2014年7月23日水曜日

LS:現代日本教育考(2) 京都市教委は、「無免許」教師の問題で調査せず、と発表。

これで、世の中に通用するのであろうか。
これでは、「教師は、世間知らず」であると言われても仕方がない。
1) 京都新聞が、伝えた記事より_
京都市立中学校で、「無免許」教員が、計14年教えていた疑いがある問題で、市教育委員会は、積極的には調査していない、述べた。
『京都市立中学校で、教員免許がないのに、男性(45)が計14年教えていた疑いがある問題で、男性の死亡から4カ月が過ぎたが、市教育委員会は「卒業生に影響はない」として積極的には調査していない。
教員免許制度は学校制度の根幹をなす。識者からは「授業を受けた生徒、保護者への説明責任がある」として調査しないことに疑問の声が上がっている。
 「過去に生徒が受けた授業が無効になることはない。たとえ免許がなくても、きちんとした授業をしていた。男性は亡くなっており、これ以上影響が広がることはない」「本当に無免許なら先生を尊敬していた生徒が傷つく」。市教委は調査しない理由をこう説明した。
 市教委は男性が死亡した当初から、勤務先の中学校や家庭などで目立ったトラブルはないため、「無免許の発覚を恐れた可能性がある」と認識していた。・・・
全国の情報が登録されている「教員免許管理システム」を使えば、男性が免許状を持っているかどうか分かるが、市教委はしていない。・・・

「・・・真実に近づける行政の役目はあるが、個人情報保護の観点と比べて、そこまで追求する公益性がない」という。関東地方の教委の担当者は「疑いがあるなら京都市教委自ら免許の有無を証明すべきことだ」と話す。・・・



教員免許がないのに先生として長年教えていたケースが全国で相次いで発覚している。教員の指導力不足をなくす目的で導入された教員免許更新制が、無免許者をあぶり出す想定外の形だ。』(京都新聞 7/19)
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140719000034

2) 市教育委員会が、「調査しない理由」

京都新聞の取材に対して、市教育委員会が、「調査しない理由」と説明した事を、まとめてみる。4点ある。

① 生徒が受けた授業が無効になることはない。
② 免許がなくても、きちんとした授業をしていた。
③ 本人が亡くなっているので、これ以上影響が広がることはない。
④ 本当に無免許なら、先生を尊敬していた生徒が傷つくことになる。

3) どれも、理由にはならない、理由である

どれも、_全て調査をしないことの_理由にはならない、理由である。こんなことが通用するようなら、教育免許は必要ない、という事になる。大学で、教育課程による、専門的な教育も必要なくなる。

特に、②の理由は最低である。これなら、誰が教壇に立っても良いことになる。
「きちん」とした授業さえしておれば、「無免許」でも、OKになる。そんなバカの事が、許されると、本気で、思っているのか。

④も、最悪の選択だ。
むしろ、はっきりとさせて、まず、「無免許」教師の「授業を受けた」生徒と、保護者に謝罪すべきである。このまま何もせずに、_「臭いものにふた」をして済ませてしまう事の方が_放置する事の方が、よほど傷つくであろう。

こんなことをしても、決して、生徒のためにはならない。

①も、本当にそうなるのか、疑問だ。これが、もし、自動車の教習所」の教官であったら、どうなる。それでも、公安委員会が、了解してくれるか。そんなことは、なかろう。そんなことを言い出せば、全てのシステムが破壊されてしまう。

常識で考えれば、分ることである。そんなことも分らないから、「教師は、世間知らず」である、と揶揄されることになる。「常識がない」と言われる。

③も、問題がある。そのことは、この記事が、証明している。具体例を示している。
大阪府教委。
横浜市教委。
金沢市。(これは、私立なので、例外か)

少なくとも。これだけの「無免許」教師の例を挙げている。
影響がないどころの話ではない。

4) 早急に、市教育委員会は、実態調査を実際すべき

それにしても、これが、児童や生徒を導き、教育をするべき立場にあるものの、言う言葉であろうか。
開いた口が、塞がらない。

識者でなくとも、疑問を持って当然である。
むしろ、持たない方がどうかしている、と言うべきである。

「卒業生に影響はない」と言う判断もおかしいが、それで問題が片付く、と考える市教育委員会には、驚くばかりである。

現在、学校に投稿させている保護者にすれば、気が気ではなかろう。市教育委員会がこのような態度では、察するに余りある。
早急に、市教育委員会は、実態調査を実際すべきである。

繰り返しになるが、これは、京都市に限らない。
この記事が、それらに例を挙げている。

思っていた以上に、根が深く、全国的な規模での問題であるように思えてきた。

5) 教育委員会とは、その組織構成

教育委員会のその組織構成は、以下のようになっている。(全国都道府県教育委員会連合会のサイトより)


実際に事務を行っているのは、事務局である。その中の事務長が、中心になって、事務を執り行っている。

その下に、指導主事がいる。これらに人々は、元教員であるか、現職の教員だ。

教育委員会の委員は、非常勤の特別公務員と言う立場である。
どれくらいの頻度で、会議を持っているのかは、知らないが、たまに顔を出す程度であろう。

要するに、ここも「たこつぼ」と同じ構造になっている、と見る事が出来るであろう。身内同士でかばい合いをしている。

イジメなどが、なかなか根絶できないのは、ここにも、原因がある、と思う。


6) 大手マスコミの反応は、鈍い

ところで、この情報は、大手のマスコミからは、ほとんど、無視されている。
大手マスコミの反応は、鈍い。どうも、わざと、無視しているように思える。案外、実態をつかんでいるのかもしれない、とさえ思えるぐらいである。

徹底した調査が必要であろう。

(2014/7/23)