1)自民党の高村正彦副総裁にこそ、「勉強してもらいたい」
高村副総裁が、最近の自民党の地方議会の決議に対し、暴言を「吐いた」
産経ニュースが、伝えた。
『「地方議会であっても、日本人であれば慎重に勉強してもらいたい」
自民党の高村正彦副総裁は27日の記者会見で、岐阜県議会と那覇市議会で自民党議員が集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を批判する意見書を提出、可決されたことを批判した。・・・
岐阜県議会は24日、「慎重な検討を求める」意見書を、那覇市議会は20日に「安倍内閣への抗議」の意見書をそれぞれ可決した。』
(産経ニュース 6/28)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140628/stt14062800210002-n1.htm地方議会で、このような動きがあることは、前から報道を見て、知っていた。
記事にするタイミングを逃した気がしていたのであるが、高村副総裁の発言について報道されたので、すこし出遅れの感があるが、考えを述べておきたい。
高村副総裁の発言の意味は、「これまでの内閣の中での歴史」の事を言っているのであろう。
たとえそれは事実だとしても、それと地方議会の決議と何の関係がある。
まして、「地方議会であっても」とは。
そのような地方議会を、低くみる態度こそ、「慎重に勉強し直して」、改めてもらいたい。
2) 地方自治は、「地方自治法」で守られている
「慎重に勉強してもらいたい」と言いたいのは、地方議会も同様の意見であろう。
地方自治は、国の役割として、第2条の2で、以下のように述べている。
「国は・・・地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たつて、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。」
この条文を高村氏が知らないわけがあるまい。
「それを知っての発言だ」、というのなら、尚の事、問題である。
地方の議会が、どのような議題を議論し、決議するかは、地方議会の自由である。
もちろん、「地方自治法」に違反しない限りにおいての事ではあるが。
「地方議会であっても、日本人であれば慎重に勉強してもらいたい」とは、言語道断である。
まして、「日本人」を持ち出すなど、ピントはずれも、はなはだしい。
このような発言こそ、地方自治を軽視するものであり、法律をないがしろにする発言だ。
もっとも、憲法に違反していることが明白であるのもかかわらず、強引に集団的自衛権の行使の容認に、「お墨付き」を与えた高村氏であってみれば、当然の発言か。
3) 東京が、日本を代表している訳ではない
これまで、地方議会は、何かと低く見られていた傾向がある。
この機会に、是非、本領を発揮してもらいたい。
高村副総裁のような考えは、「大きな間違いである」と、地方議会から、発信して頂きたい。
現在、東京には、日本の国民の2割を超える人々が居住していると先ごろ発表された。
と言うことは、東京以外に、依然として、7割を超える国民が居住していることになる。
東京が、日本を代表している訳ではないのである。
(2014/6/28)