食べ物について、栄養面から、あれこれと考えるのは、米国でも同じのようである。
しかし、本当にその情報が正しいかどうかまで、突き詰めての事であろうか。
しかし、本当にその情報が正しいかどうかまで、突き詰めての事であろうか。
1) ウオール・ストリート・ジャーナルの記事より、伝える。
バターとマーガリンの話である。
『栄養面での見方の変化を反映して、バターが米国の食品史上最大の復活を遂げている。
米政府統計によると、米国民は今年平均で5.6ポンド(2.52キログラム)のバターを消費すると見られる。男女、子供全て合わせて1人当たり22.5本(スティック)近くを食べることになり、第2次世界大戦後の新記録だ。
市場調査会社IRIによると、米国民は昨年、ランド・オレークスやオーガニック・バレーなどのバターに20億ドル(2030億円)を費やし、マーガリンの18億ドルを上回った。支出額がマーガリンを上回ったのはこれで3年連続。』(ウオール・ストリート・ジャーナル6/30)
2) 給食が、戦後の日本人の食習慣を作った
中学生の時から、給食が始まった。今から、約45年前にさかのぼる話である。その頃は、主食は、パンのみであった。
パンにつけるものとしては、ジャムとマーガリンであった。マーガリンは、小さな四角い形のもの。これを、最後まで無くさないように、注意しながら、パンにつけて食べた。
その頃は、何故、米飯がないのかについては、何も考えることはなかったし、不審にも思わなかった。
あまりきれいに手を洗わずに、食べていたのであるから、衛生面でも、決して、いいことではなかったと思われる。
給食がパンであったのは、今から考えると、米国の戦略であったと思う。日本人は、パンを食べるようになってから、体力が衰えたのではないかと思うのだ。
3) パン、マーガリン、牛乳は、日本人の体質には、合わない
それは、さておき、マーガリンの事である。給食で、パンにマーガリンの習慣がつき、それが家庭に持ち込まれた。
マーガリンが、バターより安価であったことも、大きな原因であるには違いない。しかし、学校での給食が、大きな役目を果たした、と見る事が出来ると思う。
やがて、それは、ご飯が、肥満を作る、という神話を産むことにつながっていった。今でも、私の妻などは、「ご飯を食べると太る」から、パンを食べる、と言う。
それほどまでに、パン食が定着した。学校給食が、日本人の食生活を大きく変えるた。それは、ある意味、必要な事であったかもしれない。
だが、パンやマーガリンや牛乳に頼る必要は、必ずしもなかった。日本には、お米と言うものがあった。それを「ないがしろ」にしてきた結果が、今日の日本の姿をもたらした。
パン、マーガリン、牛乳は、どれも、日本人の体質には、合わないものだ。幼児のアレルギー問題は、これらの食品を食べないことで、ほとんど解決できるであろう。
手軽なパン食は、何かと、忙しい家庭の主婦にも歓迎された。ご飯と違い、おかずが必要ないからである。朝は、パンとコーヒーで、食事を済ます、という毎日であった。多くの家庭がそうではなかったか、と思われる。
4) 健康の専門家が、食生活をリードする
マーガリンが作られるようになったのは、意外に早く、1869年である、と記事は紹介している。フランスでのこと。ナポレオンの要求で作られたのだという。バターの代替物としてのことであった、という。
そして、初めは、動物油であったものが、20世紀前半には、現在の形の、植物油になった、と記事は書く。
米国でも、マーガリンが好まれるようになったのは、第二次大戦の影響であるようだ。その時に、バターが配給制になったから、とう理由だ。
その意味では、習慣とは恐ろしいものである。特に、食習慣は、その傾向が強い。家庭の味が、好まれる所以であろう。
米国でも、「食品メーカーはマーガリンの低コストを好んだ。健康の専門家がバターのコレステロールと飽和脂肪酸との関連に懸念を示したことで、マーガリン人気は一段と高まった」と言う事情らしい。
5) 情け容赦なしの、錬金術者
現代においては、この「健康の専門家」という怪しげな「占い師」が、食生活をリードする。この「占い師」の言葉がテレビやネットで宣伝される。
深く考えることをしない、また、そういう時間のゆとりもないと言う人々は、迷い、だまされる、ことになる。
この記事は、それを淡々と伝える。「健康の専門家」たちが、流行り、廃りを、創り出す。現代の企業にとっては、この「健康の専門家」たちこそ、錬金術者である。
彼らは、人の弱みに付け込む。情け容赦なしの、錬金術者だ。全てを、「栄養」という言葉が支配する。人々の食べる事への、好みや楽しみは、後回しにされる。
次に持ち出されるのが、「健康」と言う言葉だ。これも大きなインパクトをもたらす言葉である。現代の人々は、皆、「健康教」の信者だ。
ウオール・ストリート・ジャーナルに記事につられて、とりとめのない事を、だらだらと書きすぎた。ご容赦願いたい。
言いたいことは、一つ。自分の健康は、自分で良く考えて、行動する事が重要である、ということ。
食生活は、習慣性に左右される。それに付け込んで、時には、国家規模のまやかしが、行われることがある。要注意である。
(2014/7/1)