別にして_不正は多い。
我々が、本当に問題とすべき不正は、小保方氏_不正と判断する能力はないので、また、コピペは不正ではないが_のような例ではなく、社会に与える影響が大きい、「組織的な犯罪」ではないであろうか。
≪関連サイトの案内≫
*”教員免許の原本確認せず 京都市教委、死亡男性採用時に”=京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20140720000010
*”京都市教委、調査に及び腰 無免許での授業疑いに”=京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140719000034
(2014/7/20)
3) 二つの記事を、それぞれまとめる
47ニュースが、報じた記事を要約すると、こうなる。
早稲田大学が、小保方氏の博士論文についての疑義を調査した。その委員会は、学位は、「不正な方法により授与」された訳ではない、と言う結論した。
ただ、大学の審査体制そのものについては、批判した。
一方、京都新聞が、報じた記事をまとめると。
京都市立中学校で、計14年教えていた教師が、「無免許」であった疑いがある。
教員は、教員免許更新の、13年度の対象者であったが、書類を提出しなかった。
その後、教員は、電車の事故で、死亡した。
市教委は、「履歴書」の_以下の記述は、投稿者の推定による_”記載事項を信用して、採用した”
4) 何を、問題としたいのか
最大の関心は、以下の事にある。
① それは、早稲田大学が、「小保方氏の博士論文」についての疑義を調べた結果「不正授与を認め、その学位を取り消し」た、とする。(実際には、そうなってはいないが)
② 一方、京都市立中学校の教員が、「無免許で、授業を行い、その結果として、単位の認定」を行っていた、とする。
結果、見えてくることは、次の事である。
①は、早稲田大学の審査にあたった、教授陣の責任、と考えられる。少なくとも、小保方氏自身の問題ではない。それでも、「学位を取り消すのか」という事である。
②は、どうなるか。
この場合に、この教師の授業を受け、単位を認定された、生徒の成績は、どう処理されることになるのか。これらの生徒の、「単位を取り消し」にするのか。
仮に、取り消しにした場合、「卒業資格はあるのか」、という問題がある。
5) 小保方氏や、生徒らの知らない所で起こった問題
②の場合、「義務教育であるから」、卒業資格に問題はない、という回答は、解答にならない。義務教育であっても、単位認定は、厳格でなければならない。
そうでなければ、何のための教育か、という事になる。
たとえ、義務教育であろうと、「無免許の者」から、授業を受けたのである。「生徒は、知らなかった」からとしても、言い訳にならない。
この事を、どう判断するかである。
ところで、この問題は、どちらも、教師側_教える側_にある。小保方氏や生徒には、関係のない話である。小保方氏や、生徒が、直接、この事に関わった訳ではないからである。
小保方氏や、生徒の知らない所で起こった問題である。それを、今頃になって、騒ぎたてられても、「迷惑」でしかないであろう。
まして、小保方氏が博士号と取り消されたり、生徒が卒業資格を取り消されたりしたら、どういうことになるであろう。場合によったら、「訴訟」問題にも、なりかねないことであろう。
くり返すと、小保方氏ことは、早稲田大学に責任がある。
生徒の事は、京都市教委に責任がある。
早稲田大学の事は、調査委の報告書が指摘している通りであろう。
京都市の事は、試験時、採用時、校長の面接時などにおける、ミスだ。
6) 「弱きを挫き、強きを助ける」事が横行している
それにしても、京都市の例は、_もし、これが事実であるとすれば_到底考えられない事件である。誰でも、思うことであろうが、何故、教員採用試験を受験できたのか、ということである。
また、合格判定が出されたのか、という事である。
さらに、採用時には、免許状の提出が必要なはずである。ここを、いかにして、クリアーしたのか、ということだ。
まだある。最後に採用を決める校長が、採用時に、免許状を確認しなかったのか、といことである。
このように、教壇に立つまでには、何段階ものチェックが、入ることになっているはずである。それを潜り抜けることなど、出来るとは到底思えない。だから、この事件の闇は、案外と、深いのかもしれない。
そう思うと、気になることは、この事に関するマスコミの取り扱いについてである。
①の事のみを大きく取扱い、②の事をあまり問題にしない、マスコミの姿勢に疑問を感じるのである。「弱きを挫き、強きを助ける」という真逆の取り扱いに感じる。
小保方氏という個人は、「とことん」バッシングする。
ところが、組織が絡んでいると、トーンを弱める。
このような取り扱い方は、公正さに欠ける、と思うのである。
世の中に_実際に表に出る、出ない、は別にして_不正は多い。
我々が、本当に問題とすべき不正は、小保方氏_不正と判断する能力はないので、また、コピペは不正ではないが_のような例ではなく、社会に与える影響が大きい、「組織的な犯罪」ではないであろうか。
≪関連サイトの案内≫
*”教員免許の原本確認せず 京都市教委、死亡男性採用時に”=京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20140720000010
*”京都市教委、調査に及び腰 無免許での授業疑いに”=京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140719000034
(2014/7/20)