わずか2日間の「花火」であった。
だが、これで、禊(みそぎ)が済んだわけではない。
だが、これで、禊(みそぎ)が済んだわけではない。
「集団的自衛権行使の閣議決定」についての、衆参両院予算委員会での審議のことである。さすがに、 北海道新聞は、切り口が鋭い。
『毅然(きぜん)と反対を唱えるべきだ。
集団的自衛権行使の閣議決定をめぐる衆参両院予算委員会の論戦で、野党の追及は不十分だった。安倍晋三首相ら政府側の答弁の矛盾点を突き崩せなかった。
歯止めなき憲法の解釈変更を許してはいけない。野党間の一致点も明らかになってきた。結束して政府にブレーキをかけるのが野党の役割と心得てもらいたい。
民主党の海江田万里代表は国民の理解を後回しにして閣議決定した首相の姿勢を追及した。閣議決定直後から「撤回」を求める姿勢で臨んできた。
これに対し岡田克也元代表が求めたのは、新たな武力行使の3要件の「見直し」で、微妙な違いを見せた。集団的自衛権行使への賛否が対立する党内事情が現れた。これでは足元を見透かされる。
政府側の答弁は矛盾だらけで、攻めどころには困らないはずだ。
首相が可能と主張したホルムズ海峡での戦闘中の機雷除去や、国連決議に基づく集団安全保障について、公明党は認められないとの立場を取ってきた。連立政権内の不一致を厳しく指摘すべきだ。』(北海道新聞 7/16)http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/551453.html
2) 野党に役目を果たすべく、努力を促した
ここまでは、前段である。
「政府側の答弁は矛盾だらけで、攻めどころには困らない」はずなのに、追及が甘く、安倍首相らに、「逃げ」きられてしまった、と書く。
特に、民主党の、二人の代表(一人は元)が、_党内の結束が不十分である結果_微妙な違いを見せたことへの反省を求めている。
一方で、「野党間の一致点も明らかになってきた。結束して政府にブレーキを」かけるべく、_野党の役目として_最大限の努力をするよう促している。
3) 各党が追究した点は何か
以下の後段は、各党が追究した点を、まとめたものだ。
『 質疑を続ける中で、各野党の主張もはっきりしてきた。
日本維新の会の松野頼久国会議員団代表は「海外での武力行使は派兵であり、専守防衛ではない」と政府を批判した。
結いの党の柿沢未途政調会長は政府が示した集団的自衛権が必要になる事例について「個別的自衛権で対応可能」とした。
民主、維新、結いの3党は閣議決定のあり方に反対の立場で共通する部分がある。「新3要件は認めない」「海外で武力行使はしない」などで一致し、政府・与党に対抗することは可能だ。
みんなの党、次世代の党は賛成、共産党と生活の党は反対と、立場の違いはある。しかし、政府主導の拙速な流れを食い止め、熟議を求める方向で協力できる。』
4) 野党が協力出来る、一致点とは
この中で、特に、松野頼久国会議員廼、海外での武力行使は、派遣ではなく「派兵」であるという指摘は、的確である。
これまでは、_派兵であることが明らかであるのに_誰も指摘して来なかったことだ。その点からも、鋭い追及だ。
結いの党の「個別的自衛権で対応可能」と言う指摘も、当然の事であり、何度も言われ続けてきたことでもある。
ここでは、野党に対し、_賛成、反対、それどれ立場に違いがあっても_、協力出来るところがある、と主張する。
それは、「政府主導の拙速な流れを食い止め、熟議を求める方向」だ、と分析している。
5) 一線を画すべく努力した後が分る
そして、まとめとして、以下のように述べる。
「安倍政権への疑念は国内各地に広がっている。
滋賀県知事選で元民主党衆院議員が自公両与党推薦の元官僚を破ったのは、有権者の多くが閣議決定に疑問を抱いたことが影響した。首相もこの点は認めている。
野党は地方ほど反発が強い実態に目を向け、国政の場に反映する責任を肝に銘じてほしい。滋賀県で示された民意を追い風に、攻勢を強める好機ととらえたい。
疑問点は数多い。閉会中も国会での審議をさらに重ね、政府の姿勢をただしていくことが肝心だ。」
もう、完璧、かつ、秀抜である。
大手のマスコミが、安倍首相などの答弁の矛盾点や、不十分さや、閣議決定の拙速性などを批判する中において、それとは、一線を画すべく努力した後がよく見える社説である。
(2014/7/17)