2014年7月18日金曜日

LS:イスラエル軍が、ガザに空爆と、地上侵攻を開始。安倍首相は・・・。

憎しみの連鎖は、止まらないようである。
こんな世界へ、安倍首相は、日本の国民を連れていきたいのであろうか。


1) ウオール・ストリート・ジャーナルが伝えた記事より_

ウオール・ストリート・ジャーナルは、イスラエル軍が、ガザに対して激しい空爆を加え、同時に、地上侵攻を開始下、と報じた。(長い引用だが、ご容赦を願います。面倒と思われる向きは、_主題は、他にあるので_読み飛ばしていただいても、結構である。)


『イスラエル軍は17日夜、パレスチナ自治区ガザに対して激しい空爆を加えるとともに、地上侵攻を開始した。これに先立ちイスラエルは、攻撃が差し迫っているとして、ガザの住民に避難するよう警告していた。

地上侵攻は、食料品などをガザに供給するために設けられた5時間の停戦終了と同時に100発以上のロケット弾ガザからイスラエルに向けて打ち込まれたあと始まった。この停戦は、食料品などをガザに供給するために設けられた。

イスラエル首相府は「首相と国防相は今夜、ガザからイスラエルへのテロリストのトンネルを攻撃するために、イスラエル軍に対して地上侵攻を命じた」との声明を発表した。

 イスラエルはこれより先、ガザを支配するイスラム原理主義組織ハマスの戦闘員による南部の町スファへの攻撃計画を阻止したと明らかにした。イスラエル軍によると、13人ほどの戦闘員がトンネルを使って侵入しようとしたが、空爆でこれを防いだという。ハマスは、これらの戦闘員は偵察隊で、無事にガザに戻ったとしている。
16日には同市の海岸で遊んでいた家族の4人の子供がイスラエル軍の空爆で死亡したが、17日にもさらに4人の子供が死亡した。一般市民の死者数が増えていることから国際的な懸念が高まっており、停戦を求める声が強まっている。

パレスチナ保健省によると、10日間の戦闘でのガザ地区の死者は237に上り、このうち少なくとも25人が女性、40人が子供だった。イスラエル側では市民1が死亡した。』( WSJ 7/18)

これが戦争の実態である。
この事を、安倍首相は、しっかりと、直視すべきである。

2) 安倍首相が、7月1日の記者会見で述べたこと

この記事では、イスラエルとパレスチナとの関係については、立ち入らない。
特別に詳しくもない、という事情もあるが、感心は、ほかの事にある。(もちろん、この戦闘の事が、重要ではない、と思っている訳ではない)

それは、やはり、安倍首相の、閣議決定との関係についてである。もう少し、具体的にいうと、「平和維持活動」に、ついてである。

安倍首相は、7月1日の記者会見で、次のように述べた。


「自衛隊の皆さんは、・・・例えばソマリア沖で海賊対処行動を行っています。あるいは東シナ海の上空において、また海上において、様々な任務を担って活動している・・・わけでありますが、・・・国民の命を守るために・・・

その任務を粛々と果たしている・・・私は彼らに感謝をし、・・・勇気ある活動に敬意を表したい、彼らは私の誇り・・・

今後とも、彼らは日本の国民を守るために、命を守るために活動していただけると確信をしております。


それは今回のグレーゾーンであり、例えば集団安全保障の中において、PKO活動をする中において、一緒に活動する他国の部隊に対して、自衛隊がもし襲撃をされたときには助けてもらうことになるけれども、

逆はないということで果たしていいのか。あるいはNGOの人たちが実際に危険な目に遭っている中において、自衛隊が彼らを守ることができなくていいのか。・・・」

3) PKOとは何か。このことの理解が、決定的に重要

この発言について検討してみたい。
特に、PKOについては、重要な事が含まれる。

PKOとは何か。
日本語では、普通は、国際連合平和維持活動と訳されている。
国際連合を外し、単に、平和維持活動と言う場合もある。

これは、誤訳なのである。
また、国際連合を外してあることに、「ミソ」がある。この事で、国際連合の活動である事が、隠される。(国連は、現在も日本国を敵国と規定している組織)


また、「国連の行う活動であるから、許される」、と簡単に思ってしまうが、それが「間違いのもと」なのである。

英語で言うと、PKO=United Nations Peacekeeping Operations だ。Operationsとは、「作戦」のことである。

この場合における作戦とは、企業などが行う作戦ではない。武器を持って、戦争をしている国に行っての、_いわば、「けんかの仲裁」をする_作戦である。

戦争をもって、戦争を仲裁する。これが、その目的だ。


だから、これは、正確に言えば、「軍事作戦」という事になる。この事が、分っていないと、とんでもないことになる。

4) PKOへの参加は、戦争をすること

PKOとは、「国際連合平和維持活動」ではなく、国際連合平和維持(軍事)作戦」なのである。このように、正確に、理解しておけば、安倍首相の会見での発言が、いかに矛盾に満ちたものであるかが、分る。

この会見で、安倍首相は、「海外派兵は・・・許されないという・・・原則も全く変わりません。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加する・・・決してありません」といい、

また、「外国を守るために日本が戦争に巻き込まれる・・・そのようなこともあり得ない」とも言っています。

この発言と、PKOで、軍事作戦に参加する事との整合性は、あるのでしょうか。
とても、そうとは思えません。PKOに参加するという事は、やはり、外に出て行って、戦争をする、という事になるのです。

如何にごまかそうとも、そのことに、変りはない。

安倍首相は、今後とも、彼らは日本の国民を守るために、命を守るために活動していただけると確信をしております」と述べている。だから、つまりは、これは、「今後も戦争をしますよ」と宣言しているのと、同じことになる。

≪関連サイトの案内≫

*”ガザの死者540人超に 米大統領、即時停戦求める”=日本経済新聞
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM21H0S_R20C14A7FF8000/ 

”イスラエルとハマスの犠牲者600人 米国・・・”=CNN
これは、意図的な記事。この内、イスラエルの死者は、7人。 
 http://www.cnn.co.jp/world/35051160.html


(2014/7/18)