そうでなければ、わざわざ受け入れる理由がない。
それとも、他には、有用な技術者が勤務していないのか。
東北電力に、宮城県の原子力行政を担当した技術職トップのOBが、天下りしていた。
1) 河北新報 が報じた記事より_
『宮城県の原子力行政を担当した技術職トップのOBが、福島第1原発事故後に東北電力に再就職していたことが25日、分かった。慣例に従ったとみられる。県は東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の可否判断に深く関わるだけに、中立性や公正性の点で疑問の声も出そうだ。
県は「一定のルールに基づき、経験を生かせる人材を紹介している。再就職が行政判断に影響することはない」と説明。「内規に基づき、退職後2年以内の人は紹介していない」と話す。
県によると、OBは東日本大震災から間もない2011年4月、東北電力電源立地部に再就職した。原子力安全対策課を所管する県環境生活部次長で退職し、再就職直前までの2年間は県公害衛生検査センターに務めていた。
関係者の話では、東北電での肩書は電源立地部調査役。年収600万円で退職金はないという。
環境生活部幹部が東北電に再就職するケースは1989年に始まり、震災前7人、震災後1人の計8人。ほとんどが県庁で原子力安全対策室長や原子力センター所長などを経験している。
東北電力への再就職の状況は表の通り。県環境生活部の技術職トップが代々引き継いでおり、慣例化している様子がうかがえる。原発事故後に一部県幹部から再就職を辞退するよう提案されたが、中断されなかったという。
東北電力は「当社事業を円滑に推進していく上で、専門分野に見識のある人の助言が必要と考え、採用している」とコメントしている。
電力会社が原発を再稼働させるためには、原子力規制委員会の審査に合格した後、「(立地県などを想定した)地元の同意」を得る必要がある。
宮城県も安全性を検討する独自組織の設置方針を固めており、従来の立地自治体と電力会社の関係は変化している。
女川原発では、2号機について規制委による審査が行われている。」
(河北新報 7/26)
本当に、_頼りになる技術者がいない_そんな会社なら、危なくて、とてもではないが、危険な原発を任せておく事など、出来はしない。
2) 宮城県の住民は、県の説明が、「ウソ」と思うであろう
宮城県の「一定のルールに基づき、経験を生かせる人材を紹介している。再就職が行政判断に影響することはない」と言う説明が、その通りであると信じる住民は、多くはあるまい。
本当は、原発再稼働への布石であり、再稼働をやり易くするためであろう。
だから、たいての住民は、県の説明が、「ウソ」であると思うであろう。
県の原発行政の「技術職トップ」を務めた人物なら、他にいくらでも、再就職先は、見つかる事であろう。
それを、県が「推薦した」のである。何か、「魂胆」がある、と思われても当然のことだ。それを、いくら「何も、他意は、ございません」と言い訳をした所で、無駄である。
この記事が「再稼働判断中立性に疑義」と書くのも、無理がない。この記事は、控えめに表現しているが、「疑義」どころの話ではなかろう。
3) 言葉より、事実の方が、事態の真相を、証明する
ここには、載せないが、河北新報は、これまでの「天下り」の表を、載せている。是非、ご覧いただきたい。
何でもそうだと思うのだが、言葉より、事実の方が、事態の真相を、よく証明していると思う。我々は、言葉に騙されずに、行動をよく注視して、判断する必要がある。
その意味では、この表が示すことが、真実であろう。県の説明は、「あてには出来ない」
「原発事故後に一部県幹部から再就職を辞退するよう提案されたが、中断されなかった」と言う事実も、そのことを裏書きしている。
宮城県は、再就職を斡旋するの出れば、よくよく考えてすべきである。
(2014/7/26)