2014年6月21日土曜日

ショート時評:被ばくした牛を連れ、東京都内で抗議活動をした。

正直に言って、コメントしにくい記事だ。

だが、福島の事故について、少なからぬ記事を投稿してきているので、目をそむける訳にはいかない。

反発を承知で、書こう。


『福島県浪江町の旧警戒区域内で、福島第1原発事故で被ばくした牛を飼い続けている牧場代表が20日、牛1頭を連れ、東京都内で抗議活動を行った。国が移動を禁じた福島第1原発から20キロ圏にある旧警戒区域内の家畜が、許可なく域外に出るのは初めて。
抗議したのは、福島第1原発から14キロ離れた浪江町立野の旧警戒区域(現在は居住制限区域)で約330頭の牛を飼う「希望の牧場・ふくしま」の吉沢正巳代表(60)。国の殺処分命令を拒否し、牛を保護してきた』(河北新報 6/21)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201406/20140621_73012.html

吉沢正巳代表の行動は、「国の殺処分命令の撤回や被ばく牛の調査研究の推進など」を求めてのもの、であるという。

彼は、「国が移動を禁じた福島第1原発から20キロ圏にある旧警戒区域内」から、牛を連れてきた。

これは、許されることではいない。
警察は、毅然として、対処すべきであった。

たとえ、一頭といえども、被ばくした牛である。
まして、何百キロにもなる牛だ。
どれ程の被曝線量かわからない

要求があるのなら、牛をおいて、来るべきだ。
それとも、牛と同じように、都民も被曝すべきと思っているのであろうか。

そんな風には、思いたくはない。


「国の殺処分命令の撤回」を要求しているとのことだが、要求を飲むべきである。
過去には、伝染病にかかった、何万羽と言う鶏が、殺傷されてきた。
豚の例もある。

鶏であろうと、豚であろうと、育てた人にとっては、違いはなかろう。

残酷な事を言うようだが、事故がなければ、いずれは、食肉にされるべき運命にある牛である。

可愛くて、出来ないという気持ちは分らなくもない。
しかし、育て続けて、どうしようと思っているのか。

いずれは、被曝した牛を、市場に出して、売るつもり、なのか。

この記事は、明確に「被曝した牛」と述べている。
斑点があるとか、ないとかは、関係のない事である。

被曝しているか、いない、かの問題だ。

「殺すに忍びない」というのなら、飼いつづけることは、自由であろう。
だが、「知らぬ間に食肉にされて売られていた」というようなな事だけは、ご免こうむりたい。

(2014/6/21)