2014年7月9日水曜日

テレ朝newsが伝えた、東電の凍土壁工事順調のニュース、は”ミスリード”だ。

どうにも、不思議な話である。
実体が、よく見えてこない。


1) テレ朝newsが、7月9日の早朝に伝えた

東電の凍土壁の工事の事である。

『福島第一原発で、国と東京電力が汚染水対策として進めている凍土壁の建設現場が報道陣に公開されました。

 凍土壁は、地下水が原子炉建屋に流れ込むのを防ぐため、1号機から4号機の周辺に凍結管を埋め込み、地盤を凍らせる計画で、先月2日に着工しました。

原子力規制委員会では、効果や実現性に疑問の声も上がっていますが、福島第一原発の小野明所長は「実証実験で効果は確認できており、現時点で不安は感じていない」としています。

順調に作業が進めば、来年3月には凍結が始められるということです。また、新たに完成した事務棟には、汚染物質が付着しても拭き取りやすいビニール製の床が敷かれていて、今月下旬から約400人の職員が常駐する予定です』(テレ朝news 7/9)


このニュースでは、「順調に作業が進めば、来年3月には凍結が始められる」ということです、と東電の発表をそのまま流している。

これでいいのだろうか。

2)このような報道は、ミスリードだ

このブログで、昨日に、”YOMIURI Online”が伝えた記事をもとに、以下のように伝えたばかりだ。

”東京電力福島第一原子力発電所の配管用トンネルを凍結止水して汚染水を抜き取る計画に対し、原子力規制委員会は7日、「凍結管の冷凍能力を大幅に強化すべきだ」と指摘、工事方法を抜本的に見直すよう東電に指示した”

原子力規制委員会は、「工事方法を抜本的に見直すよう東電に指示」したばかりなのである。

それを、報道陣に公開する。工事の状況を見せる。

そして、報道が、無批判に、東電からの情報(東電の言うことを)をテレビで流す。

そうなれば、国民は、「そうか、東電の凍土壁の工事は上手くいっているのか」と受け取る事であろう。


            (追加の記事 7/12)

3)報道の姿勢は、全く、事故当時と変わっていない

原子力規制委員会が、「工事方法を抜本的に見直すよう東電に指示」をしたと、伝えたのは”YOMIURI Online”だけだ。

他は、大型の台風に気を取られたのか、この件を伝えていない。

もし、――そんなことは思いたくないがーーテレ朝newsが、”YOMIURI Online”に対抗する目的で、この記事の冒頭に載せたようにニュースを流したとしたら、とんでもないことである。

そのような意図ではない、と思いたい。

それにしても、東電の態度は、不誠実だ。

7日には、原子力規制委員会から、「工事方法を抜本的に見直すよう東電に指示」を受けていながら、報道陣に工事を公開する。(もちろん公開すること自体は、いいことであるが)

そして、--問題はここだーー「順調に作業が進めば、来年3月には凍結が始められる」と説明するとは。

何処をどう見せれば、どんな説明をすれば、このように報道が書くように出来るのか。
報道陣は、自分たちの目で何を見て、何処を見て、東電の話を確認をしたのか。

報道の姿勢は、全く、事故当時と変わっていないのではないか。
これでは、安倍内閣の進める、再稼働政策を後押しすることになるだけではないか。

テレ朝newsに対し、猛反省を求める。

(2014/7/9)