2014年6月23日月曜日

ショート時評:米国防総省、地上発射型迎撃ミサイルの迎撃実験に成功。

実にいいタイミングである。
この情報は、安倍政権にとっては、良い情報か、それとも、悪い情報か。
どう判断するか、興味のある所だ。


『米国防総省は22日、地上発射型迎撃ミサイルによる弾道ミサイルの迎撃実験を実施し、成功したと発表した。
同省ミサイル防衛局と米空軍などが同日行った迎撃実験は、マーシャル諸島クエゼリン環礁から打ち上げた模擬弾を、米カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から発射したミサイルで撃ち落とした。同局のシリング局長は「米本土の弾道ミサイル防衛システムの信頼性向上にとって重要な一歩だ」と発表した』
(YOMIURI online  6/23)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20140623-OYT1T50047.html

マーシャル諸島と言うのは、ハワイと東京と結べは、ちょうど三角形になる所に位置する。オーストラリアの北の方だ。

この実験で、どのような模擬ミサイルを発射したのかは、分らない。

どのような性能を持つ模擬ミサイルであるかは、公表されては、いなかろう。
果たして、どれくらい大陸間弾道ミサイルに近いもの、であったのか。

大陸間弾道ミサイルは、秒速8000mになる、と言われている。
果たして、そのようなものを撃ち落とせるのか。


米軍は、焦っていたであろう。

今回の迎撃実験に失敗すると計画が見直される可能性も出ていた」と記事は書いている。

「計画が見直される」ことを恐れて、迎撃しやすい模擬ミサイルを使用した、とも考えられる。
だから、どれぐらい精度の高い実験であったか、が問題である。


ところで、この実験の成功は、安倍総理にとっては、二重に意味で、いい情報ではなかろう。

このような、迎撃ミサイル実験に成功したということは、米国が独自で、「北朝鮮からの脅威」に備えることが出来るようになった、ということになる。

また、集団的自衛権の行使を目指す安倍首相が、日本の国民に対して、「北朝鮮からの脅威」を持ち出せなくなる、ということである。

米国に、「ミサイルを撃ち落としてもらえば良い」ことになる、からである。

しかし、だからこそ、「米軍と自衛隊とが、親密に協力し合う必要がある」、という考えも成り立たない訳ではない。

安倍首相は、こちらの考えを取るであろう。

(2014/6/23)