2014年7月12日土曜日

元三重県職員が、集団的自衛権行使容認の閣議決定の無効を求め、訴訟。

勇気ある行動だ。
応援したい。
元三重県職員の珍道世直(ちんどうときなお)さんが、十一日、閣議決定の無効確認などを求め、訴訟を起こした。


1) 東京新聞の記事より

『集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定は憲法違反だとして、元三重県職員の珍道世直(ちんどうときなお)さん(75)=津市=が十一日、閣議決定の無効確認などを求める訴訟を東京地裁に起こした。

今回の閣議決定をめぐる提訴は初めてとみられる。
 提訴後、珍道さんは「閣議決定は憲法九条と明らかに矛盾する。戦争放棄は日本の国是だ」と語った。

幼少時に空襲に遭った体験から「戦争は絶対にしてはいけない」という思いが強く、閣議決定後の安倍晋三首相の記者会見を見て「戦争に進むか、平和を守るかの岐路に立たされる」と感じたという。

当面は弁護士を立てず、本人訴訟で争う。


 訴状では「改憲の手続きは憲法に明記されているのに、国の根幹に関わる大転換を与党内の協議で合意したとして閣議決定したのは憲法をないがしろにする行為だ」と主張している。』(東京新聞 7/11)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014071102000261.html

2) 裁判所は、憲法の番人として、正面から受け止めてるべき

色々と複雑な議論があろう。
だが、この際、裁判所は、憲法の番人として、正面から受け止めてるべきであろう。
 
たとえ、明白な権利の侵害が、現実に起こっていなくとも、それが起こる可能性は、十二分に認められれる。

相であれば、まず、そのことについて、しっかりと、審査してもらいたい。その上で、違憲か合憲かの判断を下してもらいたい。

これまでのような、「逃げ腰」の判断をするようなことがあってはならない、と思う。
もし、そのような事をすれば、それはもう、裁判所は、独立した機関ではなく、内閣に付属する機関と同じことになってしまう。

そこのところを、よくよく考えて、貰いたい。

3) 若い世代のための代理法廷

マスコミは、この件について、及び腰にならずに、正確で、迅速な報道をしてもらいたい。大方の国民が、注視するであろう。

だが、いちいち法廷に足を運べ事は出来ない。
運んだとしても、法廷内に入ることが出来るのは、限られた人数だ。

是非とも、きめ細かい、報道を期待する。
いまこそ、権力の番人としての、本領を発揮する秋(とき)である。
手綱をしっかりと引き締めて、事にあたってもらいたい。

珍道氏が述べておられるように、事は、日本の将来に関わる。
特に、若い世代の将来に関わる。

傷つき、血を流し、死んでいくのは、彼らである。
傷つけ、血を流させ、殺すのは、彼らである。

ところが、彼らには、権利を主張する事が認められていない。
これは、だから、彼らの代理法廷ともいえる。

裁判所も、マスコミも、そのことをよく認識するべきである。

(2014/7/12)