2014年6月13日金曜日

フクイチの今(7)「利益追求に走る、東電=他に果たすべき責任がある」

今年の5月19日に、東電が、「ALPS(多核種除去設備)が、全系統停止、処理水の白濁が見つかった」、と発表した。

そのせいか、東電は、ようやく ALPS を諦めた、ようである。

6月9日に、アメリカから、移動式の放射性物質除去装置を、輸入する、と発表した。
 
どうやら、放射性物質を除去する、ための、二つ目のシステムを導入することにした、ようだ。

それは、「クリオン」社の装置で、ストロンチウム、トリチウムなど、62種の放射性物質を、除去出来る装置だ、という。
ALPSでは、トリチウムは、除去できなかった。


「NIKKEI BP net」で、大前研一氏の、『大前研一の「産業突然死」時代の人生論』と題する、記事を見つけた。
そのタイトルは、「“国営”の東電が全国電力小売りや海外投資、大義が立つのか」である。

この記事を参考に、「フクイチの今(7)」は、東電の今を、見てみる。

 今、東電が計画している、ふたつの事

大前氏のこの記事は、長文であるので、全てを引用できない。
それで、まず要点を書き出してみる。
長い文であるが、大前氏が記事は、次の二点にまとめることができよう。

現在、東電には、
① 大手電力会社に、安い価格で電力を販売する計画、
② 海外での、発電事業を拡大し、海外投資を再開する計画、がある。

そして、大前氏は、これらの事に検討を加えたうえで、東電に対し、「こんなことをやっていていいのか」と問いかけている。

* 大手電力会社には安い価格で、個人の顧客には高い価格で

『東電は522日、今年10月から全国で電力の小売りを開始すると発表した。関東に本社があり全国各地に工場や店舗を持つ企業などと一括して法人契約を結び、地元の大手電力より安い価格で電力を販売する計画だという・・・・

首都圏のユーザーに高い価格で電力を売りつけながら、法人には全国規模で「安い電力を供給する」というのは独占企業体として問題がある」のではないか。』(NIKKEI BP net)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140610/401989/?ST=business&P=1
だから、大前氏にすれば、「こんなことやっていていいのか」なのであろう。
東電は、全国規模での、販売については、、中部電力、東京ガス、大阪ガスなどから、安い電力を買い取り、転売する、のだという。
東電に安い電力を売るなら、どうして、これらの電力会社は、個人の顧客に、直接安い電力を売らないのか。大口の顧客には安く売って、個人からは、高く売る。
しかも、余分な料金まで上乗せして。これは、東電だけでなく、電力業界自体にも問題でもある。
送電を分離しても、結局、このような体質が変わらない、としたら、国民は相変わらず、高い電力料金を払い続けることになる、であろう。
 東電は、海外での発電事業も、拡大する予定
『その一方で、東電は海外での発電事業も拡大しようとしている。福島第一原発事故以来、東電は海外投資を中断していたが、それが再開されることになった。日本経済新聞530日付によると、東電は丸紅と組んで、フィリピンに石炭火力発電所を新設する計画』だという。
NIKKEI BP net)
下の図を、見ると、東電が、事故後も変わらず、海外で利益を上げていることが解る。(図は、大前氏の記事からの引用です)
純利益(折れ線)が、2011年の事故後から、直線的に増えているのが分る。
売り上げ(棒線)も、少し伸びている。


『東京電力は破綻し、資本構成も実質的に“国営”となっているが、依然として経営形態は昔のままであり、上場も維持している。国家が補償するのではなく、電力料金の値上げや副業で稼いだカネで償う、というのは筋違いも甚だしい。これは「独占企業体」の弊害どころの話ではなく、「独裁国家の横暴」である。少なくとも首都圏のユーザーはそう声を上げなくてはいけない』NIKKEI BP net )
大前氏は、以上のように結ぶ。
わたしも、このブログにおいて、東電を破たんさせ、国がすべて、責任を引き受けるべき、と述べた。
どちらにしても、(税金としてであれ、電力料金としてであれ)「全ての付け」は、最終的には、国民に回ってくる。そうであるなら、中途半端な事をせずに、大ナタを振るうべきである。
* 東電への、公的資金による支援総額は約3兆5000億円
ところで、過去に東電に注入された資本金は、3兆500億円に上る。
『3月29日の毎日新聞は,”東電:1兆円の資本注入と賠償費8459億円支援を申請
 東京電力は29日、政府の原子力損害賠償支援機構に1兆円の公的資金による資本注入と、福島第1原発事故の賠償金として8459億円の追加支援を申請した。
 東電が原子力損害賠償紛争審査会の新指針に基づき申請した追加の支援額計8459億円の内訳は不動産などに4500億円、精神的損害に3300億円など。今回が3回目で、公的資金による支援総額は約3兆5000億円に達する。
”と報道しました』金子吉晴(維新政党・新風)のブログより)
http://ccp58800.blog25.fc2.com/blog-entry-973.html

大前氏も指摘するように、東電は、「国営会社」というに、等しい企業体だ。
広瀬社長自身、最初に、国が資本を注入した時、以下のように述べている。


『今回の株式引き受けで当社は一時的公的管理に入る。被害者への賠償、(福島第1原発4号機の)廃止措置、電力の安定供給の確保の3つの課題を同時に達成するために第二の創業の機会を与えていただいた。新生東電に生まれ変わるべく最大限努力する』
(ロイター 2012/07/31)

大前氏でなくとも、「それでいいのか」と、言いたくなろう。
金子吉晴氏も、ただ「なれ合いの対応に終始」している。
「責任の所在を不明確に」しており、誰も責任を問われていない。(大前氏も同じように言う)

「近代国家の体」をなしていない、と批判する。
「戦後日本らしい対応」で、「信賞必罰の徹底」がなされていない。
信賞必罰の徹底」がなされないのは、戦前の伝統ですが、金子氏も同じように、「戦前もそうであった」と述べる。

もっとも、最後の「戦争のできる国にする」というのは、私としては、ご免こうむりたい、が。

 東電は、社会正義に反する存在である

汚染水の測定数値をごまかし、汚染水を海にそのまま流し続けていたことを隠しつづけ、何かあると、原因は分らない、という。

国民からは、税金や高い電力料金を受取る。
それだけでなく、国から膨大な援助金を受け取りながら、その一方で、お金儲けに走る。
今の東電は、どこから、どう見ても、社会正義に反する存在である。