これで、直ちに、ペットボトルのリサイクルが、うまくいくようになった、とは言えない。
肝心な事が、抜けている。
『再生樹脂製造を手がける協栄産業(栃木県小山市)は、使用済みペットボトルから、原油由来と遜色ない品質のペットボトルを作る技術を開発し、事業化への軌道に乗せている。大手流通や飲料メーカーと協働し、新たなリサイクルの仕組みを構築。再生ペットボトルの活用を検討する企業が増えており、普及が進みそうだ』
(Business Journal 6/23)
問題は、それで、どれほどの節約になるのか、と言うことである。
別の言い方をすれば、石油で一から作った時と比べて、どれほど、エネルギーの消費が節約できるか、ということである。
早い話が、どちらが、より安く製品化できるかということである。
つまり、コストの問題である。
たとえ、いくら,CO2の発生が、より少なかろうと、リサイクルするのに、多くの費用がかかったのでは、意味がない。
* 開発した技術でのリサイクルコストだけを考えたのでは、意味がない
これは、たんに、協栄産業が開発した技術の、リサイクルコストだけを考えたのでは、これも意味がない。
市民が、利用し終わった時点から、計算する必要がある。
市民は、それを、水道水を使って洗浄する。
そして、それを、ゴミ袋に入れて、ゴミの収集場所まで、運ぶ。
たいそうな手間だ。
(意地悪な見方をすれば、時間泥棒ともいえる。)
(意地悪な見方をすれば、時間泥棒ともいえる。)
しかも、これは、コスト計算が、簡単には出来まい。
それを、自治体の収集車が、決められた置き場に運ぶ。
それを、自治体の収集車が、決められた置き場に運ぶ。
(それを保管しておく場所≪土地≫がいる)
さらにそれを、今度は、トラックをつかって、協栄産業まで運ぶ。
そこで初めて、リサイクルの製造ラインに載る。
* 運搬費、車の維持費、人件費などの積算
ここまでに、ペットボトルのリサイクルに、消費されるエネルギーを換算する必要がある。
洗浄に使われた水道水の生産コスト。
さらに細かく言えば、下水処理の費用がある。
多くの車(それも大型の)が使われ、燃料として、多くの石油が消費される。
特に、ペットボトルはかさばるので、一度に、たくさんは、運べない。
(これらの車を維持するための費用もある。)
つぶして運ぶのなら、つぶす手間も考慮しなくてはならない。
協栄産業の製造過程でCO2の発生がおさえられても、帳消しではないか。
もちろん、人件費が発生している。
自治体の職員。
協栄産業まで運搬する業者。
すくなくとも、これだけのコストを積算する必要がる。
それと、協栄産業の製造過程でのコストを合算して、初めて、全コスト(リサイクル)が出る。
それと、比較する必要がある。
技術の開発は、貴重なことであろうが、技術面だけで、評価するのは、問題がある。
リサイクルにかかる費用をすべて計算した上で、議論すべきことである。
(ちなみに、武田教授の説では、新品は、7,4円。再生では、27円。)
(ちなみに、武田教授の説では、新品は、7,4円。再生では、27円。)
(2014/6/23)