2014年6月6日金曜日

フクイチの今(4)凍土壁工事の行方が不透明。汚染水は、今も海へ

「福島第1原発:東電、汚染水の海洋流出認める…5月以降」という衝撃的な内容の記事が掲載されたのが、昨年の7月22日のこと、であった。
それは、まさに、参議院選挙が終わって、自民党が大勝したことが分った、翌日である。


        * 1日300tの汚染水が、海に流出中

東電は、その時、選挙との関連については、否定した。
そして、「データを、説明できる状況になかった」、と言い訳をした。

その後、8月になって、1日300tの汚染水が海に流出している事を、政府のエネルギー庁が公表した。

『エネ庁の説明資料によると、福島第1原発4号機には、1日約1000トンの地下水流入があり、このうち約400トンが建屋に流入。残りの約600トンの一部が、放射能の汚染源に触れて海に放出されている状況だという。

現場では海側に近い3カ所の周辺に井戸を掘り、地下水の状況を観測しているが、新川室長によると、「それぞれの観測孔周辺で地下水が汚染源に触れて汚染水として海洋流出していると仮定を置いている」と説明した。海への影響については、「港湾口、海洋については今のところ大きな汚染は認められていない」(新川氏)としている。
東京電力関係者は夕方の記者会見で「汚染水が海に流れ出ている可能性については否定していない」としながらも、1日300トンの汚染水流出という試算については「中身を承知していない。まだ、説明できる数字を持っていない」と述べた。・・・


東電と政府は、当面の緊急対策と今後1、2年を要する抜本対策を実施して、汚染水の海洋流出を食い止める考えだ。抜本対策の1つとして、土を凍らせて14号機を囲う壁(凍土壁)を作り、2015年7月までの完成を目指す。世界でも前例のない工事となる。

緊急対策としては、1)8月中旬から配管、電線を通す地下のトレンチにたまっている高濃度汚染水の除去開始、2)海岸近くの汚染エリアを特殊な薬液を注入して遮水壁を作る地盤改良、3)アスファルトなどで地表を舗装し、雨水を地下に染み込ませない、4)地下水の汲み上げを今週中に開始、5)山側から敷地内に流入する地下水を汚染する前に汲み上げて海に流す(地下水パイパス)──ことを実施する』 (ロイター 2013/8/7)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97605B20130807?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0
600トンのうち、300トンが、汚染源に触れて、汚染水となって、海に流出している。
それは、今も続いている。
しかも、この事が、「忘れられている」

汚染水のタンクからの、漏えい。雨水、台風、対策。
高濃度の汚染水が検出されたこと、など・・・。
細切れな情報は、表に出てくるが、肝心な事には、目がいかないように「計画」?されている。

また、残りの、300トンは、何処へ。
この事についての、説明は、ない。



この流出している汚染水についての、「政府の見解」は、大きな汚染にはなっておらず、「問題がない」というもの、のようだ。
政府としては、こう言う以外にはなかろう。

汚染水は、海に流出している。
これを、止めることが、今すぐには出来ない。

安全でなくては困る。だから、安全である。
安全である、と思いたい。そういうことなのであろう。

安倍首相も、そういう見解なのだから。
もっとも、首相が、世界に向けて、そのように宣言するのは、後になってからの事、であるが。
          * 地下水の流入を防ぐ事は、可能か
それで、考えられたのが、凍土壁で建屋のまわりを囲い、地下水の流入を防ぐ、というもの。
そんなに、うまくいくか。まだ。先例がない。

もう一つは、建屋に来る前の地下水をくみ上げ、汚染の線量が基準値以下なら、海へ放出する、という案。

これは、早くから検討されていたこと。
規制委の田中委員長も、早くから、認めていた、こと。

≪地下水の対策のイメージ図。47NEWS の記事≫



ところが、この凍土壁の工事が難航している。当初は15年7月までに完成させる予定であった。それが、まだ、着工にも至っていない、という。

もうすぐ、この問題の対策が検討され始めて、1年近くになる。政府も、前面に出で、汚染水の問題に取り組む、と国民に約束をした。あれは、「空手形」か。

今の計画では、6月中に着工。何と、7年後までに、建屋への地下水の流入を止めたい意向、だという。ところが、足並みがそろわず、6月着工も難しい状況だ、という報道もある。いろいろと思惑が、からんでいる様子であり、不透明。

そこで、より簡単な、建屋の来る前の地下水をくみ上げて、海へ流す方法が、先行した、と言うのが実情と思われる。

 凍土壁の実現性に懸念

47NEWSが、以下のように報じた。
『政府や東京電力が福島第1原発の汚染水問題の抜本対策と期待する「凍土遮水壁」の工事の行方が不透明になっている。東電は6月にも本格着工し、7年後までに建屋への地下水の流入を止めたい意向だが、前例のない大規模な計画には、安全性を審査する原子力規制委員会からも「説明不足」などの
が漏れ、実現性への懸念も強い』(47NEWS 2014/4/28)

「実現性への懸念」は、当然である。さらに、上の図では、建屋は、囲まれているが、これが、曲者。地震で、ヒビが入るなりしている、可能性は充分に考えられる。そうなら、「上から入れて、下で汲み上げる事」を繰り返すことになる、のではないか。

これは、「底の抜けた壺」と同じではないか。これでは、仮に、凍土壁の方法が完成して、うまくいったとしても(地下水の対策にはなっても)、汚染水の解決にはならない、であろう。

≪関連サイト案内≫
福島第1原発:東電、汚染水の海洋流出認める…5月以降(毎日新2013/7/22)

 「地下水海洋放出/対策全体の不透明感晴らせ」(河北新報2014/5/22)

http://www.kahoku.co.jp/editorial/20140522_01.html