2014年7月26日土曜日

LS:新城市議会の不適切発言。議員の「ブログ、ツイート」を制限するルールを作り。

これで驚かないないとしたら、どんなことで驚けばいいのだろうか。
イスから転げ落ちるぐらいの事である。

1) 政策工房 の記事より_
新城市議会の、「穴あき」コンドーム発言の、その後の顛末の事である。「悲劇」の後に、「喜劇」が演じられた。

『地方議員の不祥事にうんざりしている国民は多い。不適切野次に始まり、号泣記者会見、危険ドラッグの常用と、連日にわたって信じがたい問題行為が報道されている。「地方議会などそんなものだ」と達観していた私だが、さすがにこのニュースには驚いた。』
『 「不適切発言、指摘の議員に矛先」――。中日新聞が24日付朝刊に掲載したこの記事は、愛知県新城(しんしろ)市議が、議会で「穴の開いたコンドームを配っては」と発言した問題の続報。市議会が23日に全員協議会を開き、対応を巡って協議したというものだ。
 批判を受けて当該議員が謝罪、不適切発言を慎むよう申し合わせて終わらせるというのが普通の流れだろう。しかし、新城市議会は違った。問題発言をブログで取り上げた別の市議を問題視。議員の情報発信を制限するルールを作ると決めた、というのだ。
 ところが23日の協議会では、ある市議が「議会で問題提起する前に、自らの主観を表に出すのはいかがなものか」とか「個人名を挙げるなら相手に通告するなど配慮すべきだ」と批判。他の市議も同調し、ブログやツイッターなどで発信する際のルールを設けることを賛成多数で決めた。』(政策工房 7/15)
http://seisaku-koubou.blog.jp/archives/%E8%AD%B0%E5%93%A1%E5%95%8F%E9%A1%8C%E7%99%BA%E8%A8%80%E3%81%AB%E3%80%81%E8%AD%B0%E4%BC%9A%E3%81%8C%E9%A9%9A%E3%81%8D%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%BF%9C.html

「中央政治が乱れてくると、地方政治も乱れてくる」、という見本のような事件だ。もっとも、これが地方議会の実態である、などと言えば、大反発を受ける事であろう。

2) 憲政史上に刻まれてよい事

私もそう思いたい。安倍政権の集団的自衛権の閣議決定については、多くの議会が、正常な判断を示した。それは、国会の判断を超えるものであった。

高い見識を示した。
この事は、憲政史上に刻まれてよい事である。
立派な業績である。

それを今回の事件は、「打ち消して」しまった。
残念だ。残念という言い方は、適切ではない。

むしろ、怒りを感じる。
一人の発言が、日本における地方議会の権威を貶めてしまった。
それだけではない。

3) これぐらい「恐ろしい」決議が、他にあるか

その一人の発言を糾弾した議員が、今度は議会から糾弾を受けた。そして、議会は、「世にも恐ろしい」決議をした。
これぐらい恐ろしい決議が、他にあるであろうか。これは、そのあたりの「町内会」での出来事ではない。「町内会」においてさえ、こんな決議が出されたら、大騒ぎになるであろう。

その顛末は、「政策工房」に記事の通りである。
結果起きたことが、「議員の情報発信を制限するルールを作ると決めた」ということだ。議員の「ブログ、ツイート」を制限するというのだ。

もうこれは、「天と地がひっくり返った」と同じことだ。
_「言論の自由」が、何よりも尊重されなければならない_その議会において、_その議会を構成する_議員の言論を封じるとは。

言語道断である。
「新城市議会は、顔を洗って出直せ」と、_こう言って済む問題ではないが_そう言いたい。

4) 議会は真剣に向き合うべき

「政策工房」の述べる事も、もっともだ。

「首長はともかく、議員が自らの主観を表明することの何が悪いというのか。議会の前に自らの考えを説明し、質問に市民の声を反映させるのは議員の重要な職務である。公人である議員を批判するのに、事前通告しろというのもおかしな話だ。もしそれが事実ならば、首相官邸や民主党本部はパニック状態に陥るに違いない。
 そもそも問題となった発言は批判されて当然である。穴開きコンドームの配布が本気で少子化対策になると考えたのならば、明らかに議員としての資質に欠ける。厳正な本会議で受け狙いの冗談を言ったのならば議会人としての品位、人間としての品格が疑われる。
 議員辞職という類いの話ではないにせよ、市民の批判にどう応えるか、議会は真剣に向き合うべきだ。問題の焦点をすり替え、発言を明らかにした議員を糾弾している場合ではない。ましてや議会の透明化を逆行させるべきではない。」(同上)

5)「言論の自由」に関する出来事

ところで、大手マスコミは、_「穴あき」コンドーム発言については報じたが_新庄市議会のこの決定を、報じてはいない。

これはどうした事か。
不思議である。

この事が「ニュースでないなら」、他にどんなことが、「ニュースになる」。不見識も甚だしい。

これは、「地方の一議会の問題である」として、見逃しに出来る話ではないのである。

「言論の自由」に関する出来事なのだ。
看過できることでは、ないのである。

この情報を報道しなかった、マスコミ各社は、猛省をすべきである。

(2014/7/26)