2014年7月11日金曜日

ドイツで昨年の電話盗聴に引き続いて、また、スパイ活動が摘発か。

昨年の電話盗聴に引き続いて、また、スパイ活動が摘発されそうである。
ドイツでのことだ。
ドイツ連邦検察庁が、スパイ活動をしていた容疑で、ドイツの政府職員を捜査している。


1) WSJが伝えた、記事より

『メルケル独首相は、米国が望みうる最も親米的な欧州指導者である。だが、米国のスパイ活動をめぐって拡大する一方の騒ぎのせいで、同首相の親米的な姿勢は国内で重荷になり始めている。
 ドイツ連邦検察庁が米国のためにスパイ活動をしていた容疑で同国政府職員を捜査していることが9日明らかになった。米国のスパイ活動が発覚したのは、過去1週間に2度目のことで、米当局と緊密に連携を取っているとしていたドイツ政府は守勢に立たされた。

ドイツのメディアは直ぐに米国に批判を浴びせ、独外務省高官は再び駐独米国大使を呼んでスパイ容疑事件について説明を求めた。米独関係は、昨年メルケル首相の携帯電話の盗聴など米国による監視活動が発覚して以降で最悪になる恐れが出てきた。
米独関係は、昨年エドワード・スノーデン元米国家安全保障局(NSA)契約職員がNSAによるドイツの通信傍受を暴露したことから緊張が生まれ、メルケル首相の電話盗聴が明らかになると一段と悪化した』(WSJ 7/10)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303379504580020231170993568?mod=%E5%9B%BD%E9%9A%9B_newsreel_1

2) メルケル首相を、反米へと向かわせることになる可能性がある

WSJの記事によると、「メルケル独首相は、米国が望みうる最も親米的な欧州指導者」なのだそうである。

そのような指導者を、窮地に陥れるようなことをするとは、信じられない。
一体何が目的なのであろうか。

それでは、この記事が書くように、メルケル首相を、反米へと向かわせることになるだけではないのか。
その結果、再び、米国とドイツが対立することになれば、大変な事である。

「敵の敵は味方」という考えからすれば、ドイツは、新ロシアへと舵を切ることになりはしないか。
ドイツとロシアは複雑な過去を持つ。

3) ”ラッパロ協定”が双方を強大な軍隊に変えた


”ラッパロ協定”というものがある。
1922年に結ばれた、ドイツと旧ソ連との間
の協定である。

この協定により、ドイツと旧ソ連は、お互いの
弱点を補強した。
双方にとっては、願ってもない、
有益な協定となった。

 この協定に基づいて、旧ソ連時代に、
ソ連軍の軍事指導をしたのは、ドイツ軍の将校である。
これによって、旧ソ連軍は、ーポンコツ組織から抜け出てー、
近代的な軍隊へと脱皮することが出来た。

と同時に、旧ソ連軍は、ー当時、軍事力を制限されていたドイツ軍に
武器の提供をし、兵士の訓練の場を提供した。

この双方が、やがて、戦うこととなる。
歴史の皮肉か。

その第二次世界大戦で、両国が、どのような戦いを繰り広げたのかは、誰でもが知っていることだ。
レニングラードでの踏ん張りがなければ、旧ソ連はどうなっていたか、分らない。

結果、レニングラードで負けていれば、ドイツが「勝利する」ことになっていたであろう。

4) 「始まり」は、ほんの小さな出来事から起こる

「この度」は、日本は、米国と組んでいる。
よもや、「第3次世界大戦の勃発」というような事態にはならないことを、願いたいが、ウクライナ情勢を考えると暢気に構えてはおれない。

米国は、自身の置かれた「大国」としての立場をよく考える事が、必要である。
そして、度を越した行いは、やがては自分の身に降りかかって来ることを、よく自覚すべきである。

(2014/711)