2014年7月10日木曜日

安倍首相は豪で何を約束したのか、率直に、日本国民に話すべきだ。

まるで、「ほとぼりが冷める」のを、待つかのような行動である。
あるいは、今度の事での疲れを取るためか。
安倍首相が、相変わらず、世界を飛び回っている。
今度に行先は、オーストラリアである。


1) WSJが伝えた記事より
日本の安倍晋三首相は、攻撃に直面した同盟国を助けに行く上で軍にもっと柔軟性を与えるために戦後憲法の解釈を変更してから初の外国訪問で、日本は平和主義の伝統を引き続き守ると明言した。・・・
・・・両国は防衛技術を共有する協定で合意。ここでは日本がオーストラリア海軍向けの新しい潜水艦の開発で重要な役割を果たす可能性がある。このプロジェクトの費用は300億豪ドル以上だ。
 オーストラリアはまた、日本のそうりゅう型ステルス潜水艦の購入も検討している。この潜水艦は非原潜では世界最大で、最大2週間潜行できる技術を備えている。そうりゅう型潜水艦は中国の海洋進出への抑止力となる可能性があり、日本は既に米国、英国との間で似たような技術共有の協定を結んでいる。
・・・しかし、中国の急速な台頭とその不透明な意味合いを背景に、両国の安保面での同盟関係はより複雑化しており、日本の自衛隊によるオーストラリアでの演習が増加し、両国は同地域の米軍とより深く統合していくと見られる。
 防衛装備協定によって、この3カ国はオーストラリア北部で定期的に演習を行う可能性がある。米国は既にここに毎年最大2500人の海兵隊を送り、米艦艇や潜水艦、航空機がオーストラリアに立ち寄る回数も増やす計画だ。・・・
ジョンソン国防相は安倍首相の演説のあとに議会で、日本との協定によって「より進化した3国演習」に道が開けるだろうと述べた。同国防相は「この3国関係は地域の安定したプレゼンスを提供し、これが信頼を醸成し、この地域の行の自由海上安保を高める」と語った。この発言は異例なほどに率直であり、中国の懸念を引き起こす可能性もある』(WSJ 7/9)
① 両国は防衛技術を共有する協定で合意。
② オーストラリアは、日本のそうりゅう型ステルス潜水艦の購入も検討中

③ 日本は米国、英国との間で似たような技術共有の協定を結んでいる
④ 日本の自衛隊による豪での演習が増加し、日豪と米軍とも深く統合される

⑤ 3カ国(日豪米)はオーストラリア北部で定期的に演習を行う可能性がある。
⑥ 3国関係は、信頼を醸成し、この地域の行の自由海上安保を高める



だから、以上の事を、安倍首相は、今回のオーストラリアでの訪問で約束をした、とらえることが、できよう。
まさしく、集団的自衛権の行使の約束を取り結んだ、ということである。

それ以外には考えようがない。
果たして、安倍首相は、帰国後に、日本の国民に対してどう説明するのであろうか。これでも、オーストラリアと集団的的自衛権の取り決めをした訳ではない、と説明するつもりなのであろうか。

それとも、何も説明をしないつもりなのであろうか。
もし、そうであるとしたら、重大な事である。

3) 安倍首相が「法の支配」を持ち出すなんて

また、安倍首相は、キャンベラの連邦議会で、次のように語った、と記事は伝える。

「われわれは日本を、法の支配を支持する国際秩序を構築するために努力する国にしたい」「われわれの望みは、地域を含めた世界の平和に積極的に寄与できる日本にすることだ」

本当であろうか。
とてものこと、信じることが出来ない。
よりにもよって、安倍首相が「法の支配」を持ち出すなんて。笑止である。

これほどの矛盾に満ちた「明言」を、世界の人々が見抜かないとでも、考えているのであろうか。
もしそうだとしたら、「おめでたい」ことである。

日本以外の先進国は、法の支配が貫徹している。
契約書を書いたら、その中に、「問題が起きた時は、両者では話し合う」というような文言は、入れない。

何故なら、契約に違反したときに、双方が、「どういう責任をとるか」を書き込むのが、契約書であるからだ。
だから、まず、全てを明らかにすることを前提とする。

だから、WSJの記事が「この発言は異例なほどに率直」である、と書いている。
安倍首相も、オーストラリアで、何を約束して来たのかを、率直に、日本の国民に対して、話すべきだ。

(2014/7/10)