この記事は、アーミテージ報告書、と呼ばれているものを、抜粋し、検討をくわえてものである。
報告書は、2012年の夏に出された。
長くなるが、しばらくお付き合いを願いたい。解釈は、「投稿者のもの」であり、読者は、それに煩わされることなく、独自の解釈をされたい。
報告書は、2012年の夏に出された。
長くなるが、しばらくお付き合いを願いたい。解釈は、「投稿者のもの」であり、読者は、それに煩わされることなく、独自の解釈をされたい。
* 報告書の作成の目的
「日本は、世界の平穏な地域に位置する、取るに足りない国ではない。アジア太平洋地域の安定した戦略的平衡のための海の要、国連(UN)と国際通貨基金(IMF)など主要多国籍機関に対する2番目に大きな貢献者、世界で最もダイナミックな半球のためにシーレーンをオープンに保つ米軍のホストとして、米国とその他の国々は日本に頼っている。
日本が強い米国を必要とするに劣らず、米国は強い日本を必要とする。そして、この観点から、我々は日米同盟とそのスチュワードシップの問題を取り上げる。日本が米国と肩を並べ続けていくには、米国と共に前進する必要がある。日本は、今までアジアのリーダーであったが、今後もそうあり続けることができるのである。」(IWJ Indpendent Web Journal 2013/2/3)http://iwj.co.jp/wj/open/archives/56226#no5
注目すべきは、「米軍のホストとして」という所。
「日本が米国と肩を並べ続けていく」には、自衛隊は、もっと強い「軍隊)のなる必要がある、ということであろう。
「そのための提言をする」ということだろうが、読んでみると、命令に近い。
★ ★ ★ ★
* 日本は、これまで以上に防衛と軍事の外交手腕を発揮せよ
「新しい安全戦略に向けて 防衛戦略:同盟の相互運用性に向かって」と言う章において、以下のように述べる。(読みやすくするために、投稿者が適当に間隔をあけた)
「日本は能力形成や二国間及び多国間の対応を通して、これまで以上に防衛と軍事の外交手腕を発揮することができる。新たな役割と任務の見直しにあたっては、日本の防衛及び地域の緊急事態における米国との防衛を含めた日本の責任範囲を拡大すべきである。
最も喫緊の挑戦は日本自身の隣国だ。中国は、日本への度重なる周航を含む、東シナ海の大半、実質的な全南シナ海、人民解放軍と海軍の運用速度の劇的な増加を、主張或いは実践しており、これらは北京による「第一列島チェーン(日本、台湾、フィリピン)」、もしくは北京が考える「近海」全体に対しての、より強大で戦略的な影響を与える意志を示している。
これらの種の接近阻止・領域拒否(A2AD)という挑戦に対し、米国は空海戦闘や統合作戦アクセス構想(JOAC)などの新たな作戦構想への取組みを開始している。日本は「ダイナミック防衛」の様な類似構想への取組みを開始している。
米国海軍と海上自衛隊が歴史的に2国間の相互運用性を牽引してきた一方で、新たな環境はより強大な連帯と両国における部局横断的な相互運用性及び両国間の相互運用性を明確に必要としている。この挑戦は両国のRMC会談の中核であり、日本の防衛省及び外務省と共に米国国防省の指導により十分に統合され前進するものでなければならない。予算の制約がある中で、RMCは断片的に処理されたり、下級議員によって処理されたりしてはならない。」(同上)
これまで以上に「防衛と軍事の外交手腕を発揮することができる」といているが、これは、「すべきである」と読み替える必要がある。
そうすると、この報告書の意図が理解できる。
「日本の責任範囲を拡大」すべきでるとは、要するに、「自分(日本)の事は、自分(日本)でせよ」、と読み替える。
「より強大な連帯と両国における部局横断的な相互運用性及び両国間の相互運用性」とは、米軍と自衛隊が、今以上に協力していくべきだ、ということであろう。
具体的な事は、次に出てくる節で示される。
★ ★ ★ ★
* ペルシャ湾での掃海作業と南シナ海の共同監視について
「同盟防衛協力の潜在力が増加した2つの追加地域は、ペルシャ湾での掃海作業と南シナ海の共同監視である。ペルシャ湾は極めて重要なグローバル貿易とエネルギー輸送の中核である。ホルムズ海峡を閉鎖するというイランの言葉巧みな意思表示に対して、日本はこの国際的に違法な動きに対抗する為に単独で掃海艇をこの地域に派遣すべきである。
南シナ海における平和と安定は、特に日本にとって大変重要な、もう一つの極めて重要な同盟利害である。重要なエネルギー資源を含む、日本へ供給される88%のものが南シナ海を経て輸送されるのであるから、安定と航行の自由を確保する為に米国と協力して監視を増強することは日本が関心を示すところである。」(同上)
「同盟防衛協力の潜在力が増加した」とは、「米軍と自衛隊の協力が、特に重要視される」と読み替える、こと。
そして、この報告書は、それを自衛隊がすべきだ、とのべる。
「単独で掃海艇をこの地域に派遣すべき」とは、そういうことになる。
ここでも、「自分の事は自分でせよ」が、強調されている。
これを受けてか、安倍首相も、集団的自衛権の行使の容認にあたっては、特に強調していることだ。
★ ★ ★ ★
* 「日本の防衛」と地域防衛の区別は明確でない
『「日本の防衛」と地域防衛の区別は明確でない。ホルムズ海峡の封鎖や南シナ海での軍事的緊急事態は、日本の安全と安定に深刻な影響を及ぼすものと考えられる。かつて賞賛された剣と矛の例えは、現状の防衛活動力を過度に簡略化しすぎており、国家の防衛には攻撃責務の備えも必要だという事実をはぐらかしている。
両国共に、日本の活動領域を十分に拡張させるより強健で共有した、また相互運用性のある情報・監視・偵察(ISR)能力と作戦を必要としている。在日米軍(USFJ)には日本の防衛に関して明確な役割が与えられるべきである。作戦の遂行能力と今後起り得る在日米軍と自衛隊の合同機動部隊の軍事力を考慮して、米国は在日米軍により大きな責任と使命感を与えるべきである。』(同上)
「国家の防衛には攻撃責務の備えも必要」とは、専守防衛ではダメ、ということだろう。
自分の方から攻撃していく力が必要、とよむところだろう。
何と、今後の予定まで、作成している。
「作戦の遂行能力と今後起り得る在日米軍と自衛隊の合同機動部隊の軍事力を考慮して」とは、まさに、安倍政権により、集団的自衛権の行使の容認が行われることを、暗示している。
安倍首相は、これに従ったのであり、「日本を取り戻す」などと言っているのは、口実に過ぎない事が、明白である。
★ ★ ★ ★
* 相互運用性を高める5つの方法について
「相互運用性を高める1つの方法は、双方の防衛訓練の質を向上させることである。米国空軍、海軍は自衛隊と連携して民間空港を循環した訓練を毎年行うべきである。新たな訓練地域は潜在的な緊急事態をより広範に想定させ、両軍をより危険な状態に晒し、さらには沖縄の人々に対しての負担を共有する感覚をもたらすだろう。
第二に、自衛隊と米軍は緊急事態への対応能力を向上させる、トモダチ作戦で学んだ事柄を試すべきである。
第三に、陸上自衛隊は価値のある平和維持活動(PKO)や災害復興支援に携わる一方で、陸海空軍連携の拡大について検討すべきである。
陸上自衛隊を敏捷で配備可能な軍隊に方向修正することは、将来の編成に向けて同盟をより有意義に整備させるだろう。
第四に、米国と日本はグアムと北マリアナ諸島(CNMI)における新たな訓練領域を十分に活用すべきであり、それはオーストラリアのダーウィンにおける新たな共有設備についても同様である。共同の海上派遣軍事力は、日本、韓国、オーストラリア、カナダ、及びニュージーランドにとって中核的な焦点である。
米軍との訓練、特に海軍との訓練が、より広範に相互運用性を拡大させるだろう。
最後に、東京は双方とそれぞれの防衛上の秘密と秘密情報を保護する為に防衛省の法的能力を向上させるべきである。秘密保持の点からすれば、現在の法管理体制は米国標準と同等のレベルではない。政策と厳格な防衛訓練の組合せが、日本の初期の特殊作戦部隊(SOF)の能力を加速させ相互運用性を向上させるだろう。」(同上)
「 米国空軍、海軍は自衛隊と連携して民間空港を循環した訓練」を、毎年行え、という指導、だ。
この箇所の注目すべきところは、「民間空港」と言う言葉。
有事の際は、民間空港を優先的に使う、という意思の表れであろう。
3.11の時の「トモダチ作戦」とは、米軍と自衛隊が協力するための訓練であった、と告白した箇所。
米軍が、親切でしてくれたことではない、ということか。
3.11の時には、沖合にずらりと米軍の艦船が並んだ、と言われる。
訓練のためだったのか。
「陸上自衛隊を敏捷で配備可能な軍隊に方向修正」せよ、という。
自衛隊を軍隊に昇格させよ、その上で、米軍の「家来に成れ」と読むべきところだろう。
「米国と日本はグアムと北マリアナ諸島(CNMI)における新たな訓練領域を十分に活用」とは、要するに、米軍は、今後は、グアムに拠点を移す、と読むべきか。
安倍首相は、「防衛省の法的能力を向上させるべき」と要求されたので、特定秘密保護法を成立させた、と読める。
(2014/6/24)
「日本は、世界の平穏な地域に位置する、取るに足りない国ではない。アジア太平洋地域の安定した戦略的平衡のための海の要、国連(UN)と国際通貨基金(IMF)など主要多国籍機関に対する2番目に大きな貢献者、世界で最もダイナミックな半球のためにシーレーンをオープンに保つ米軍のホストとして、米国とその他の国々は日本に頼っている。
日本が強い米国を必要とするに劣らず、米国は強い日本を必要とする。そして、この観点から、我々は日米同盟とそのスチュワードシップの問題を取り上げる。日本が米国と肩を並べ続けていくには、米国と共に前進する必要がある。日本は、今までアジアのリーダーであったが、今後もそうあり続けることができるのである。」(IWJ Indpendent Web Journal 2013/2/3)http://iwj.co.jp/wj/open/archives/56226#no5
注目すべきは、「米軍のホストとして」という所。
「日本が米国と肩を並べ続けていく」には、自衛隊は、もっと強い「軍隊)のなる必要がある、ということであろう。
「そのための提言をする」ということだろうが、読んでみると、命令に近い。
★ ★ ★ ★
* 日本は、これまで以上に防衛と軍事の外交手腕を発揮せよ
「新しい安全戦略に向けて 防衛戦略:同盟の相互運用性に向かって」と言う章において、以下のように述べる。(読みやすくするために、投稿者が適当に間隔をあけた)
「日本は能力形成や二国間及び多国間の対応を通して、これまで以上に防衛と軍事の外交手腕を発揮することができる。新たな役割と任務の見直しにあたっては、日本の防衛及び地域の緊急事態における米国との防衛を含めた日本の責任範囲を拡大すべきである。
最も喫緊の挑戦は日本自身の隣国だ。中国は、日本への度重なる周航を含む、東シナ海の大半、実質的な全南シナ海、人民解放軍と海軍の運用速度の劇的な増加を、主張或いは実践しており、これらは北京による「第一列島チェーン(日本、台湾、フィリピン)」、もしくは北京が考える「近海」全体に対しての、より強大で戦略的な影響を与える意志を示している。
これらの種の接近阻止・領域拒否(A2AD)という挑戦に対し、米国は空海戦闘や統合作戦アクセス構想(JOAC)などの新たな作戦構想への取組みを開始している。日本は「ダイナミック防衛」の様な類似構想への取組みを開始している。
米国海軍と海上自衛隊が歴史的に2国間の相互運用性を牽引してきた一方で、新たな環境はより強大な連帯と両国における部局横断的な相互運用性及び両国間の相互運用性を明確に必要としている。この挑戦は両国のRMC会談の中核であり、日本の防衛省及び外務省と共に米国国防省の指導により十分に統合され前進するものでなければならない。予算の制約がある中で、RMCは断片的に処理されたり、下級議員によって処理されたりしてはならない。」(同上)
これまで以上に「防衛と軍事の外交手腕を発揮することができる」といているが、これは、「すべきである」と読み替える必要がある。
そうすると、この報告書の意図が理解できる。
「日本の責任範囲を拡大」すべきでるとは、要するに、「自分(日本)の事は、自分(日本)でせよ」、と読み替える。
「より強大な連帯と両国における部局横断的な相互運用性及び両国間の相互運用性」とは、米軍と自衛隊が、今以上に協力していくべきだ、ということであろう。
具体的な事は、次に出てくる節で示される。
★ ★ ★ ★
* ペルシャ湾での掃海作業と南シナ海の共同監視について
「同盟防衛協力の潜在力が増加した2つの追加地域は、ペルシャ湾での掃海作業と南シナ海の共同監視である。ペルシャ湾は極めて重要なグローバル貿易とエネルギー輸送の中核である。ホルムズ海峡を閉鎖するというイランの言葉巧みな意思表示に対して、日本はこの国際的に違法な動きに対抗する為に単独で掃海艇をこの地域に派遣すべきである。
南シナ海における平和と安定は、特に日本にとって大変重要な、もう一つの極めて重要な同盟利害である。重要なエネルギー資源を含む、日本へ供給される88%のものが南シナ海を経て輸送されるのであるから、安定と航行の自由を確保する為に米国と協力して監視を増強することは日本が関心を示すところである。」(同上)
「同盟防衛協力の潜在力が増加した」とは、「米軍と自衛隊の協力が、特に重要視される」と読み替える、こと。
そして、この報告書は、それを自衛隊がすべきだ、とのべる。
「単独で掃海艇をこの地域に派遣すべき」とは、そういうことになる。
ここでも、「自分の事は自分でせよ」が、強調されている。
これを受けてか、安倍首相も、集団的自衛権の行使の容認にあたっては、特に強調していることだ。
★ ★ ★ ★
* 「日本の防衛」と地域防衛の区別は明確でない
『「日本の防衛」と地域防衛の区別は明確でない。ホルムズ海峡の封鎖や南シナ海での軍事的緊急事態は、日本の安全と安定に深刻な影響を及ぼすものと考えられる。かつて賞賛された剣と矛の例えは、現状の防衛活動力を過度に簡略化しすぎており、国家の防衛には攻撃責務の備えも必要だという事実をはぐらかしている。
両国共に、日本の活動領域を十分に拡張させるより強健で共有した、また相互運用性のある情報・監視・偵察(ISR)能力と作戦を必要としている。在日米軍(USFJ)には日本の防衛に関して明確な役割が与えられるべきである。作戦の遂行能力と今後起り得る在日米軍と自衛隊の合同機動部隊の軍事力を考慮して、米国は在日米軍により大きな責任と使命感を与えるべきである。』(同上)
「国家の防衛には攻撃責務の備えも必要」とは、専守防衛ではダメ、ということだろう。
自分の方から攻撃していく力が必要、とよむところだろう。
何と、今後の予定まで、作成している。
「作戦の遂行能力と今後起り得る在日米軍と自衛隊の合同機動部隊の軍事力を考慮して」とは、まさに、安倍政権により、集団的自衛権の行使の容認が行われることを、暗示している。
安倍首相は、これに従ったのであり、「日本を取り戻す」などと言っているのは、口実に過ぎない事が、明白である。
★ ★ ★ ★
* 相互運用性を高める5つの方法について
「相互運用性を高める1つの方法は、双方の防衛訓練の質を向上させることである。米国空軍、海軍は自衛隊と連携して民間空港を循環した訓練を毎年行うべきである。新たな訓練地域は潜在的な緊急事態をより広範に想定させ、両軍をより危険な状態に晒し、さらには沖縄の人々に対しての負担を共有する感覚をもたらすだろう。
第二に、自衛隊と米軍は緊急事態への対応能力を向上させる、トモダチ作戦で学んだ事柄を試すべきである。
第三に、陸上自衛隊は価値のある平和維持活動(PKO)や災害復興支援に携わる一方で、陸海空軍連携の拡大について検討すべきである。
陸上自衛隊を敏捷で配備可能な軍隊に方向修正することは、将来の編成に向けて同盟をより有意義に整備させるだろう。
第四に、米国と日本はグアムと北マリアナ諸島(CNMI)における新たな訓練領域を十分に活用すべきであり、それはオーストラリアのダーウィンにおける新たな共有設備についても同様である。共同の海上派遣軍事力は、日本、韓国、オーストラリア、カナダ、及びニュージーランドにとって中核的な焦点である。
米軍との訓練、特に海軍との訓練が、より広範に相互運用性を拡大させるだろう。
最後に、東京は双方とそれぞれの防衛上の秘密と秘密情報を保護する為に防衛省の法的能力を向上させるべきである。秘密保持の点からすれば、現在の法管理体制は米国標準と同等のレベルではない。政策と厳格な防衛訓練の組合せが、日本の初期の特殊作戦部隊(SOF)の能力を加速させ相互運用性を向上させるだろう。」(同上)
「 米国空軍、海軍は自衛隊と連携して民間空港を循環した訓練」を、毎年行え、という指導、だ。
この箇所の注目すべきところは、「民間空港」と言う言葉。
有事の際は、民間空港を優先的に使う、という意思の表れであろう。
3.11の時の「トモダチ作戦」とは、米軍と自衛隊が協力するための訓練であった、と告白した箇所。
米軍が、親切でしてくれたことではない、ということか。
3.11の時には、沖合にずらりと米軍の艦船が並んだ、と言われる。
訓練のためだったのか。
「陸上自衛隊を敏捷で配備可能な軍隊に方向修正」せよ、という。
自衛隊を軍隊に昇格させよ、その上で、米軍の「家来に成れ」と読むべきところだろう。
「米国と日本はグアムと北マリアナ諸島(CNMI)における新たな訓練領域を十分に活用」とは、要するに、米軍は、今後は、グアムに拠点を移す、と読むべきか。
安倍首相は、「防衛省の法的能力を向上させるべき」と要求されたので、特定秘密保護法を成立させた、と読める。
(2014/6/24)