2014年7月16日水曜日

続報:東電の、8月のがれき撤去時に、4兆ベクレルが飛散した。

東電のガレキ処理作業での、続報。
事の深刻さを理解していないことが、また、暴露された。



1) 毎日新聞が伝えた記事より

東電の、8月のがれき撤去時に、4兆ベクレルが飛散した、ということです。

『東京電力福島第1原発で昨年8月のがれき撤去時に放射性物質が飛散し、20キロ以上離れた福島県南相馬市の水田を汚染した可能性がある問題で、東電は14日、同原発からの放射性セシウムの総放出量を最大4兆ベクレルと試算していたことを明らかにした。

しかし「かなり大づかみな計算」として公表せず、市にも伝えていなかった。

 東電によると、敷地内や同県双葉、浪江町のモニタリングポストで実測した空間放射線量の上昇度合い、気象データを基に放出量を試算。
がれき撤去で放出されたのは1時間当たり1000億〜1兆ベクレルで、放出時間は計4時間と推定した。4兆ベクレルは、事故後の福島第1原発から1日に放出される放射性セシウムの1万倍以上に上る。



南相馬市には、セシウムが最大で1平方センチ当たり0・04ベクレルが沈着したと見積もった。

東電は「極めて微量な放射性物質が南相馬まで到達した可能性は否定できない」と説明しつつも、同市のコメから基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えるセシウムが検出されたこととの因果関係については「事故直後の放射性物質によるものかもしれず、断定できない」としている。』(毎日新聞 7/14)
http://mainichi.jp/select/news/20140715k0000m040129000c.html

この、4兆ベクレルと言う数字は、「敷地内や同県双葉、浪江町のモニタリングポストで実測した空間放射線量の上昇度合い、気象データ」を考慮して算出されたものである、とのこと。

2) この算出方法に問題はないのであろうか。

果たして、この算出方法に問題はないのであろうか。
空間放射線量の上昇度合いや、気象データからの算出で、正確な数値が出せるのであろうか。

このような大まかなデーターからの算出では、到底、正確な数値は出せない、と思う。
そのような事は、専門家でなくとも、分ることである。

このようなデータをもとにしては、飛散した具体的な量を、計ることなどできない。
飛散したのは、事故現場にあったガレキからの、放射性物質である。
高濃度のはずだ。

特に、セシウム、ストロンチウムなどは、半減期が長いのであるから、当然高濃度のはずだ。そんなものを、点在する、モニタリングポストからの数値をもとにして、算出するなどしても、意味がない。

3) 日本の司法組織は、「死んだ」も同然

これは、汚染水を、海へ放出する、という発想と同じ構図だ。
薄めれば問題がない、と思っている。

しかし、実際に飛散したのは、放射性物質である。
この飛散した放射性物質が、_その時だけではなく_今後、ずっと、放射線を出し続けるのだ。

ドンドン、蓄積され続ける。
何処に移ろうとも、それは変わらない。

東電の事故電場に置いたままであれば、まだ、ましであった。
それを、事故現場から、外に出してしまった。

東電の責任は、重い。
二重、三重の過失である。

これでも、まだ、日本の司法組織は、動こうとはしないのであろうか。
そうであるなら、もう、日本の司法組織は、「死んだ」も同然である。

(2014/7/16)