2014年7月10日木曜日

オーストラリアのビショップ外相に、安倍首相はどう答えたのであろうか。

本来ならば、日本人が言うべき言葉である。
外国の高官に先に言われるなど、恥ずかしい限りだ。


1) WSJが報じた、記事より

オーストラリアのビショップ外相が、安倍首相の訪問を前にして述べた。

『オーストラリアのビショップ外相は日本に対し、平和憲法の解釈を変更するという歴史的な決定について、中国を含む諸外国にもっと詳細について説明するよう求める考えを示した。
 安倍晋三首相のオーストラリア訪問を前に、インタビューで語った。ビショップ外相は日本の意図を明確に説明することが、中国の不安を和らげる上で極めて重要だと指摘。
安倍首相のオーストラリア訪問については、両国間の貿易の自由化と安全保障面での協力強化に関する最終合意を目指すものだと説明。中国が近隣諸国と反目している海域で自己主張を強めていることへの対応として日豪で中国を囲い込むような措置をとろうとするサインではないと述べた。
 外相は「日本には、中国を含む地域の諸外国に対し、正常化した国防のあり方について詳細を明らかにするよう働きかける」とした上で、「その動機を隠し立てなく明らかにし、地域のパートナーと話し合いを持ち、協議するということに行き着く」と述べた。』(WSJ 7/7)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304188504580014601453182526?mod=trending_now_1

2) 「日本の平和憲法の理念と、整合性」に、疑念を持たれている

世界の目は厳しい。
まして、オーストラアは、かっての太平洋戦争で、日本軍と文字どうり血みどろの戦いを繰り広げた相手である。

戦後70年が経過したとはいえ、まだ、その傷は、癒えてはいまい。特に「ココダ」(ポート・モレスピーの少し上の山岳地帯)  での戦いは、し烈を極めた。

辻中佐が、独断専行。大本営の命令をすり替えた。しかし、そのことが判明した後も、命令は撤回されず、戦闘は続行された。


この戦い以後、日本軍は、負けに負けることとなる。
また、戦後の東京裁判で、裁判長を務めたウエッブ氏は、オーストラリア人である。

さて、ビショップ外相が、「歴史的な決定について、中国を含む諸外国にもっと詳細について説明するよう求める」考えを示した、と記事は書く。




(← 地図の下に少しだけ見えるのが、オーストラリア)
もっともな事であろう。
われわれ日本人でさえ、はっきりとは説明されてはいない。
外国からすれば、当然であろう。

日本の平和憲法の理念と、どう整合性があるのか、問いただしたいのであろう。

3) 本来であれば、日本の国会でやるべきこと

今回の安倍首相のオーストラリア訪問について、ビショップ外相は、「両国間の貿易の自由化と安全保障面での協力強化に関する最終合意を目指す」者である、と述べたと記事は伝えている。

「両国間の貿易の自由化」に事については、それでいいであろう。
しかし、「安全保障面での協力強化」は、問題がある。

これはもう完全に集団的自衛権の行使以外の何物でもない。
日本に政府が違うと言っても、日本以外の世界では通用しまい。

だからこそ、ビショップ外相は、安倍首相に、明確な説明を求める予定である、と言っている。
中国や他の国々の疑念にも、真摯に答えるべきだと言っている。

こんなことは、本来であれば、日本の国会でやるべきことである。
国会が、安倍首相を呼びつけて、問いただすべきことである。

テレビで国民の前で説明したから、それで済むという問題ではない。
ところが、国会はそれをしようとはしない。

すこし前であれば、こんなことはなかったであろう。
それほど、今の安倍首相は、「強い」

なぜ、これほどまでに強くなっているのか。
反対を叫ぶばかりでなく、冷静なって、よく考えてみる必要がある。

(2014/7/10)