2014年7月13日日曜日

タイ王国の軍事クーデターのその後。言論の自由が奪われた。

こちらは、本物。
日本の、2.26事件と比較すると、「穏やかな」ものではある。 
 

1) 「グローバル·ボイス」が伝えた記事より_

それは、タイにおける、軍事クーデターの話である。

『5   20   日にタイ陸軍プラユット・チャンオチャ司令官が戒厳令を布告した時、メディア関係者はすぐにそれを感じた。戒厳令により、軍に否定な報道はもう一切許されなくなった。

たとえそれが株式市場の下落傾向であっても。   2014   5   22   日には完全に支配権を握り、自分たちを「国家平和秩序評議会NCPO   )」と名乗った。

先週(訳注:原文公開日は2014 5 31 日)のクーデター後、全ての無料チャンネルで映像が消え、通常番組のかわりに愛国歌ばかりが繰り返し流されていた。数日の間は、軍用TV チャンネルだけがニュースを流すことを許可された。

もちろんクーデターに肯定的なニュースばかりだが。評議会の命令により、通常のメディアもネット上のメディアも、軍の批判は一切禁じられ、「国家の調和や社会の秩序に有害」になりうるコンテンツをシェアすることも禁じられた。インターネット接続業者にはNCPO への通報義務が課せられた』(Globalvoice 7月10日

これが、タイ王国の軍事クーデターの実態である。

2) 1932年の以来、19回目の軍事クデター

         (youtubeより)

タイの王国の民衆にとっては、もう、「慣れっこ」であるのかもしれない。
これで、1932年の以来、19回目の軍事クデターである。

日本のマスコミは、ウクライナ、イラク、、シリア、アフガン、イスラエルなどに目が行って、タイについては、あまり関心が行かないようである。


クーデターの当日に、ロイター電は、次のように伝えた。
タイのプラユット陸軍総司令官は22日、政府機能の全権を軍が掌握したと明らかにし、クーデターを宣言した。政治改革を推進し、秩序を回復させるという。
テレビ放送で司令官は「迅速に平時の状況を回復して社会を平穏に戻すとともに、政治・経済・社会構造を改革するため、軍が全権を掌握する必要がある」と宣言した。外交には影響しないとしている。


タイ軍は全土に午後10時から翌朝午前5時までの夜間外出禁止令を発令したhttp://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0O832G20140522
3) 関心は、メディアの統制にある

この記事で、取り上げたのは、軍事クデターの実態を伝えることが目的ではない。軍事クデターの結果、何が起きたかを検証する事が目的である。

関心は、メディアの統制にある。
このブログの冒頭に載せた記事も、それを示すためのものだ。

記事の全体は長い。だから、かいつまんで、示す。

4) 表現の自由がいかに重要であるか。

       ***
今、タイでは表現の自由が危機に瀕している
     ↓
全てが検閲されているように感じる
     ↓
評議会を批判すれば、軍事法廷行になる
     ↓
メディアが機能をしないので、デマが蔓延している
     ↓
ネット上でも、混乱が起きている
     ↓
それは、自己検閲につながる危険がある
     ↓
自己検閲は、自分自身の知り合いの間でも起こる
     ↓
いま許されているのは、自分自身と花を撮影することだけである
 
      ***

表現の自由がいかに重要であるか。
それが規制されるとどうなるか。

これが、その証明である。

5) 日本の国でのことである

実は、これは、タイでの話ではない。
では、何処の国の話か。

もちろん、日本の国でのことである。
これからやって来る、日本の社会での話である。

これこそが、この物語の「怖い」ところ。
そうでなければ、単なる「対岸の火事」に過ぎない。

そして、これが、現実になるかどうかは、これからの踏ん張りにかかっている。

(2014/7/13)