イラクで、緊張が高まる中、ウクライナでも、新たな事態が進行している。
「ウクライナ中部ポルタワ州で17日、ロシアから欧州に天然ガスを送るパイプラインが爆発し炎上した。ウクライナのメディアによると負傷者は出ていない。同国内務省はテロの可能性が高いとの声明を示した。
ロシアは16日、ガス料金の未払いを理由にウクライナ向けのガス供給を停止したが、同国経由の欧州への輸出は続けている。政府関係者によると、他のパイプラインの輸送量を増やすことで、欧州へのガス輸送への影響は避けられるという」 (日本経済新聞 6/18 )
テロ攻撃の可能性があると観て、捜査中である、という。そう考えるのは、自然の見方だ。
欧州へ送る天然ガスのパイプラインが使えなければ、ロシア政府にとっては大きな痛手である。
もちろん、欧州の国民も困る。
引いては、それは、ロシア政府への圧力となって、跳ね返ってくる。
相手が、相手が自分より強いとき、そう考えるのは、戦略としては、当然の策である。
もちろん、かならず、そのように働くとは、限らないのが、難しい所ではあるが。
かえって、「テロ攻撃をした側」への反発となって、現れる可能性も十分にある。
微妙なところだろう。戦略としては、中策か。
とても、上策とは言えまい。
テロで、世論を味方にすることが出来ないのは、もう証明済みの事、だからである。
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また、記事は、ロシアが16日、「ガス料金の未払いを理由にウクライナ
向けのガス供給を停止」したと報じている。
これは、どうみてもおかしい。
反ロシア政策を取る、ウクライナに対する制裁措置と見るのが、自然である。
ところで、第一次大戦は、(最初には)あのような世界大戦へと発展するとは、
当時は、誰も考えていなかった。
小さな杯、一杯の水を見て、大河の流れを予想する、ということわざがある。
ウクライナでの出来事が、第三次世界大戦の引き金になる、ようなことだけは、
どうしても避けて欲しい。
(2014/5/18)