2014年6月30日月曜日

多事叢論:米海軍を中心とする、環太平洋合同演習、始まる。

知らなかったこととはいえ、迂闊であった。
また、これまで国民に、この事実を、積極的に、知らせてこなかったマスコミの責任も、大きい。

もちろん、歴代の自民党政権の事は、言うまでもないことである。


1) 環太平洋合同演習(リムパック)が、26日、ハワイ沖で始まった

ロイターに記事によると、環太平洋合同演習(リムパック)が、26日、ハワイ沖で始まった。

『米海軍を中心に22カ国が参加する環太平洋合同演習(リムパック)が26日、ハワイ沖で始まった。今回は中国海軍が初めて参加した。
中国海軍の参加について、アナリストらからは、中国の海洋権益の主張をめぐる緊張の緩和につながるかどうかは不透明で、中国政府は演習を海軍の強化に利用できるとの声も聞こえる。


演習は8月1日まで5週間にわたって行われ、各国から55隻の艦船、200機以上の航空機、2万5000人の要員が参加。

米国などは、中国も参加する合同演習で同国との間の信頼を構築したい考え。』(ロイター 6/27)http://jp.reuters.com/article/jpUSpolitics/idJPKBN0F206A20140627

2) 環太平洋合同演習(リムパック)は、世界合同演習である

参加国は、22か国に及ぶのだという。
環太平洋合同演習と言うから、太平洋に浮かう国々が参加しての演習かと思ったら、そうではない。

今、主な参加国を、2012年について見てみよう。

まず米国。
オーストラリア。
シンガポール。
メキシコ。
ニュージーランド。
チリ。
この辺りまでは、順当なところ。
ところが、これ以外にも。

ロシア。(この年が、初参加)
オランダ。
イギリス。
インド。
フランス、が参加している。
もうこうなると、環太平洋と言うより、世界合同演習の観がある。

というより、これは、世界合同演習と言った方が、
その実態が、はっきりする、のではないかと思う。

3) 中国軍が参加していた

特に目を引くのが、記事にもあるように、中国軍が参加していることである。
これで一体、どこの国を仮想敵国として、演習を実施したのであろうか。

常識的に考えると、北朝鮮しかないことになる。
昨日には、その北朝鮮が、日本海に、ミサイルを発射した、と報じられた。

この時期になぜ、ミサイルを発射したのか、不思議であった。
が、その謎が解けた。

理由は、この環太平洋合同演習(リムパック)(=世界合同演習)に、あった、のだ。
それなら、納得がいく。

「無謀な、ならず者国家」と言うことになっている、北朝鮮であるが、私は、理由にない「無謀」な行動を、北朝鮮が取るとは、思っていない。

その北朝鮮が、ミサイルを日本海に向けて、発射したから、理由がよく分らなかった。南朝鮮(韓国)に、向けてなら、黄海に向けて発射するはずだからである。

4) ミサイルの発射は、安倍政権を、牽制するもの

しかし、今回は、中国軍が参加しての合同演習である。
黄海に向けて発射された、としても、おかしくはない。

やはり、日本への牽制に意味が大きかった、ということであろう。
安倍政権が、集団的自衛権の行使を出来るように、計り、米国と一体になって、軍事行動が取れるようにしようとしている。

そして、この環太平洋合同演習(リムパック)(=世界合同演習)である。
ミサイルの一発も発射して、牽制したくなっても、「無理はない」

責任は、安倍首相の方にある。

5) 日本の自衛隊は、1980年から参加していた

ところで、この演習であるが、なんと日本の自衛隊は、1980年から参加し続けている。
不思議な事である。

この行為は、集団的自衛権の行使には、該当しないのであろうか。
この辺りにも、歴代の自民党政府の欺瞞性が見て取れる。(これ以上、ここでは議論しない。後日、改めて、検討したい。)

現在進行中である、自衛隊の海外での、いろいろな活動や、この合同演習などについて、はっきりとした認識を示さず、それについて議論もせず、あたかも、
これまでに一度も、集団的自衛権の行使が行なわれなかった、かのように言い立てる安倍政権は、信用できない。

(2014/6/30)