2014年6月21日土曜日

ショート時評:国連の潘事務総長、イスラム国への空爆を非難

国連の潘基文事務総長はニューヨーク市内で講演し、イラクのイスラム武装勢力への空爆について、「逆効果になりかねない」と否定的な考えを、強調した。


 『イラク政府がイスラム武装勢力「ISIS(イラク・シリアのイスラム国)」への空爆をアメリカ政府に求めていることについて、潘事務総長は「長期的な効果はほとんどなく、イラク政府の協力がなければ逆効果になりかねない」と述べました。また、現在のイラク情勢は、シリアの紛争が波及しているという認識を示しました』
(tv asahi  6/21)
http://news.tvasahi.co.jp/news_international/articles/000029218.html

イラク戦争は、国連安保理の決議にないままに、米国によって始められた。
イラクのフセイン大統領が、大量破壊兵器を隠し持っている、というのが、名目であった。

だが、その大量破壊兵器は、ついにイラクでは見つからなかった。
そこで、考え出された口実が、「テロとの戦い」であった。

米国は、戦争では、(一時的には)勝利したが、戦争終結宣言後は、イラクで混迷を極めた。

オバマ大統領に変わって、米軍はイラクから、完全撤退した。
ようやく、イラクでの泥沼から、足を抜くことができた。

そうなるはず、であった。

 米国は、国連軽視の政策を取るべきではない

もし、また、この国連の潘事務総長の言葉に反して、イラクを空爆したとすれば、今回もまた、米国は、国連を無視したことになる。

過去において、米国は、国連を重視してこなかった。
国連を重視する場合でも、それは自国の国益にかなう時に限られた。

今、オバマ大統領は、国内において苦境にある、と言われている。
だが、オバマ大統領は、先ごろ新しい方針を打ち出した。

それは、武力ではなく、外交によって、国際紛争を解決する、という方針だ。
立派である。

是非、そういう方向で、米国は汗を流してほしい。
そういう汗なら、日本人も、大いに流す用意がある。

今度、イラクに関われば、米国は、再び、米国の若者が、血を流すことになる。
もうそんな事は、やめるべきである。

* 米国の若者も、日本の若者も、もう血を流すような事は止めよう

日本人の多くは、そんな米国と組んで、戦争をする気はない。
が、日本の中にも、米国と組んで、戦争をしたい、と思っている人々は、いる。

だが、そういう人々は、たいていは、自分が安全な所にいる人々だ。
もう「年寄り」で、戦争に行かなくてもよい、「ヨボヨボ」の人々だ。

そういう人々が集まって、戦争の話をしている。
本来は、一番に、憲法を守るべき立場にいる、人々だ。

なのに、そういう人々が、戦争をしたがっている。
これは、狂気でしかない。

米国の若者も、日本の若者も、他国に出向いてまで、もう血を流すようなことは、すべきではない。

(2014/6/21)