2014年7月17日木曜日

「情報保全諮問会議」が、「特保法」の運用に関する素案を提示した。

                             まず、この機関自体に、法的根拠があるのか、疑問である。
また、非公開の会議である。

1) 東京新聞が、伝えた記事より_

今日、「情報保全諮問会議」が、首相官邸で開かれ、法律の運用に関する素案を提示した。


『 政府は十七日、特定秘密保護法の年内施行に向けて、特定秘密の指定や解除の統一基準を議論する有識者会議「情報保全諮問会議」(座長・渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長)を首相官邸で開き、法律の運用に関する素案を提示した。

素案では二つの監視機関に加え、不適切運用に関する内部の通報制度を創設した。しかし監視機関に独立性はなく、政府の拡大解釈で国民の知る権利が侵される法律自体の懸念は払拭(ふっしょく)されていない。


 素案では、特定秘密の例示として潜水艦や航空機、武器・弾薬の性能、電波や衛星を活用して収集した情報、外国政府から提供された情報など五十五項目を挙げた。

「必要最小限の範囲や期間に限り指定する」と拡大解釈の禁止をうたい、秘密指定の解除で「外国政府との交渉に関する情報は、交渉が終了した時に指定解除」など具体例を挙げて実行を求めた。しかし、指定や解除は行政機関の恣意(しい)的判断の余地が残る。』(東京新聞 7/17)

「情報保全諮問会議」は、有識者会議であり、法的根拠はない。
はっきりと、安倍首相の私的諮問機関と書くべきである。

安倍首相に助言する機関であることを、はっきりとさせておくべきである。

2) ドロボウに、法律を作らせるようなもの




二つの監視機関と内部の通報制度を創設下、とあるが、どちらも、大した機能を、果たさないであろう。

これは、原子力規制委員会の状況を見ても良く解る。

昨日、このブログで書いたように、原子力規制委員会は、_構成する委員が、政府の「言いなり」になる委員と、入れ替えられたことで_、もはや中立でも、公正でもない機関になり果てた。

任命権が、政府にある以上は、こうなることは避けられない。

特定秘密保護法についても、いかなる監視機関が出来ようとも、政府部内におかれ、政府に任命権が与えられている以上は、政府の意向に逆らえるわけがない。

たとえは悪いが、「ドロボウに、法律を作らせるようなもの」である。
まともなものが出来る訳がない。

3) 「内部の通報制度」など、愚の骨頂

まして、「内部の通報制度」など、愚の骨頂である。
だいいち、情報が出ないようにするのが、特定秘密保護法であろう。

そんな簡単に、情報が出るようなら、特定秘密保護法を制定する意味がない。
まして、特定秘密保護法に違反すれば、「10年の刑務所」行だ。

そんな「危ない橋」を、誰が渡る。
誰が、いつどこで、どういう判断にもとで、「特定秘密」と指定するのか、はっきりしていないのだ。

今の省庁の縦割りの状態では、_「縄張り争い」があるから_ほかの部署がどういう秘密を「特定秘密」に指定しているかを、知ることは出来まい。

もし、その「特定秘密」に抵触すれば、アウトだろう。
そんなことが出来る道理がない。
それこそ、「絵に描いた餅」だ。

4) 単なる「お飾りの機関」に終わるであろう

この事は、次の記事を見れば、良く解る。

監視機関は、各省庁の次官級による「内閣保全監視委員会」を内閣官に置き、審議官級による「独立公文書管理監」とその事務を支える「情報保全監察室」を内閣府に設置する。

だがいずれも官僚組織に変わりはない。両組織とも法律の運用が不適切と判断すれば、関係省庁の大臣らに資料提出や説明、是正を要求できるが強制権限もない。・・・

諮問会議は一月に発足し、今回は二回目。政府は会合の合間に各委員から個別に意見を聞き、素案に反映させた。政府は素案のパブリックコメントを一カ月間実施し、秋に閣議決定する方針。』(同上)

これでは、「情報保全諮問会議」と同じように、単なる「お飾りの機関」に終わるだけの事であろう。

(2014/7/17)