2014年6月20日金曜日

ショート時評:都議会での、「ヤジ」に、舛添知事、自民党都議、閣僚は・・・

東京都議会での、不規則発言が問題になっている。
許される発言ではない。

だが、私には、タイミングがタイミングだけに、それぞれの反応が、気になった。


 まずは、本命の舛添都知事から。

 『みんなの党の塩村文夏都議(35)が18日の東京都議会の一般質問で、晩産化に関する都の支援策を求める質問中「自分が早く結婚すればいいんじゃないか」「産めないのか?」などのヤジを受けた問題で20日、舛添要一知事が見解を述べた。午後の定例会見で「品位のない発言だったと思う。女性の尊厳を傷つけるヤジは断じて許さない」と発言』(nikkan sports.com)

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20140620-1320975.html

議事上にいながら、「メモを取りながら質問者(塩村都議)をしっかり見ていたので、ヤジの内容は分からなかった」のだ、そうだ。

が、一部の報道では、「ニヤニヤと笑っていた」と、報じられている。
どうやら、彼一流の言い訳か。

しかも、「そんな発言が出るのは恥ずかしい。謹んでもらいたい。東京を世界一にと言ってるのに『なんだ一方では、こんなことやってるのか』と言われるのは心外」だと述べた、とこの記事は言う。

この「ヤジ」で、塩村文夏都議が深く傷ついたこと、よりも、オリンピックに影響が出ることの方が、大事なようだ。

 自民党都議らの反応

自民党都議等は、「知らぬふり」を決め込むつもりのようだ。
「聞こえなかった。まったく気付かなかった」とはどういうことなのであろう。

議事上にいて、居眠りでもしていたのか。
それとも、スマホに夢中だったのか。

『ところが、自民党都議らに尋ねると「そんな野次あったいかなあ」「野次なんていちいち聞いている人いないですよ」「聞こえなかった。まったく気付かなかった」と仲間をかばって知らぬ顔だ。まったく薄汚い連中である』(Jcast テレビウオッチ 6/20)
http://www.j-cast.com/tv/2014/06/20208185.html

身内をかばいた気持ちはわからぬでもないが、あまりにひどい態度だ。
「まったく薄汚い連中」と書かれても、返す言葉がなかろう。

これでは、都議選の投票率が低いのも、無理はない。

 安倍政権の閣僚の反応

森雅子少子化相は「事実だとしたら、絶対あってはならない、許されないことだ。都議会で検討し、再度起こらないようにしてほしい」

 田村憲久厚生労働相は「議員(本人)も、報道を見た人も心が傷つく言葉。断じて許されない」。

太田昭宏国土交通相は「極めてひどい発言。ワークライフバランスや女性の尊重という点で、配慮を当然するべきだ。ヤジは何でもしていいものではない。品格や人間としての道を踏まえなくてはいけない」

 菅義偉官房長官は「セクハラまがいの発言があったとすれば、議会でしっかりと自浄作用を果たしてほしい』 (朝日新聞 DIGITAL 6/20)


まっとうな反応だ。
こういう以外には、なかろう。

菅義偉官房長官も、さすがに、庇いきれない、であろう。

だが、私は、これとは、違う感想を持つ。
石原環境相の発言に、対するものだ。

何故、このような発言をする閣僚が、石原発言に対しては、何も言わないのか、ということ。
そのことについて、である。

衆院では、今日の本会議で、「野党7党が提出した石原伸晃環境相に対する不信任決議案を、与党の反対多数により否決」した、と報じられている。

どちらの発言も、人々の心情を、大きく損なうものだ。
都議の(ヤジ)には、このように言いながら、石原氏の発言は守る。

これでは、「ヤジを飛ばした」とされる自民党の都議を守る都議会議員と変わりはない。

また、ことさらに都議会でのヤジを煽り立てることで、石原環境相の発言を、「打ち消そう」とするような感じもする。

 これで、言論の府と言えるか。国会こそ、反省を

長くなるが、もう少し続ける。
国会での、委員会や本会議上における議員らの、ヤジについてである。
彼らのヤジも、都議会議員のヤジに劣らず、ひどいものだ。

特に、自民党が、野党であったときは、ひどかった。
よりにもよって、参議院のほうがひどかった。

ヤジりの三羽烏と揶揄されていたのが、西田議員らだ。







質問者はもちろんのこと、答弁する方の声を遮るような、討論自体を邪魔し、否定するような態度が、見え見えだ。

もとより、国会は、議論の府である。
その議論を十分に聞かず、おおきな声で、質疑を遮る。

それは、自らが、議論の府である国会を、否定していることになる。
自分の首を、自分で締める行為である。

ましてや、参議院は、良識の府、といわれる。
その参議院において、この体たらくだ。

都議会のヤジを責めることは出来まい。
西田氏らが、手本を見せ続けているのだから。

このような態度が、都議会での「心無いヤジ」を誘発する、と思う。





(2014/6/20)