2014年7月8日火曜日

「過ちを改めること」を実行に移した、小泉氏にエールを送りたい。

”過ち、そのものが過ちではない。過って、過ちを改めないことを、過ちという”と賢者は教える。
その意味で言えば、この人の場合は、過ちを改めたというべきか。

1) カナコロ(神奈川新聞)が伝えた

先の総理小泉純一郎氏のことである。


「安全でもないしコストも安くないのに(電力会社が)再稼働を政府に求めている。『多額の税金で原発を動かすのはおかしい』というのは、私が変人だからか、と問いたい」-。

小泉純一郎元首相は7日、都内の講演でこう述べ、原発再稼働を目指す政府を批判、あらためて原発ゼロの必要性を訴えた。小泉氏は、原発停止の影響について

「(再稼働推進派は)エネルギーの輸入で赤字になり、国家の損失になると言い出した。だが食糧を輸入して国の損失になると言った人はいない。脅しに国民はだまされない」と非難。再稼働の判断基準についても「『世界で最も厳しい』というが、(詳細が)国民に知らされていない。再稼働なんてできるはずがない」と指摘した』

久しぶりに、小泉節が炸裂というところか。
「私が変人だからか、と問いたい」とは、ユニークである。

2) 原発が安全。対策が万全。それ以前の問題がある

この話を聞いて、「変人だから」と思う国民は、少ないであろう。
至極まっとうな話だ。

もちろん「原発ゼロの必要性」とは、再稼働の方針の見直しの事を言っている。
再稼働しなくても、現に原発は存在している。
事故の危険性は、存在し、核のゴミの問題もある。

小泉氏は、ーーこの記事には書かれていないがーー、特に、この事を強調する。後始末が出来ないものをどうしてこれ以上動かすのか、という問題である。

原発が安全である。
対策が万全である。
そのようなことではなく、それ以前の問題として、疑問を投げかけている。




      (2013年10月16日の千葉県においての講演会。)


3) 小泉氏にエールを送りたい

日本が議員内閣制をとっている影響か、総理の席を退いた後に、「これは」と思える仕事をする人が少ない。

何を勘違いしているのか、かっての「院政のまね」のような事をする、元総理もいる。
もっても他である。

また、元総理としての見識をもって、「後輩の政治家」に有用な助言をする
訳でもないようだ。

そんな中にあって、小泉氏は、異色である。これはいい意味で言っている。
日本の国民の幸福につながることであるのなら、躊躇せず、自分の信念に従って行動するのは、立派な事だ。

こそこそと料亭などで寄り集まって、「密議」を交わすことから比べれば、何百倍も、何千倍も、良い事である。

一人の国民として、総理経験者として、日本の国のために働くのは、権利であり、義務でもあろう。
それにくわえて、「楽しみ」となることを願う。

”過ち、そのものが過ちではない。過って、過ちを改めないことを、過ちという”。
その、過ちを改めることを実行に移した、小泉氏にエールを送りたい。

(2014/7/8)